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Episode10:Will you marry me?
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食事を進めながら、他愛ない話を四人でしていく。
ジャンとアンドレアは幼い頃からの友人らしく、どうやらその頃から祖母の家にある写真の女の子のことは話題にあがっていたらしい。
「こいつギリギリまで黙ってるから、てっきり全然知らないお嬢さんと結婚する羽目になったと思ったわ」
「もういいでしょう。モエが困っています」
萌衣は全く困っていなかったが、ジャンが困っているようだったので黙っていた。
ジャンの初恋が萌衣だということは、ロメーヌから聞いていたが、まさか本当に好きでいてくれたとは。
「ってかさ。そろそろ清水ちゃん借りていい?」
メインディッシュを食べ終わり、デザートを待つ頃になって、TOMOKAが席を立つ。
TOMOKAに手を引かれて席を立った。
TOMOKAが自分の化粧ボックスと何やら洋服も持っていたので「どうしたんですか?」と尋ねる。
「まあ、いいじゃん。ちょっと顔借りるよ」
化粧ルームの前のドレッサーの前で化粧ボックスを広げ、萌衣のメイクをTOMOKAは落としていった。
化粧を落とした後、化粧水、乳液を入念に萌衣の肌に染み込ませ、下地から作り上げていく。
「清水ちゃんは、薄いブルーとシルバー。なんかシンデレラっぽいカラーのイメージなんだよね」
アイシャドウを塗り上げて、アイライナーとマスカラ、そしてリップを重ねる。
メイクが仕上がると、TOMOKAはカバーの中に入っていたひざ下まであるドレスと靴を取り出して、萌衣に着るように指示を出した。
「あの……これって」
「とりあえず、時間ないから早く着て。髪の毛も軽くヘアアレンジしたいし」
「は、はい」
何が何やら分からず萌衣は言われた通りに着替えた。
薄いブルーのワンピースは、萌衣の身体にピッタリ合っていた。
シルバーのラメがついたハイヒールは、まるでガラスの靴だ。
ヘアアレンジをものすごいスピードで終わらせると、TOMOKAは片付けもそこそこに萌衣をジャンのところへ連れて行った。
「この間さ。ジャンが接待だって嘘ついた日あったでしょ」
「あ、あの日は……」
どうして知っているんですか?
そう聞きたかったが、TOMOKAの方が言葉を出すのが早かった。
「今日の打ち合わせをしてたの。嫌な気持ちにさせてごめんね。幸せになって、清水ちゃん」
先ほどまで座っていた席の上はすっかり片付けられており、そこには真っ赤なバラの花束と、Will you marry me?と書かれたプレートの上に華やかなイチゴのケーキが乗っていた。
「え……どういうこと?」
「モエ……」
「はい……」
ジャンが膝まづいて、箱の中に入っている指輪を萌衣の前に差し出した。
大粒のダイヤモンドがそこには輝いていた。
「誰よりも愛しています。これまでも、これからも。私と結婚してくれませんか?」
視界が歪む。
今日は何度泣けばいいのだろうか。
「……は、はい。喜んで」
萌衣の左手の薬指に、指輪がはめられた。
萌衣は、そのままジャンの腕の中に入っていき、自らジャンの唇にキスをした。
幸せになりたい。
そして、ジャンのことを幸せにしたい。
この地球上の誰よりも。
ジャンとアンドレアは幼い頃からの友人らしく、どうやらその頃から祖母の家にある写真の女の子のことは話題にあがっていたらしい。
「こいつギリギリまで黙ってるから、てっきり全然知らないお嬢さんと結婚する羽目になったと思ったわ」
「もういいでしょう。モエが困っています」
萌衣は全く困っていなかったが、ジャンが困っているようだったので黙っていた。
ジャンの初恋が萌衣だということは、ロメーヌから聞いていたが、まさか本当に好きでいてくれたとは。
「ってかさ。そろそろ清水ちゃん借りていい?」
メインディッシュを食べ終わり、デザートを待つ頃になって、TOMOKAが席を立つ。
TOMOKAに手を引かれて席を立った。
TOMOKAが自分の化粧ボックスと何やら洋服も持っていたので「どうしたんですか?」と尋ねる。
「まあ、いいじゃん。ちょっと顔借りるよ」
化粧ルームの前のドレッサーの前で化粧ボックスを広げ、萌衣のメイクをTOMOKAは落としていった。
化粧を落とした後、化粧水、乳液を入念に萌衣の肌に染み込ませ、下地から作り上げていく。
「清水ちゃんは、薄いブルーとシルバー。なんかシンデレラっぽいカラーのイメージなんだよね」
アイシャドウを塗り上げて、アイライナーとマスカラ、そしてリップを重ねる。
メイクが仕上がると、TOMOKAはカバーの中に入っていたひざ下まであるドレスと靴を取り出して、萌衣に着るように指示を出した。
「あの……これって」
「とりあえず、時間ないから早く着て。髪の毛も軽くヘアアレンジしたいし」
「は、はい」
何が何やら分からず萌衣は言われた通りに着替えた。
薄いブルーのワンピースは、萌衣の身体にピッタリ合っていた。
シルバーのラメがついたハイヒールは、まるでガラスの靴だ。
ヘアアレンジをものすごいスピードで終わらせると、TOMOKAは片付けもそこそこに萌衣をジャンのところへ連れて行った。
「この間さ。ジャンが接待だって嘘ついた日あったでしょ」
「あ、あの日は……」
どうして知っているんですか?
そう聞きたかったが、TOMOKAの方が言葉を出すのが早かった。
「今日の打ち合わせをしてたの。嫌な気持ちにさせてごめんね。幸せになって、清水ちゃん」
先ほどまで座っていた席の上はすっかり片付けられており、そこには真っ赤なバラの花束と、Will you marry me?と書かれたプレートの上に華やかなイチゴのケーキが乗っていた。
「え……どういうこと?」
「モエ……」
「はい……」
ジャンが膝まづいて、箱の中に入っている指輪を萌衣の前に差し出した。
大粒のダイヤモンドがそこには輝いていた。
「誰よりも愛しています。これまでも、これからも。私と結婚してくれませんか?」
視界が歪む。
今日は何度泣けばいいのだろうか。
「……は、はい。喜んで」
萌衣の左手の薬指に、指輪がはめられた。
萌衣は、そのままジャンの腕の中に入っていき、自らジャンの唇にキスをした。
幸せになりたい。
そして、ジャンのことを幸せにしたい。
この地球上の誰よりも。
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