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140スラム街
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「サリナさん、絶対にフードを取らないで、我々から離れない様に。」
ガラが注意し、周囲に気を配る。
王都の外れにある一角。スラム街と言われている場所だった。
拓も話を聞いていたが、来るのは初めての場所だ。
子供達の声が聞こえる事も有るが、階段で座ってこちらを見ている人、路上で寝てしまい動かない人、ゴミをあさっている人もいる。
絡もうとしてくる人も居たが、ガラとレオが武技の威圧で追い払っていた。
一度だけサリナ姫が転んだ子供が居たので手を貸そうとしたのだが、
直ぐに親が飛んできてサリナ姫から子供を奪う様にして遠くに離れ、睨み付ける様にこっちを見続けられた。
そんな場所をサリナ姫は何も言わずに黙って歩き続けた。
「私の我儘を聞いて頂きありがとうございました。」
スラム街を抜けると、サリナ姫が頭を下げる。
姫の女性兵士とオリバー隊長も直ぐに近寄って来たが、もう危険な場所には寄らないと言われ離れて警護を続けることにした。
その後は、普段通りのサリナ姫に見えるのだが、少し感じが違う。
「少し早いけど、市民の居酒屋に行ってみない?」
拓がサリナ姫を誘って何度も顔を出している居酒屋に入り席に通されると、直ぐに護衛組も隣の席に座っていた。
女将さんにジュースと食べ物を頼むと
「何だい、今日は酒でないのか。何処か体調でも悪いのかい。」
「今は禁酒をしているんで、早い時間に来たんだ。」
「何かの願掛けかい。なら美味しい食事を楽しんでおくれよ。」
笑いながら拓の頭の上のダイフク撫でて、隣の護衛組の席の注文を取りに。
「なんだい、あんたたちもかい。全く、ここは居酒屋だっていうのにね。」
呆れながら厨房へと戻っていった。
「ギルド会館とは雰囲気が違うわね。」
サリナ姫が居酒屋の周囲を見て楽しんでいると、テーブルに料理が並んでいく。
サリナ姫が一口食べると、顔が綻ぶ。
「美味しい。」
「嬉しいね。ジャンジャン食べておくれ。そんな細っこい体じゃいざという時に力が出ないよ。」
サリナ姫の様子に女将さんも笑顔になる。
「女将さん、魔獣が大量に増えてから調子はどんな感じですか?」
「そうさね。魔獣が大量に現れた時は酷かったけど、勇者様が来られてからは落ちついたね。
一時期と違って客も戻って来て良く笑う様になったかね。」
丁度他の客もやってきて、女将さんは笑いながら注文を取りに向かった。
「俺には元の状態は分からないけど、美味しい物を食べて笑えるようになって良かったよね。」
「そうね、本当に良かったわ。」
サリナ姫は微笑むと、嬉しそうに食事を始めた。
それを見た拓も食事を口に入れたのだが
「あちっ、これ、メチャクチャ熱い。」
舌を火傷して皆に笑われていた。
ガラが注意し、周囲に気を配る。
王都の外れにある一角。スラム街と言われている場所だった。
拓も話を聞いていたが、来るのは初めての場所だ。
子供達の声が聞こえる事も有るが、階段で座ってこちらを見ている人、路上で寝てしまい動かない人、ゴミをあさっている人もいる。
絡もうとしてくる人も居たが、ガラとレオが武技の威圧で追い払っていた。
一度だけサリナ姫が転んだ子供が居たので手を貸そうとしたのだが、
直ぐに親が飛んできてサリナ姫から子供を奪う様にして遠くに離れ、睨み付ける様にこっちを見続けられた。
そんな場所をサリナ姫は何も言わずに黙って歩き続けた。
「私の我儘を聞いて頂きありがとうございました。」
スラム街を抜けると、サリナ姫が頭を下げる。
姫の女性兵士とオリバー隊長も直ぐに近寄って来たが、もう危険な場所には寄らないと言われ離れて警護を続けることにした。
その後は、普段通りのサリナ姫に見えるのだが、少し感じが違う。
「少し早いけど、市民の居酒屋に行ってみない?」
拓がサリナ姫を誘って何度も顔を出している居酒屋に入り席に通されると、直ぐに護衛組も隣の席に座っていた。
女将さんにジュースと食べ物を頼むと
「何だい、今日は酒でないのか。何処か体調でも悪いのかい。」
「今は禁酒をしているんで、早い時間に来たんだ。」
「何かの願掛けかい。なら美味しい食事を楽しんでおくれよ。」
笑いながら拓の頭の上のダイフク撫でて、隣の護衛組の席の注文を取りに。
「なんだい、あんたたちもかい。全く、ここは居酒屋だっていうのにね。」
呆れながら厨房へと戻っていった。
「ギルド会館とは雰囲気が違うわね。」
サリナ姫が居酒屋の周囲を見て楽しんでいると、テーブルに料理が並んでいく。
サリナ姫が一口食べると、顔が綻ぶ。
「美味しい。」
「嬉しいね。ジャンジャン食べておくれ。そんな細っこい体じゃいざという時に力が出ないよ。」
サリナ姫の様子に女将さんも笑顔になる。
「女将さん、魔獣が大量に増えてから調子はどんな感じですか?」
「そうさね。魔獣が大量に現れた時は酷かったけど、勇者様が来られてからは落ちついたね。
一時期と違って客も戻って来て良く笑う様になったかね。」
丁度他の客もやってきて、女将さんは笑いながら注文を取りに向かった。
「俺には元の状態は分からないけど、美味しい物を食べて笑えるようになって良かったよね。」
「そうね、本当に良かったわ。」
サリナ姫は微笑むと、嬉しそうに食事を始めた。
それを見た拓も食事を口に入れたのだが
「あちっ、これ、メチャクチャ熱い。」
舌を火傷して皆に笑われていた。
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