公爵令嬢はジャンクフードが食べたい

菜花村

文字の大きさ
106 / 191

88 公爵令嬢は休暇を過ごす 3

しおりを挟む
帰りがけの途中、リッカが育った孤児院によった。

王都で買った服や食べ物を子供達にあげていたリッカを見ると、心が和む。

私も持ってきていた昔のドレスを大量にあげた。

「こんな高級ドレス、着せるのがこわいです!」

いやいや、子供達喜んでるんだから、着せてあげてよ。

あーもう、ここにチョコレートなんて持ってくるから取られちゃうんでしょう?

子供に喧嘩を売らないでよ!



結局帰りも狩りをしながらだったので、男爵領に着いたのは六日目の日暮れだった。

もう夜ということで旅の疲れを取るために、戦利品を開封して寝るまでダラダラ過ごす事になった。

と言っても、私の戦利品て蜂蜜と本数冊だけだし、本はとっくに読み終えてしまってすることがない。

じゃあ蜂蜜で何か作るか。


ワセリンと蜂蜜をよーく混ぜて、リップクリームとハンドクリームの完成。

蜂蜜を顔に塗って、蒸しタオルで顔を覆い、しばらくしたら洗い流せば、蜂蜜パック。

パック用のタオルを手芸の時に作っちゃおう。

うーん、蜂蜜を化粧品として使うのは贅沢だなぁ。

そういえば、この世界では蜜蝋ってロウソクとしてしか使われてなかったな。

ちょっと蜜蝋の化粧品を作ってみようかな。

「またお仕事なさってませんか?」

し、してないよ?

ちょっと疲れたから、お肌のことを考えて手入れしようとしてただけだよ?

「本当にこれらは効果があるのですか?」

またそれかよ!

分かったよもう、使ってごらんよ!

私は蜂蜜で料理してくるから!


小鍋に砂糖と水を入れ火にかけて焦がし、お湯と蜂蜜を加えてよく混ぜ合わせ、型に注ぎ分けて冷ます。

次に、卵と卵黄を溶きほぐし、砂糖、バニラエッセンス、はちみつを加えてよく混ぜ合わせる。

そこに熱した牛乳を80~90度を加え混ぜて、裏ごしにかけたら型に注ぎ分ける。

型を深目のバットに並べて、熱湯を型の3/4くらいまで注ぐいでオーブンで蒸し焼きにしたら、プリンの完成!


夏みかんの果汁を絞って、これとは別で果肉を蜂蜜を絡めてしばらく放置。

生クリームに蜂蜜を加え、六分立てにする。

鍋に卵黄と蜂蜜、少し温めた牛乳を入れて混ぜ、弱火にかける。

軽くとろみがついてきたら火を止め、ゼラチンを加えてザルでこし、冷水にあてながらゆっくりと果汁に混ぜる。

とろみがついてきたら、果肉と生クリームを混ぜて、火属性魔法で冷やす。

……火属性魔法で冷やすって言い方、絶対変だよなぁ。

固まったら、蜂蜜夏みかんババロアの完成!

この世界、ゼラチンが作られてる所が凄く限られてて、しかも食用扱いじゃない。

手に入れるのが凄く大変だった。

蜜蝋と合わせて、何とか大量生産化したいなぁ。


小鍋に、水、はちみつ、杏仁霜代わりアーモンドパウダー、粉寒天を入れて、ダマにならないようにしっかりと混ぜ、沸騰直前まで温める。

牛乳を少しずつ加えしっかり混ぜ合わせる。

粗熱がとれたら、カップに入れ冷やし固め、ミントを飾れば、蜂蜜杏仁豆腐!


なんだか似たようなプルプル系デザートばっかり出来た。



夕食後のデザートにみんなで実食。

せっかくだからアデンとケンも呼んだ。

「わぁぁあ!
これ全部プルプルで美味しぃ!」

「見た目がよく似てますが、食感や風味が少しずつ違ってて美味しいですね。」

「ほぉ、どれも蜂蜜が良い甘味を出していて、この暑い季節によく合う。」

「ところてんとよく似てますが、どれもテングサを使っているのですか?」

「固め方はどれも違うわ。
でも、どれもプルプルで美味しいでしょ?」

この世界にはプリンがなかったのかな。

寒天もゼラチンも必要ないんだけど、ここの誰も知らないって事は、プリンはメジャーな料理じゃないのかな?



七日目、この日は三人でリゾート地区へ。

ウォータースライダーをしに来たのだ!

このウォータースライダー、石製で完成するまでに1年以上かかっている。

私なら一瞬で作れるけど。

大勢の職人さん、お疲れ様。

おかげで大盛況ですよ。

直線のレーンが三本、海に向かって架かっていて、着水部分はプールのような形にしている。

私達三人は水着に着替えて、いざ出陣!

「領主様、いらっしゃってたんでしたら、お声かけ下さいよ!
すぐにウォータースライダーを滑られるようにしますから!」

懐かしなぁ、五年前の成認式もこんな事あったなぁ。

そしてあの時同様並ぶけどね?

行列はかなり長く、待っている間に熱中症にならないように、日陰を作ってそこに列を作らせて、更には待機中の人達に飲み物を販売している。

このサービスも中々好評。

いよいよ私達の番になった。

日本のモノよりはもちろん短いんだけど、それでも数十年ぶりのウォータースライダーにドキドキする。

「まずはフラン様からどうぞ。」

あらありがとう、ではお言葉に甘えて。

ひゃっほぉう!

おおーーー!

結構勢いが出るなぁーーー!

ざぶーん

ぷはぁ!楽しい!!!

あ!うそ!凄い事発見した!!

私、泳げる!

運動神経悪いのに、平泳ぎ出来るし!

後から来たリッカとレベッカちゃんがめちゃくちゃびっくりしてる!

そりゃそうだろうね、一年かけてやっとぎこちなく踊れるようになったくらいに運動神経をどこかに置いてきた私が、初めての海でいきなり泳いでるんだもんね!

私もびっくりしてるんだよ!?

とりあえず、もっかいウォータースライダーしようよ!


この日、一日中海水浴してたけど、私が一番楽しんでた。

リッカやレベッカちゃんが休憩してる時も、一人行列に並んでは滑りをずーっと繰り返してた。

いやぁ、泳げるって素晴らしいね!



八日目と九日目は、手芸や裁縫をする事にした。

リッカがとても手芸上手で、レベッカちゃんに刺繍やレース編みを教えていた。

そして私は、予告していた通りお祖母様から頂いたドレスをリメイク!

ただし手でちまちま縫うのは面倒くさいので、作っちゃいました。ミシン。

足で踏んで使うタイプのだけど、結構コツがいるんだね。

いきなり本番するのはちょっとやめて、端切れでぬいぐるみを作った。

二人は勿論食いついてきたよ、ミシンに。

そして勃発する、ミシン争奪戦。

二人とも、刺繍と編み物をしてたんじゃなかったのかよ。

これじゃあ私ドレス直せないじゃん。

もう、それならミシン三台にするから!

一人一台ずつね!

あ、そういえば、ブロッサム商会も針子が足りなくて困ってるって言ってたな。

ついでに、そこにも何台かミシンを作ろう。

あぁー、王都にいる時に気付けば良かったなぁ。

とりあえず、これで今まで着られなかった服も着られるようになる。

グッバイ、フリフリ。



休暇ラストは、リッカ&レベッカ着せ替えショー。

私が作った色んなドレスを着てもらうのだ。

で、着心地やデザインの感想を二人にしてもらって、高評価なものはブロッサム商会で販売する事にした。

まぁ、作ったとは言っても、実際私がしたのはデザインだけだし、そのデザインのほとんどが俺の記憶の流用なんだけど。

という事で、地球の民族衣装を沢山作っちゃいました。

まずは代表的なところで、チャイナドレス。

続いては、サリー。お腹の出てないタイプのやつね。

これは私のお気に入り、ウォビッツ。

世の男性が愛してやまない、アオザイ。

オシャレ着にも出来そうな、ディアンドル。

フワッとしたシルエットの、チマチョゴリ。

そして、忘れてはいけない、着物。

リッカはスタイルがいいから、チャイナドレスやアオザイがめっちゃ似合う!

ただし、チャイナドレスのスリットはかなり恥ずかしいとの事でNG。

スリットの内側にレースでも付けて生脚が見えないようにしようかな?

レベッカちゃんは、ウォビッツとディアンドルが可愛かった。

本人も凄く気に入って、オシャレ着にすると言っていた。

……あげるとは言ってないんだけどね?

二人の感想として、リッカはアオザイが、レベッカちゃんは、ウォビッツが一番気に入ったらしい。

ちなみに、着物は「「動きにくい」」との事で不評だった。

二人とも凄く似合ってたんだけどなぁ。



という事で、十日間過ごしてみたけど、これ、休めてるのか?

明日から、休暇中に思いついた事全部実行していくぞ!



「フランちゃん、休暇中も休む気なかったね。」

「きっと、止まると死んでしまう呪いでもかけられてるんでしょう。」

せめてワーカホリックと言ってくれよ!
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―

望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」 【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。 そして、それに返したオリービアの一言は、 「あらあら、まぁ」 の六文字だった。  屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。 ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて…… ※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

処理中です...