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旅の仲間ができましたよ、神様
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ゴブリンと共に、無事に朝を迎えた。
隣で未だスピスピと寝ているゴブリンを起こさないようにそっと寝袋から出ると、消えた火を再びつけてお湯を沸かしてインスタント味噌汁を作った。
良い匂いで起きたのか、ゴブリンが目を擦りながら私の隣に来た。
「おはよう」
「ぎゃう!」
「できたから一緒に食べよう」
二人分のマグカップに味噌汁を入れて、その片方をスプーンと共にゴブリンに渡した。
「熱いから気を付けて」
スプーンで味噌汁を掬ってフーフーしながら食べている私の真似をしながら食べだしたゴブリンが、幸せそうな顔で「ぎゃぅ~♪」と鳴いた。
「おいしい?パンもあるよ。食べる?」
「ぎゃう~!ぎゃぅぎゃっ!」
缶詰を開けて非常食用のパンを取り出し、ゴブリンへと渡す。
それを受け取ったゴブリンは、嬉しそうにパクリと口に含んだ。
「ぎゃぅぐるるるるるる♪」
猫が喉を鳴らしているような声で鳴きながらキラキラとした目で手元にあるパンを見るゴブリンに、相当美味しかったんだなと微笑んだ。
自分もパンを一口食べると、ミルクの優しい味が口の中に広がった。
「おいしいなあ……」
しみじみと呟きながらパンを食べていると、横から視線を感じてそちらを見た。
どうやらすべて完食してしまったようで、ゴブリンが羨ましそうな顔でこちらを見ていた。
「……パン、もう一個食べる?」
そう言って缶の中にまだあったパンを差し出すと、パァッと顔を輝かせて嬉しそうにそれを受け取った。
美味しそうにモグモグと食べているゴブリンを微笑ましく思いながら、自分も手元に残っていたパンを口に入れた。
朝食を食べ終わり後片付けも済ませて荷物をまとめると、私はゴブリンを見た。
「ぎゃう?」
首を傾げるゴブリンの前に視線を合わせるようにしゃがみ込むと、穏やかに問いかけた。
「ねえ、君。よかったら一緒に来る?」
「ぎゅぅ?」
「私は来てくれたらとても嬉しいんだけど、どうかな?」
ゴブリンの前にそっと手を差し出すと、ゴブリンはそれをじっと見た後に私を見た。
「ぎゃう!」
二パッと笑って私の手をぎゅっと握ったゴブリンに、私は思わず涙を零した。
慌てて涙を拭うが、それを見たゴブリンは心配そうにわたわたと動いた。
「ご、ごめん。嬉しくて、つい……」
「ぎゃぅ?ぎゅうぅぅ?」
「ふふ、大丈夫だよ。ありがとね」
ぎこちなく、でも優しく私の涙を拭うゴブリンを優しく抱きしめた。
しばらく抱きしめた後、そっとゴブリンを離すと未だ心配そうにこちらを見ていた。
それに安心させるように笑うと、ゴブリンの手を握った。
「君の名前を決めようと思うんだけど、何がいいかなあ……」
じっとこちらを見つめるゴブリンを見ながら考えていると、瞳の色に意識が向いた。
蜂蜜色の綺麗な瞳が、私を映している。
「コハク」
―――琥珀。
長い年月を経て宝石となった樹液の蜜。
私が一番好きな宝石。
「どう、かな?」
ドキドキしながら返事を待つと、ゴブリンはじっとこちらを見つめてからニパッと笑った。
「ぎゃう!」
カチリと何かが繋がった音がした。と、次の瞬間、ゴブリン―――コハクの感情が流れてきた。
その感情は”喜び”だった。
溢れんばかりの喜びが直接伝わり、私は驚いて呆けた顔をした。
「ぎゅう?」
驚きと戸惑いの感情が伝わったのか、コハクが首を傾げた。
ハッと我に返り、慌てて「大丈夫だよ」と言葉を紡ぐ。
「ファンタジーだなあ……」
しみじみと呟きながら、コハクと共に歩き出した。
隣で未だスピスピと寝ているゴブリンを起こさないようにそっと寝袋から出ると、消えた火を再びつけてお湯を沸かしてインスタント味噌汁を作った。
良い匂いで起きたのか、ゴブリンが目を擦りながら私の隣に来た。
「おはよう」
「ぎゃう!」
「できたから一緒に食べよう」
二人分のマグカップに味噌汁を入れて、その片方をスプーンと共にゴブリンに渡した。
「熱いから気を付けて」
スプーンで味噌汁を掬ってフーフーしながら食べている私の真似をしながら食べだしたゴブリンが、幸せそうな顔で「ぎゃぅ~♪」と鳴いた。
「おいしい?パンもあるよ。食べる?」
「ぎゃう~!ぎゃぅぎゃっ!」
缶詰を開けて非常食用のパンを取り出し、ゴブリンへと渡す。
それを受け取ったゴブリンは、嬉しそうにパクリと口に含んだ。
「ぎゃぅぐるるるるるる♪」
猫が喉を鳴らしているような声で鳴きながらキラキラとした目で手元にあるパンを見るゴブリンに、相当美味しかったんだなと微笑んだ。
自分もパンを一口食べると、ミルクの優しい味が口の中に広がった。
「おいしいなあ……」
しみじみと呟きながらパンを食べていると、横から視線を感じてそちらを見た。
どうやらすべて完食してしまったようで、ゴブリンが羨ましそうな顔でこちらを見ていた。
「……パン、もう一個食べる?」
そう言って缶の中にまだあったパンを差し出すと、パァッと顔を輝かせて嬉しそうにそれを受け取った。
美味しそうにモグモグと食べているゴブリンを微笑ましく思いながら、自分も手元に残っていたパンを口に入れた。
朝食を食べ終わり後片付けも済ませて荷物をまとめると、私はゴブリンを見た。
「ぎゃう?」
首を傾げるゴブリンの前に視線を合わせるようにしゃがみ込むと、穏やかに問いかけた。
「ねえ、君。よかったら一緒に来る?」
「ぎゅぅ?」
「私は来てくれたらとても嬉しいんだけど、どうかな?」
ゴブリンの前にそっと手を差し出すと、ゴブリンはそれをじっと見た後に私を見た。
「ぎゃう!」
二パッと笑って私の手をぎゅっと握ったゴブリンに、私は思わず涙を零した。
慌てて涙を拭うが、それを見たゴブリンは心配そうにわたわたと動いた。
「ご、ごめん。嬉しくて、つい……」
「ぎゃぅ?ぎゅうぅぅ?」
「ふふ、大丈夫だよ。ありがとね」
ぎこちなく、でも優しく私の涙を拭うゴブリンを優しく抱きしめた。
しばらく抱きしめた後、そっとゴブリンを離すと未だ心配そうにこちらを見ていた。
それに安心させるように笑うと、ゴブリンの手を握った。
「君の名前を決めようと思うんだけど、何がいいかなあ……」
じっとこちらを見つめるゴブリンを見ながら考えていると、瞳の色に意識が向いた。
蜂蜜色の綺麗な瞳が、私を映している。
「コハク」
―――琥珀。
長い年月を経て宝石となった樹液の蜜。
私が一番好きな宝石。
「どう、かな?」
ドキドキしながら返事を待つと、ゴブリンはじっとこちらを見つめてからニパッと笑った。
「ぎゃう!」
カチリと何かが繋がった音がした。と、次の瞬間、ゴブリン―――コハクの感情が流れてきた。
その感情は”喜び”だった。
溢れんばかりの喜びが直接伝わり、私は驚いて呆けた顔をした。
「ぎゅう?」
驚きと戸惑いの感情が伝わったのか、コハクが首を傾げた。
ハッと我に返り、慌てて「大丈夫だよ」と言葉を紡ぐ。
「ファンタジーだなあ……」
しみじみと呟きながら、コハクと共に歩き出した。
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