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151解体所

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その後は、場所や決め等を決めて話は終わり、サリナ姫は拓に向かって話しかける。

「ちなみに、OZの皆様はこちらで何をされているのでしょうか?」
「私達は、こちらで魔獣の解体を依頼しに良く寄らせてもらっています。解体場所を覗いてみますか?」

拓はサリナ姫を解体所に案内する。
作業をしている者達は、いきなり現れたサリナ姫や兵士を見て驚いていたが、

「そのまま仕事を続けてください。」

拓の言葉でサリナ姫が気になりながらも作業を再開した。

「子供も一緒に解体をしているのですね。」
「作業を習っているそうですよ。将来の解体職人候補って感じみたいですね。」
「えっ、拓が雇っているんじゃないの?」
「人前で地が出てますよ・・・私は解体を依頼しただけで、後はゴルゴさんに丸投げです。」

サリナ姫は思わず素の状態で話してしまったが、拓に指摘され姫モードに戻る。

「ちなみに、あの販売も拓様の対応ですか?」
「そうです。要望が有ったので、対応させて頂きました。」

隅で肉を売っているのを指して聞いてくる。
市場価格でかまわないので肉を売って欲しいと言うゴルゴからの依頼だった。
スラム街の人間は服が汚いため、食料品店が来られるのを嫌うからだった。
そこで、拓は自分達が必要としない肉を卸値に少し上乗せした金額で売ることにした。
上乗せ分は、販売員の給料となる。

「冒険者に復活する人も増えているので、今後は自分達で回せる様に成ると思います。
 その前に魔獣の数が減るかもしれないし、どうなるかは何とも言えませんが。」

サリナ姫だけでなく護衛に付いて来た者達も、OZがやり始めた事を感心して見ていた。

「それにしても、以前と違い明るくなっている気がするのですが?」

サリナ姫だけでなく、護衛の者達もスラム街の雰囲気の違いを感じていた。

「明るくなったのなら良いじゃないですか。」

拓はそれだけ言って笑っていた。


サリナ姫による配給が始まると、スラム街の人達からホワイトジャックの話を聞くようになった。
もう姿を見せなくなったが、白衣を着て仮面を付けた謎の治癒魔導士。
事前に得ていた情報とは仮面の種類が違うため本物か疑いながらも、貴族はサリナ姫の配給に人を送りスラム街の人達から情報を得ようとしていた。
どの様な傷を治療していたのかを聞けば聞くほど、ホワイトジャックがどれだけ凄い治癒魔導士なのかと思い知らされる。

当然OZが解体依頼をし、スラム街を健全化させている事も貴族達の間で知られることになった。
免責札の力も使わず、たった3人でここまでの対応をするとは・・・
サリナ姫の配給も事前にOZがスラム街の人達から信頼を得ていたからスムーズに受け入れられたと理解している。
実際にスラム街の人達と話をすると、OZはちょっとした英雄の様な立場になっていた。


サリナ姫はスラム街で活動をするOZと再び現れた謎の治癒魔導士ホワイトジャックの話を勇者3人にしたのだが

「新しいマスクか。謎感が深まって面白そうだな。」
「謎感って・・・白衣にマスクの組み合わせよ、やばくない?」
「確かにOZとして活動しているのに、素顔でホワイトジャックを名乗る訳にはいかないのは分かるけど。」

話は盛り上がるが、女性陣が拓のセンスを疑う様な内容になっている。
それについては、サリナ姫も実物を見たことが無いので何とも言えないが、女性陣に賛成の立場だった。
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