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130素敵な笑顔
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拓の戦いを始めてみる魔導士部隊はその様子を見て唖然としていた。
兵士達との乱戦になっていながら、あのバラン将軍とオリバー隊長の動きに追従し味方の邪魔をせず的確に防御を行い、敵に攻撃を与えている。
この様な戦い方を出来る魔導士は自分達の部隊には居ない。いや、見たことが無い。
戦い方を見ていると、攻撃魔法と防御魔法だけではない。
自分の後方にまで攻撃をしているのを見ると、探索魔法も同時に使っているみたいだ。
更に動きを見るに、強化魔法まで・・・
使っているのは中級魔法だが、どう見ても自分達が敵う相手では無かった。
そもそも、これだけの多種類の中級魔法が使えること自体が有り得ない事だった。
「交代だ。次のグループ前へ。」
「休みなしですか。何か武技の使い方が上がっていますよね。」
「拓殿がそう言ってくれるのなら良かった。昨夜の会議の成果だ。良し、行くぞ。」
バラン将軍は楽しそうに言うと、次の試合を行った。
兵士全員との戦い終わったが、膝に手を付き肩で息をしている拓を見て
「最後に、もう一試合位やってみるか。」
バラン将軍が指名したのは10人。魔導士部隊が驚く中、それ以上に驚いている拓。
唖然とする拓の顔を見たバラン将軍は、本当に素敵な笑顔を返してくる。
「こうなったら最後までやってみますよ。
申し訳ありませんが、サポートと言うより攻撃中心で対応させてもらいます。」
拓は大きく息を吐き、しっかりと立った。
バラン将軍はそんな拓を満足そうに見ると、開始の合図を行った。
最後の試合が始まった。
拓は探索魔法を使い全方位の人の動きは把握できている。が、体が重く思う様に動かない。
魔法攻撃力を抑えている以上、手数と技で勝負。
相手の身体中心を狙いつつ、避ける動作に合わせて足や顔を狙う。
保有魔力によって集中力が強化されていなければ出来ない芸当だ。
相手が攻撃をするのを阻止し、隙が出来ればバラン将軍とオリバー隊長が確実に仕留めていた。
「拓殿、後ろ。」
拓の後ろから気配を消した兵士が攻撃をしようとしているのに気付いてバラン将軍が叫ぶ。
しかし拓の探索魔法は、その兵士の行動も感知していた。
兵士が剣を振り上げた瞬間、兵士の足元から攻撃魔法が襲い掛かり倒されてしまった。
10人全員を倒し、試合は拓達の勝利。
拓は何とか気力を振り絞って立っていたが動くのも辛かった。
「拓殿は体力強化の魔法も強弱をつけて使える様になったのか。
以前なら、最後の訓練の前に倒れていただろう。
それに、最後の攻撃は素晴らしかった。流石だ。」
全ての試合が終わると、拓に向かって魔導士部隊からも大きな拍手と歓声が起きた。
「バラン将軍、目的は達成しましたね。」
「そうだな。ただ、拓殿の上達ぶりは想像以上だ。」
拓が優秀な魔導士として国王から免責札を受け取っていたが、魔導士部隊は自分達とではなく第3騎士団と訓練をすることに反感を持っていた。
しかし、今日の特訓を見て拓の実力も第3騎士団と訓練を行う事も納得させられるとバラン将軍は考えていた。
複数の中級魔法を使いこなし騎士と接近戦で戦うなんて、魔導士団としても異質の存在だと認識せざる得ないだろう。
正直、想定以上の結果だったが・・・
実際に拓の戦いを見た魔導士達は、魔導士の新しい可能性について話し始めていた。
「パウロ、ヨーゼフ、拓殿にシャワーを浴びさせ、サリナ様との茶会まで休ませてやってくれ。」
拓が気を許している部下2人に後の事を頼むと、再び訓練を開始した。
兵士達との乱戦になっていながら、あのバラン将軍とオリバー隊長の動きに追従し味方の邪魔をせず的確に防御を行い、敵に攻撃を与えている。
この様な戦い方を出来る魔導士は自分達の部隊には居ない。いや、見たことが無い。
戦い方を見ていると、攻撃魔法と防御魔法だけではない。
自分の後方にまで攻撃をしているのを見ると、探索魔法も同時に使っているみたいだ。
更に動きを見るに、強化魔法まで・・・
使っているのは中級魔法だが、どう見ても自分達が敵う相手では無かった。
そもそも、これだけの多種類の中級魔法が使えること自体が有り得ない事だった。
「交代だ。次のグループ前へ。」
「休みなしですか。何か武技の使い方が上がっていますよね。」
「拓殿がそう言ってくれるのなら良かった。昨夜の会議の成果だ。良し、行くぞ。」
バラン将軍は楽しそうに言うと、次の試合を行った。
兵士全員との戦い終わったが、膝に手を付き肩で息をしている拓を見て
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バラン将軍が指名したのは10人。魔導士部隊が驚く中、それ以上に驚いている拓。
唖然とする拓の顔を見たバラン将軍は、本当に素敵な笑顔を返してくる。
「こうなったら最後までやってみますよ。
申し訳ありませんが、サポートと言うより攻撃中心で対応させてもらいます。」
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最後の試合が始まった。
拓は探索魔法を使い全方位の人の動きは把握できている。が、体が重く思う様に動かない。
魔法攻撃力を抑えている以上、手数と技で勝負。
相手の身体中心を狙いつつ、避ける動作に合わせて足や顔を狙う。
保有魔力によって集中力が強化されていなければ出来ない芸当だ。
相手が攻撃をするのを阻止し、隙が出来ればバラン将軍とオリバー隊長が確実に仕留めていた。
「拓殿、後ろ。」
拓の後ろから気配を消した兵士が攻撃をしようとしているのに気付いてバラン将軍が叫ぶ。
しかし拓の探索魔法は、その兵士の行動も感知していた。
兵士が剣を振り上げた瞬間、兵士の足元から攻撃魔法が襲い掛かり倒されてしまった。
10人全員を倒し、試合は拓達の勝利。
拓は何とか気力を振り絞って立っていたが動くのも辛かった。
「拓殿は体力強化の魔法も強弱をつけて使える様になったのか。
以前なら、最後の訓練の前に倒れていただろう。
それに、最後の攻撃は素晴らしかった。流石だ。」
全ての試合が終わると、拓に向かって魔導士部隊からも大きな拍手と歓声が起きた。
「バラン将軍、目的は達成しましたね。」
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