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新たな仲間ができましたよ、神様
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どこへ向かっているのかもわからず、歩き続けて3日目。
相変わらず木と草しかない森の中を歩いていると、遠くから「ピィ―――」という高い音が聴こえた。
一瞬誰かが笛を吹いているのかと思い、急ぎ足で音の元へと向かった。
音が段々と大きくなっていき、突然ピタリと聴こえなくなった。
(どこ?どこなの?)
焦りでじんわりと額に汗がでた。
肩で息をしながら忙しなく周囲を見回していると、コハクが私の服の裾を引っ張った。
「ぎゃっぎゃっ!」
コハクの指差す先に目をやると、薄ピンクの双眸と目が合った。
(あれは、ハーピー……?)
木の上で怯えたように震えている小さな生き物は、ファンタジー世界に存在するハーピーという生き物に特徴が似ていた。
首から上は人間で、下は皮膚ではなく羽毛に覆われている。
腕はなく、代わりにその部分に大きな翼があった。
足は大きな鳥の足で時節鋭い爪が見えた。
「ぎゃう!ぎゃぅぎゃぎゃっ!」
コハクがハーピーのいる木に駆け寄り笑顔で声を掛けたが、ハーピーはさらに怯えたように縮こまった。
(音の正体はもしかして、この子……?大きさ的にはまだ子供かな……)
小学生低学年くらいの大きさのコハクよりも小さく見えるその生き物は、真っ白な羽毛を逆立てながら震えている。
(近くに親はいるのかな。もしいたら、危険かもしれない)
とりあえず未だ笑顔で声を掛けてくるコハクを止めようと彼の傍によると、「ピ、ピィ……」と震えた小さな鳴き声が聴こえた。
ハッと顔を上げてハーピーを見ると、大きな瞳に涙をいっぱい溜めて今にもそれが零れ落ちそうだった。
思わず目を見開いて息を飲むと、次の瞬間ハーピーは盛大に顔を歪めて泣き出した。
「ピィィィィッ!ピィィィィィィィィッ!」
透明な涙をボロボロと大きな瞳から零しながら、まるで助けを求めるように泣き喚くハーピーに私は狼狽えた。
(ど、どうしよう。もしかしたら、この声に仲間が来るかも!)
慌ててコハクの手を掴んで、ハーピーの傍から急いで離れた。
少し離れたところにある木の陰に隠れるように潜むと、しばらくしてハーピーの泣き声は止んだ。
ハーピーに気づかれないようにそっとのぞき込むと、未だ涙目で木の上で縮こまっているハーピーが目に映った。
それからしばらく様子を見ていたが、親や仲間らしき姿はいつまで経っても現れなかった。
「ピィ……ピィ……」
ぽろぽろと涙を零しながらか細く鳴くハーピーを見て、私は思わず顔を顰めた。
(立ち止まっている時間はない。けど、ほっとけない……)
グズグズと泣いているハーピーは未だ現れない親や仲間に助けを求めている。
(このまま置いて行ったら、もしかしたら……あの子は死ぬかもしれない)
何とか、自分たちは敵ではないと分かってもらえるにはどうすればいいのか……。
「どうしよう……」
思わずポツリと呟くと、ツンツンと肩を突かれた。
「ぎゃう」
じっとこちらを見つめるコハクから何やら決意のようなものを感じる。
「コハク……?」
「ぎゃう!」
まるで私を安心させるように一瞬ぎゅっと手を握りしめ、コハクはハーピーの元へと歩いて行った。
「ピッ……!」
コハクの姿に気が付いたハーピーが再び怯えた表情で震え出した。
コハクはハーピーから遠からず近すぎない位置で立ち止まった。
私は木の陰で静かに様子を窺っていると、コハクは突然踊りながら歌い出した。
「ぎゃう~~♪ぎゃうぎゃっぎゃ~~♪」
足を踏み鳴らしながら大きな動きで踊り、楽しそうに歌う姿はなんだかこちらまで元気になってくる。
ハーピーを見ると突然のことに驚いているのか、目をパチクリさせている。
でも、先ほどの怯えた様子は見せておらず、どちらかというとコハクの歌と踊りに見入っている感じがする。
(歌と踊りでコハクなりに敵意がないことを示しているんだ……)
コハクが大げさに踊ったり楽しそうに笑顔で歌ったりしている様子を見守っていると、ハーピーが少し身を乗り出しているのに気が付いた。
コハクもそれに気が付いたのか、くるりとターンして「ぎゃう!」とキメポーズをとった。
それに内心大きな拍手を送りながら、ハーピーを見る。
もう怯えた表情はしておらず、「もう終わりなの?」といった風に残念そうに小首を傾げている。
良い傾向だと内心ガッツポーズをしていると、コハクがこちらを振り返った。
私をしっかりと見ながら「ぎゃう!」と呼んだ。
(え?私?)
狼狽えながらもコハクに視線で促されて、恐る恐るコハクの元へと歩き出した。
ハーピーは私の存在に気が付いたのか再び怯えたように後ずさった。
「ぎゃぅ」
囁くように鳴いてじっとこちらを見るコハクからなにやら催促のようなものを感じる。
(もしかして、私に歌って踊れと……?)
こくりと頷いたコハクに(ま、まじか……)と内心冷や汗を流した。
(踊りはセンスがないし、自信もない。歌うのはいいけど、どんな曲がいいのか思いつかないし……)
わたわたと動揺しながら視線を彷徨わせて考えていると、ハーピーが不安そうな顔でこちらを見ていることに気が付いた。
(親や仲間はどうしたんだろう?この子はどうして一人でいるの?懸命に泣いて助けを呼んでいるのに、誰もこの子を迎えにも助にも来ない。この子は、もしかして……)
そこまで考えて、ぎゅっと胸が痛くなった。
不安そうに縮こまっているハーピーを見る。
(助けたい……。ううん、助ける。私なら、私たちならできる)
私は安心させるようにハーピーに笑いかけ、大きく息を吸い込んで歌い出した。
静かなハミングからはじめ、心を込めて歌う。
私が歌っているのは私のお気に入りで、今まで何度も歌った曲だ。
有名なアニメ映画のために作られたその曲は、母親が自身の子供たちに語りかけるような優しい歌だ。
母親の溢れんばかりの愛を歌詞と穏やかでゆっくりとした曲調で表現している。
あなたを助けたい、という強い思いを乗せて歌い続けた。
「おねがい、しっかり生きて」
母の願いが込められたフレーズを最後にそっと歌い、曲が終わった。
歌っているうちに閉じていたらしい瞼をそっと開けてハーピーを見ると、その子は涙に濡れた瞳でこちらを見ていた。
「ピィ……」
ポツリと呟くように静かに鳴くと、私をじっと見つめた。
その子に呼ばれたような気がして、ゆっくりと歩み寄る。
その子がいる木の元まで行くと、両手を広げた。
「おいで」
そう静かに誘うと、その子はするりと自身の胸の中へ落ちてきた。
しっかりと受け止め、ぎゅっと抱きしめた。
「もう、大丈夫だよ」
通じることはないと分かりながらも安心させるようにそう囁き、その子の頭を優しく撫ぜた。すると、その子は再び泣きはじめた。
それは恐怖からではなく安心から来たものだろうと、その子が落ち着くまでコハクと一緒に寄り添った。
相変わらず木と草しかない森の中を歩いていると、遠くから「ピィ―――」という高い音が聴こえた。
一瞬誰かが笛を吹いているのかと思い、急ぎ足で音の元へと向かった。
音が段々と大きくなっていき、突然ピタリと聴こえなくなった。
(どこ?どこなの?)
焦りでじんわりと額に汗がでた。
肩で息をしながら忙しなく周囲を見回していると、コハクが私の服の裾を引っ張った。
「ぎゃっぎゃっ!」
コハクの指差す先に目をやると、薄ピンクの双眸と目が合った。
(あれは、ハーピー……?)
木の上で怯えたように震えている小さな生き物は、ファンタジー世界に存在するハーピーという生き物に特徴が似ていた。
首から上は人間で、下は皮膚ではなく羽毛に覆われている。
腕はなく、代わりにその部分に大きな翼があった。
足は大きな鳥の足で時節鋭い爪が見えた。
「ぎゃう!ぎゃぅぎゃぎゃっ!」
コハクがハーピーのいる木に駆け寄り笑顔で声を掛けたが、ハーピーはさらに怯えたように縮こまった。
(音の正体はもしかして、この子……?大きさ的にはまだ子供かな……)
小学生低学年くらいの大きさのコハクよりも小さく見えるその生き物は、真っ白な羽毛を逆立てながら震えている。
(近くに親はいるのかな。もしいたら、危険かもしれない)
とりあえず未だ笑顔で声を掛けてくるコハクを止めようと彼の傍によると、「ピ、ピィ……」と震えた小さな鳴き声が聴こえた。
ハッと顔を上げてハーピーを見ると、大きな瞳に涙をいっぱい溜めて今にもそれが零れ落ちそうだった。
思わず目を見開いて息を飲むと、次の瞬間ハーピーは盛大に顔を歪めて泣き出した。
「ピィィィィッ!ピィィィィィィィィッ!」
透明な涙をボロボロと大きな瞳から零しながら、まるで助けを求めるように泣き喚くハーピーに私は狼狽えた。
(ど、どうしよう。もしかしたら、この声に仲間が来るかも!)
慌ててコハクの手を掴んで、ハーピーの傍から急いで離れた。
少し離れたところにある木の陰に隠れるように潜むと、しばらくしてハーピーの泣き声は止んだ。
ハーピーに気づかれないようにそっとのぞき込むと、未だ涙目で木の上で縮こまっているハーピーが目に映った。
それからしばらく様子を見ていたが、親や仲間らしき姿はいつまで経っても現れなかった。
「ピィ……ピィ……」
ぽろぽろと涙を零しながらか細く鳴くハーピーを見て、私は思わず顔を顰めた。
(立ち止まっている時間はない。けど、ほっとけない……)
グズグズと泣いているハーピーは未だ現れない親や仲間に助けを求めている。
(このまま置いて行ったら、もしかしたら……あの子は死ぬかもしれない)
何とか、自分たちは敵ではないと分かってもらえるにはどうすればいいのか……。
「どうしよう……」
思わずポツリと呟くと、ツンツンと肩を突かれた。
「ぎゃう」
じっとこちらを見つめるコハクから何やら決意のようなものを感じる。
「コハク……?」
「ぎゃう!」
まるで私を安心させるように一瞬ぎゅっと手を握りしめ、コハクはハーピーの元へと歩いて行った。
「ピッ……!」
コハクの姿に気が付いたハーピーが再び怯えた表情で震え出した。
コハクはハーピーから遠からず近すぎない位置で立ち止まった。
私は木の陰で静かに様子を窺っていると、コハクは突然踊りながら歌い出した。
「ぎゃう~~♪ぎゃうぎゃっぎゃ~~♪」
足を踏み鳴らしながら大きな動きで踊り、楽しそうに歌う姿はなんだかこちらまで元気になってくる。
ハーピーを見ると突然のことに驚いているのか、目をパチクリさせている。
でも、先ほどの怯えた様子は見せておらず、どちらかというとコハクの歌と踊りに見入っている感じがする。
(歌と踊りでコハクなりに敵意がないことを示しているんだ……)
コハクが大げさに踊ったり楽しそうに笑顔で歌ったりしている様子を見守っていると、ハーピーが少し身を乗り出しているのに気が付いた。
コハクもそれに気が付いたのか、くるりとターンして「ぎゃう!」とキメポーズをとった。
それに内心大きな拍手を送りながら、ハーピーを見る。
もう怯えた表情はしておらず、「もう終わりなの?」といった風に残念そうに小首を傾げている。
良い傾向だと内心ガッツポーズをしていると、コハクがこちらを振り返った。
私をしっかりと見ながら「ぎゃう!」と呼んだ。
(え?私?)
狼狽えながらもコハクに視線で促されて、恐る恐るコハクの元へと歩き出した。
ハーピーは私の存在に気が付いたのか再び怯えたように後ずさった。
「ぎゃぅ」
囁くように鳴いてじっとこちらを見るコハクからなにやら催促のようなものを感じる。
(もしかして、私に歌って踊れと……?)
こくりと頷いたコハクに(ま、まじか……)と内心冷や汗を流した。
(踊りはセンスがないし、自信もない。歌うのはいいけど、どんな曲がいいのか思いつかないし……)
わたわたと動揺しながら視線を彷徨わせて考えていると、ハーピーが不安そうな顔でこちらを見ていることに気が付いた。
(親や仲間はどうしたんだろう?この子はどうして一人でいるの?懸命に泣いて助けを呼んでいるのに、誰もこの子を迎えにも助にも来ない。この子は、もしかして……)
そこまで考えて、ぎゅっと胸が痛くなった。
不安そうに縮こまっているハーピーを見る。
(助けたい……。ううん、助ける。私なら、私たちならできる)
私は安心させるようにハーピーに笑いかけ、大きく息を吸い込んで歌い出した。
静かなハミングからはじめ、心を込めて歌う。
私が歌っているのは私のお気に入りで、今まで何度も歌った曲だ。
有名なアニメ映画のために作られたその曲は、母親が自身の子供たちに語りかけるような優しい歌だ。
母親の溢れんばかりの愛を歌詞と穏やかでゆっくりとした曲調で表現している。
あなたを助けたい、という強い思いを乗せて歌い続けた。
「おねがい、しっかり生きて」
母の願いが込められたフレーズを最後にそっと歌い、曲が終わった。
歌っているうちに閉じていたらしい瞼をそっと開けてハーピーを見ると、その子は涙に濡れた瞳でこちらを見ていた。
「ピィ……」
ポツリと呟くように静かに鳴くと、私をじっと見つめた。
その子に呼ばれたような気がして、ゆっくりと歩み寄る。
その子がいる木の元まで行くと、両手を広げた。
「おいで」
そう静かに誘うと、その子はするりと自身の胸の中へ落ちてきた。
しっかりと受け止め、ぎゅっと抱きしめた。
「もう、大丈夫だよ」
通じることはないと分かりながらも安心させるようにそう囁き、その子の頭を優しく撫ぜた。すると、その子は再び泣きはじめた。
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