277 / 501
278寿命
しおりを挟む
拓は3日間は魔法禁止となり、その間にブルネリ公爵やロダン侯爵、ジャイア男爵、ポップ団男爵、ピスタ男爵と回って帰って来た挨拶をしていたのだが、
何処でも港町での龍神と拓の治療とホワイトジャックに弟子認定を受けた話になる。
特に拓とホワイトジャックとで行った治療は既に貴族の間に知れ渡り、今まで以上にホワイトジャックの詮索が行われていた。
全員、拓を気遣ってか深くは聞かないで簡単な話題として終わりにしていたが、例外は存在する。
ハックと共に教会に伺いピース神官とトリス神官に挨拶を行っていると
「拓殿、ドクから聞きましたぞ。ホワイトジャック殿とはどの様な魔導士なのですか?」
神官長が息を切らせてやって来た。
拓が前回会った時は立派な態度で対応していたが、ここに居る神官長は同じ人物なのかと疑問に思うほどだった。
「弟子にと言われていますが、ホワイトジャックの素顔を直接見たことすら無いです。」
素性の分からない謎の天才治癒魔導士として話を通していた。
実際に拓にとっては自分の顔なので、直接見る事は無い。
「拓殿はホワイトジャックの弟子と名乗らないのですか?」
「色々と教えて頂きましたが、その気は有りません。
私は中級魔法しか使えませんので、流石に弟子を名乗るには力不足ですから。」
神官長は溜息を吐くと「そうか」と言って席に座り黙ってしまった。
「あの、どうかされたのでしょうか?
城にも神殿にも優秀な魔導士が多く居ると思いますが?」
拓が心配して声を掛けると
「何を言っている。ドクでも治療を出来ない怪我を治したんだ。
ホワイトジャック殿には神官になってもらい、弟子として受け入れてもらいたかったのに。」
「えっ?」
拓は冗談だと思ったが、神殿長は本気みたいだ。
「ホワイトジャックが自分の治療は魔力による力技だと言っていました。
私が弟子にと言われたのは豊富な魔力を持っているので近い事が出来ると考えたからだと思います。
ところで、治癒魔法を行う強力な魔道具等は存在しないのでしょうか?
それが有れば、同じ事が出来るのではないですか?」
神官長は付いて来る様に言って、神殿の奥へと拓を連れて行く。
厳重に管理された部屋に通されると、そこには拓が持っている治癒のロッドと同じものが3本置かれていた。
「これで有ればホワイトジャック殿と同じ様な事は出来るだろう。
しかし、3本とも数十回も行えば使い物にならなくなります。」
拓は初めて知ったが、魔道具には寿命が存在した。
城にも同じ魔道具が存在するが既に作り出す技術は失われている為、特別な時にだけ使用される。
ましてや、1兵士に使う事は出来ない。
「魔道具の寿命は何処を見れば分かるのでしょうか?」
「ロッドの柄にはめ込まれている魔石を見てください。色が薄くなっているでしょう。
魔石は初めに濃い青だったと聞いています。」
魔道具にはめてある魔石の色が無くなり、砕けた時が魔道具の寿命となる。
魔石には魔法陣が書かれており、強い力を持つ魔道具ほど精密な魔法陣が描かれている。
魔石が砕かれても新しいのと取り換えれば再び使える様になるが、現在の技術ではこれだけの魔法陣を描くことは出来ず、修復は不可能だった。
拓が普段使っている魔道具にも寿命が有るが、このレベルなら現代の技術でも魔法陣を描くことが出来る。
「もしかして、水晶の玉にも寿命が有るのですか?」
「あれは大丈夫です。あれは正確には魔道具ではなく、人体の淀みを入れる器でしかない。
外的要因で破壊しない限り、幾らでも使う事ができます。」
拓は教えて頂いたことに礼を言うと、ハックの所へ戻りピース神官とトリス神官の教育を一緒に受けていた。
その日の教育が終わり、拓が宿に戻ると直ぐにロッドについている魔石の色を確認したが、どれも濃い色で未だ問題は無さそうだった。
魔道具の寿命についてはOZを始めクリームとエチゴにも話し、可能な限り使用しないことにした。
何処でも港町での龍神と拓の治療とホワイトジャックに弟子認定を受けた話になる。
特に拓とホワイトジャックとで行った治療は既に貴族の間に知れ渡り、今まで以上にホワイトジャックの詮索が行われていた。
全員、拓を気遣ってか深くは聞かないで簡単な話題として終わりにしていたが、例外は存在する。
ハックと共に教会に伺いピース神官とトリス神官に挨拶を行っていると
「拓殿、ドクから聞きましたぞ。ホワイトジャック殿とはどの様な魔導士なのですか?」
神官長が息を切らせてやって来た。
拓が前回会った時は立派な態度で対応していたが、ここに居る神官長は同じ人物なのかと疑問に思うほどだった。
「弟子にと言われていますが、ホワイトジャックの素顔を直接見たことすら無いです。」
素性の分からない謎の天才治癒魔導士として話を通していた。
実際に拓にとっては自分の顔なので、直接見る事は無い。
「拓殿はホワイトジャックの弟子と名乗らないのですか?」
「色々と教えて頂きましたが、その気は有りません。
私は中級魔法しか使えませんので、流石に弟子を名乗るには力不足ですから。」
神官長は溜息を吐くと「そうか」と言って席に座り黙ってしまった。
「あの、どうかされたのでしょうか?
城にも神殿にも優秀な魔導士が多く居ると思いますが?」
拓が心配して声を掛けると
「何を言っている。ドクでも治療を出来ない怪我を治したんだ。
ホワイトジャック殿には神官になってもらい、弟子として受け入れてもらいたかったのに。」
「えっ?」
拓は冗談だと思ったが、神殿長は本気みたいだ。
「ホワイトジャックが自分の治療は魔力による力技だと言っていました。
私が弟子にと言われたのは豊富な魔力を持っているので近い事が出来ると考えたからだと思います。
ところで、治癒魔法を行う強力な魔道具等は存在しないのでしょうか?
それが有れば、同じ事が出来るのではないですか?」
神官長は付いて来る様に言って、神殿の奥へと拓を連れて行く。
厳重に管理された部屋に通されると、そこには拓が持っている治癒のロッドと同じものが3本置かれていた。
「これで有ればホワイトジャック殿と同じ様な事は出来るだろう。
しかし、3本とも数十回も行えば使い物にならなくなります。」
拓は初めて知ったが、魔道具には寿命が存在した。
城にも同じ魔道具が存在するが既に作り出す技術は失われている為、特別な時にだけ使用される。
ましてや、1兵士に使う事は出来ない。
「魔道具の寿命は何処を見れば分かるのでしょうか?」
「ロッドの柄にはめ込まれている魔石を見てください。色が薄くなっているでしょう。
魔石は初めに濃い青だったと聞いています。」
魔道具にはめてある魔石の色が無くなり、砕けた時が魔道具の寿命となる。
魔石には魔法陣が書かれており、強い力を持つ魔道具ほど精密な魔法陣が描かれている。
魔石が砕かれても新しいのと取り換えれば再び使える様になるが、現在の技術ではこれだけの魔法陣を描くことは出来ず、修復は不可能だった。
拓が普段使っている魔道具にも寿命が有るが、このレベルなら現代の技術でも魔法陣を描くことが出来る。
「もしかして、水晶の玉にも寿命が有るのですか?」
「あれは大丈夫です。あれは正確には魔道具ではなく、人体の淀みを入れる器でしかない。
外的要因で破壊しない限り、幾らでも使う事ができます。」
拓は教えて頂いたことに礼を言うと、ハックの所へ戻りピース神官とトリス神官の教育を一緒に受けていた。
その日の教育が終わり、拓が宿に戻ると直ぐにロッドについている魔石の色を確認したが、どれも濃い色で未だ問題は無さそうだった。
魔道具の寿命についてはOZを始めクリームとエチゴにも話し、可能な限り使用しないことにした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
349
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる