274 / 501
275治療2
しおりを挟む
数日後、朝早くに腕を損傷した兵士は拓達に連れられてスラム街にやって来た。
勇者やオリバー隊長、数人の医師も同行している。
やって来たメンバーをゴルゴが迎え、サブが直ぐに白衣に仮面を被ったホワイトジャックを連れてくる。
「ここに顔を出して良かった。しかし、拓が手助けを求めるとは珍しいな。」
「お手数を掛けます。私では対応しきれない怪我でしたので。」
「別に良い。弟子にと誘った拓の言葉を無下に出来る訳が無かろう。」
ホワイトジャックが拓に話しかけると、早速治療を行う事にした。
建物の中に用意した台に兵士を縛り付け、口にタオルを咥えさせる。
ガラとレオ以外は、建物の外に居て窓から中を覗いていた。
拓が兵士に向けた手にホワイトジャックの手が重ねられると、拓から大量の魔力が放出される。
更に、強力な魔力が放出し治療が始まった。
外からは良く見えないが、部屋の中で恐ろしいほどの魔力が込められているのを全員が感じていた。
治療を受けている兵士の呻き声だけが聞こえていたが、兵士の声が止まり、拓が台に両手を付いた。
兵士は余りの痛さに気を失い、拓は魔力と精神力の限界だった。
「医師の方に、兵士の怪我の具合を見てもらいたのだが、宜しいか?」
ホワイトジャックに言われ、直ぐに医師が建物に入り怪我の様子を確認すると
「治っている。問題なく治っているぞ。」
信じられない物を見る様に兵士の腕を何度も確認していた。
この国のトップとも言える治癒魔導士 ドグ医局長でも治療できなかった怪我が完全に治っている。
「私も拓も限界だ。もう一人は日を改めさせてくれ。後の事は任せて良いだろうか。」
「分かりました。しかし貴方は一体・・・」
医師の質問はガラによって遮られた。
「申し訳ないですが、一切の詮索をしないという条件で力を貸してもらっています。
ホワイトジャック、拓、お疲れさまでした。」
ゴルゴとサブに2人はスラム街の奥へと連れていかれ、誰も後を付けられない様にOZ、クリームが壁となっていた。
拓は用意されたベットに横にされた。
「大変だったな。ゆっくり休め。」
ホワイトジャックはそう言うと、白衣と仮面を外してテーブルの上に置いて部屋を出て行く。
ゴルゴは拓の事をサブに任せて、ホワイトジャックを追う。
「ニコラス、大丈夫か?」
「あの魔力の渦の中心に居たからな。正直キツイ。」
「手を貸そう。」
「拓には言わないでくれよ。あいつ、変に気を使うからな。」
ホワイトジャックを演じていたニコラスは部屋の外に出ると壁に手を付いて体を支えた。
拓が放出した強力な魔力に当たり続け、かなり体力を消耗している。
ゴルゴはニコラスの体を支え、別の部屋で休んでもらう事にした。
サブは拓の服を脱がすと、汗だくになった拓の体を拭き始めた。
「本当にすげぇよな。あんな治療を1人で行ったんだろ。」
「言葉だけでなく、身体を使って褒めてくれても良いよ。」
「こんな時まで変な事を言いやがって。悪いが、俺は兄貴一筋だからな。」
そんな事を言いながらも丁寧に拓の全身を拭いてくれた。ただ、パンツの中はダイフクが綺麗にしたが・・・
拓が服を着替えて横になっていると、皆が戻って来た。
「今日は、色々と手伝って頂いてありがとうございました。」
拓が上半身を起こし皆に礼を言うと、
「横になっていろ。気にするな、いつも俺達の方が世話になっている。」
「俺達もだ。それにニコラスは楽しんでいるしな。
少し疲れたと言って休んでいるが、次も任せておけと言ってたぞ。」
ゴルゴとジークはそう言って笑っていた。
休める様にと全員が部屋から出て行こうとすると、拓が勇者3人を引き留める。
「頼みたい事が有るんだ。この魔道具に魔力を充填してくれないか。」
拓が取り出したのは2本の治癒のロッド。2本とも魔力が空になっていた。
「もしかして、治癒魔法を使いながら魔道具を2つも使っていたの?」
「1本だけで何とななると思ったら操作が難しくてね。2本使わないと治せなかった。」
「拓さん、無茶し過ぎ。これで駄目だったらどうするつもりだったのよ。」
「3本目を使うだけだよ。それよりも魔力の補充を頼めないかな?」
浩司はロッドを受け取ると、由美と里香と一緒に魔力を流し始めた。
勇者1人と同等の魔力を保有できるロッド
2本のロッドに魔力を充填したときには、勇者3人も疲れていた。
勇者やオリバー隊長、数人の医師も同行している。
やって来たメンバーをゴルゴが迎え、サブが直ぐに白衣に仮面を被ったホワイトジャックを連れてくる。
「ここに顔を出して良かった。しかし、拓が手助けを求めるとは珍しいな。」
「お手数を掛けます。私では対応しきれない怪我でしたので。」
「別に良い。弟子にと誘った拓の言葉を無下に出来る訳が無かろう。」
ホワイトジャックが拓に話しかけると、早速治療を行う事にした。
建物の中に用意した台に兵士を縛り付け、口にタオルを咥えさせる。
ガラとレオ以外は、建物の外に居て窓から中を覗いていた。
拓が兵士に向けた手にホワイトジャックの手が重ねられると、拓から大量の魔力が放出される。
更に、強力な魔力が放出し治療が始まった。
外からは良く見えないが、部屋の中で恐ろしいほどの魔力が込められているのを全員が感じていた。
治療を受けている兵士の呻き声だけが聞こえていたが、兵士の声が止まり、拓が台に両手を付いた。
兵士は余りの痛さに気を失い、拓は魔力と精神力の限界だった。
「医師の方に、兵士の怪我の具合を見てもらいたのだが、宜しいか?」
ホワイトジャックに言われ、直ぐに医師が建物に入り怪我の様子を確認すると
「治っている。問題なく治っているぞ。」
信じられない物を見る様に兵士の腕を何度も確認していた。
この国のトップとも言える治癒魔導士 ドグ医局長でも治療できなかった怪我が完全に治っている。
「私も拓も限界だ。もう一人は日を改めさせてくれ。後の事は任せて良いだろうか。」
「分かりました。しかし貴方は一体・・・」
医師の質問はガラによって遮られた。
「申し訳ないですが、一切の詮索をしないという条件で力を貸してもらっています。
ホワイトジャック、拓、お疲れさまでした。」
ゴルゴとサブに2人はスラム街の奥へと連れていかれ、誰も後を付けられない様にOZ、クリームが壁となっていた。
拓は用意されたベットに横にされた。
「大変だったな。ゆっくり休め。」
ホワイトジャックはそう言うと、白衣と仮面を外してテーブルの上に置いて部屋を出て行く。
ゴルゴは拓の事をサブに任せて、ホワイトジャックを追う。
「ニコラス、大丈夫か?」
「あの魔力の渦の中心に居たからな。正直キツイ。」
「手を貸そう。」
「拓には言わないでくれよ。あいつ、変に気を使うからな。」
ホワイトジャックを演じていたニコラスは部屋の外に出ると壁に手を付いて体を支えた。
拓が放出した強力な魔力に当たり続け、かなり体力を消耗している。
ゴルゴはニコラスの体を支え、別の部屋で休んでもらう事にした。
サブは拓の服を脱がすと、汗だくになった拓の体を拭き始めた。
「本当にすげぇよな。あんな治療を1人で行ったんだろ。」
「言葉だけでなく、身体を使って褒めてくれても良いよ。」
「こんな時まで変な事を言いやがって。悪いが、俺は兄貴一筋だからな。」
そんな事を言いながらも丁寧に拓の全身を拭いてくれた。ただ、パンツの中はダイフクが綺麗にしたが・・・
拓が服を着替えて横になっていると、皆が戻って来た。
「今日は、色々と手伝って頂いてありがとうございました。」
拓が上半身を起こし皆に礼を言うと、
「横になっていろ。気にするな、いつも俺達の方が世話になっている。」
「俺達もだ。それにニコラスは楽しんでいるしな。
少し疲れたと言って休んでいるが、次も任せておけと言ってたぞ。」
ゴルゴとジークはそう言って笑っていた。
休める様にと全員が部屋から出て行こうとすると、拓が勇者3人を引き留める。
「頼みたい事が有るんだ。この魔道具に魔力を充填してくれないか。」
拓が取り出したのは2本の治癒のロッド。2本とも魔力が空になっていた。
「もしかして、治癒魔法を使いながら魔道具を2つも使っていたの?」
「1本だけで何とななると思ったら操作が難しくてね。2本使わないと治せなかった。」
「拓さん、無茶し過ぎ。これで駄目だったらどうするつもりだったのよ。」
「3本目を使うだけだよ。それよりも魔力の補充を頼めないかな?」
浩司はロッドを受け取ると、由美と里香と一緒に魔力を流し始めた。
勇者1人と同等の魔力を保有できるロッド
2本のロッドに魔力を充填したときには、勇者3人も疲れていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
349
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる