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103グルメ

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ガラ、レオ、ジーク、トム、アルは冒険者の格好なら問題ないが、スーツを着ると堅気には見えない。
穏やかな雰囲気のはずのエチゴは親分の貫禄に見えるし、ジェニファーとロビンは美人なだけに親分の女。
ニコラスと拓は小間使い的な感じに・・・
店へと移動する間、拓はあえて数歩後ろを歩いていたのだが

「拓、何後ろを歩いているんだよ。食事をあれだけ楽しみにしていた癖に。」

最も見た目が悪者に見える、スキンヘッドで体格の良いレオが近づいてくる。
レオが拓に話しかけると、客観的に危ない人に絡まれている様に見えてしまう。
案の定、店の人がこの集団を見ると一歩引いていた。

「無事に村を守り、盗賊も退治されました。護衛任務も順調ということで
 今夜は、食事を楽しんでください。では、カンパイ。」

エチゴの音頭で、食事が始まった。テーブルには見た目も美しい料理の数々。
拓は早速1口・・・なかなか美味しい。

料理はコースになっていて、メインは魔獣の肉

「こちら、レッドボアのサーロインステーキになります。熱いので気を付けて召し上がりください。」

女中さんが持って来てくれた肉、アイテムボックスの中に大量に保管している肉がメインかと拓が思っていると

「拓、今レッドボアの肉かと思わなかったか?」

ガラが拓の様子を見て話しかけてくる。

「普通、魔獣を討伐しても持ち帰れる量なんて限界が有るからな。森の奥に現れるような魔獣の肉は高級なんだ。」

ガラの説明に納得し肉を食べると、普段と余り変わらない肉質だった・・・

「魔獣の肉を全て受け取っているけど、これって凄い得しているのか?」
「・・・」

拓の言葉に、皆が一瞬無言になったが、

「今更何を言っているんだよ。素材を持ち帰ってくれる事がどれだけ凄い事か分かっているのか?」
「今回の護衛任務は拓のお陰で、普通では考えられな収入を得られているからね。」
「そうそう、だから肉を受け取るのは拓の当然の権利だ。それに、普段の食事で俺達も十分に食べれているしな。」

クリーム男性陣が笑いながら話してくれる。
拓としても、皆のお陰で気にせずアイテムボックスを使え、素材や余った肉を販売できるので助かっているのでお互い様なのだろう。
肉を見て考えている拓にガラが話しかける。

「手持ちの肉を売りたいのか?」
「その気は無いよ。この肉は美味いから自分達で食べた方が良いだろ。ただ、冒険者ってグルメだと思ってね。」

ガラは笑うと、「俺達が例外だからな。」と念押しされた。
普通の冒険者は荷物に制限が有り長期の移動となると、日持ちする硬いパンや干し肉が一般的だ。
拓の様にアイテムボックスに好き放題荷物を放り込む冒険者はいない。
大きな容量をもつ魔導士は国や貴族に使えていて、冒険者をしていない。
そもそもアイテムボックスをメインにする様な魔導士は、アイテムボックスしか使えない魔導士だけで殆ど居ない。

「便利なんだけどな。」

拓はそう言いながらも、魔獣が居るなら攻撃力や防御を優先するのは理解していた。
最後のデザートも美味しく食べ終えて、満足して食事会は終わった。
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