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407悪目立ち
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ガラとレオの特訓が終わるまで、拓はハック、ルーカスとの勉強をメインに行動し
空いた時間でワンガ達の特訓に顔を出し、怪我人が居れば治療を行っていた。
皆の様子を見ていて気になったのだが、ワンガと1人の冒険者の距離が近くなっていた。
ワンガも特訓中は厳しく対応しているが、それ以外の時間は相手に対して優しく接している。
こっそりとワンガに聞いてみると、その冒険者を呼ぶ。
「拓には話しておこうと思っていたんだ。改めて紹介する。こいつはリーン、俺の恋人だ。」
「・・・ずっと付き合っていたのですか?」
「この間、拓と飲んだ後で付き合う事になったんだ。」
嬉しそうなリーンを見て、「おめでとうございます。」拓が祝いの言葉を伝えると、ワンガは一瞬残念そうな顔をして礼を言う。
しかし、リーンはゴルゴやサブとは違いスラっとした美形男子。
ワンガさんの趣味はこっち系だったのかと、考え直す拓。
直ぐに特訓が始まるのでリーンが冒険者をまとめるために2人から離れると、ワンガがゴルゴとサブと絡んでいたのをリーンに見られていた事を話した。
「知られたのがリーンで良かったですね。ゴルゴさんもサブもサルじゃないんだから。」
「いや、それを覗いている拓が言うセリフでは無いぞ。」
笑って胡麻化す拓を見て、ワンガは笑うと特訓に戻って行った。
数日して、ブルネリ公爵、クロイツ公爵、バラキエ公爵が揃ってやって来た。
ワンガ達の拠点の前に豪華な馬車が止まり、数人の兵士が入り口を見張っている。
周囲の人達は何事かと思い、少し離れた所から覗き見ていた。
テーブルには、3人の公爵、ワンガ、ゴルゴ、金狼のロウガ、そして拓が同席している。
ブルネリ公爵とクロイツ公爵は拓と話したが、バラキエ公爵だけはチラッと拓を見るだけで特に挨拶もせずに席に着いていた。
直ぐに依頼の話になり、対応する冒険者の振り分けを行うと、場所を移動し公爵達が連れてきた兵士と打ち合いをさせる。
「特訓をしていたと聞いていたが、短期間で随分と底上げが出来ているな。」
「皆さん、頑張っていましたから。ブルネリ公爵から見てどうですかね。」
ブルネリ公爵、クロイツ公爵の仕事をする冒険者は全く問題ない。
バラキエ公爵が雇う冒険者はギリギリだが、問題なしとした。ただ
「公爵という立場は面白くない。流石にこの状態で『おっちゃん』と呼ばすことも出来ないか。」
クロイツ公爵だけが、別の事で気に入らないみたいだった。
「クロイツ公爵はサブの事を気に入っていますよね。公爵家の私兵に取りたてるのですか?」
「拓殿、そんな事をしてしまったら今の関係が崩れてしまう。今回も時間を作ろうとしているのに・・・」
クロイツ公爵が恨めしい感じで後ろに控えている背広を着た人物を見ると、
「旦那様。この間も開拓地へ行かれ、仕事が溜まっております。」
お目付け役なのか、首を横に振られてしまう。
この様子だと、商人クロイツは暫く出て来れないみたいだ。
明後日にはそれぞれの仕事を行う事になった。
全てが決まると、冒険者達は並び「「「宜しくお願いします。」」」頭を下げていた。
出発の日、集合場所はギルド会館の訓練場となり、3人の公爵まで集まって冒険者に声を掛けていた。
ギルド会館に集まっていた冒険者達は、その様子を黙って見ていた。
冒険者の中にはワンガ達が公爵から指名依頼を受けていたのを疑っていた者も居たが、こうして公爵が直接姿を現すと受け入れるしかなかった。
こうなるとワンガ達を見てきた厳しい視線が無くなり、逆に戸惑が見られていた。
「これも、ギルド長の差し金ですか?」
「変な言い方をするな。拓はワンガ達に今まで通り王都で冒険者をやらせたかったんだろ。」
「そうなんですが、これは悪目立ちし過ぎかと。」
「贅沢な事を言ってくれるな。これ以上ベストな状態はねぇぞ。まぁ、他の冒険者にとっては別の意味で対応しづらくなるかもしれないがな。」
ギルド長と拓は少し離れた所から、この様子を眺めていた。
空いた時間でワンガ達の特訓に顔を出し、怪我人が居れば治療を行っていた。
皆の様子を見ていて気になったのだが、ワンガと1人の冒険者の距離が近くなっていた。
ワンガも特訓中は厳しく対応しているが、それ以外の時間は相手に対して優しく接している。
こっそりとワンガに聞いてみると、その冒険者を呼ぶ。
「拓には話しておこうと思っていたんだ。改めて紹介する。こいつはリーン、俺の恋人だ。」
「・・・ずっと付き合っていたのですか?」
「この間、拓と飲んだ後で付き合う事になったんだ。」
嬉しそうなリーンを見て、「おめでとうございます。」拓が祝いの言葉を伝えると、ワンガは一瞬残念そうな顔をして礼を言う。
しかし、リーンはゴルゴやサブとは違いスラっとした美形男子。
ワンガさんの趣味はこっち系だったのかと、考え直す拓。
直ぐに特訓が始まるのでリーンが冒険者をまとめるために2人から離れると、ワンガがゴルゴとサブと絡んでいたのをリーンに見られていた事を話した。
「知られたのがリーンで良かったですね。ゴルゴさんもサブもサルじゃないんだから。」
「いや、それを覗いている拓が言うセリフでは無いぞ。」
笑って胡麻化す拓を見て、ワンガは笑うと特訓に戻って行った。
数日して、ブルネリ公爵、クロイツ公爵、バラキエ公爵が揃ってやって来た。
ワンガ達の拠点の前に豪華な馬車が止まり、数人の兵士が入り口を見張っている。
周囲の人達は何事かと思い、少し離れた所から覗き見ていた。
テーブルには、3人の公爵、ワンガ、ゴルゴ、金狼のロウガ、そして拓が同席している。
ブルネリ公爵とクロイツ公爵は拓と話したが、バラキエ公爵だけはチラッと拓を見るだけで特に挨拶もせずに席に着いていた。
直ぐに依頼の話になり、対応する冒険者の振り分けを行うと、場所を移動し公爵達が連れてきた兵士と打ち合いをさせる。
「特訓をしていたと聞いていたが、短期間で随分と底上げが出来ているな。」
「皆さん、頑張っていましたから。ブルネリ公爵から見てどうですかね。」
ブルネリ公爵、クロイツ公爵の仕事をする冒険者は全く問題ない。
バラキエ公爵が雇う冒険者はギリギリだが、問題なしとした。ただ
「公爵という立場は面白くない。流石にこの状態で『おっちゃん』と呼ばすことも出来ないか。」
クロイツ公爵だけが、別の事で気に入らないみたいだった。
「クロイツ公爵はサブの事を気に入っていますよね。公爵家の私兵に取りたてるのですか?」
「拓殿、そんな事をしてしまったら今の関係が崩れてしまう。今回も時間を作ろうとしているのに・・・」
クロイツ公爵が恨めしい感じで後ろに控えている背広を着た人物を見ると、
「旦那様。この間も開拓地へ行かれ、仕事が溜まっております。」
お目付け役なのか、首を横に振られてしまう。
この様子だと、商人クロイツは暫く出て来れないみたいだ。
明後日にはそれぞれの仕事を行う事になった。
全てが決まると、冒険者達は並び「「「宜しくお願いします。」」」頭を下げていた。
出発の日、集合場所はギルド会館の訓練場となり、3人の公爵まで集まって冒険者に声を掛けていた。
ギルド会館に集まっていた冒険者達は、その様子を黙って見ていた。
冒険者の中にはワンガ達が公爵から指名依頼を受けていたのを疑っていた者も居たが、こうして公爵が直接姿を現すと受け入れるしかなかった。
こうなるとワンガ達を見てきた厳しい視線が無くなり、逆に戸惑が見られていた。
「これも、ギルド長の差し金ですか?」
「変な言い方をするな。拓はワンガ達に今まで通り王都で冒険者をやらせたかったんだろ。」
「そうなんですが、これは悪目立ちし過ぎかと。」
「贅沢な事を言ってくれるな。これ以上ベストな状態はねぇぞ。まぁ、他の冒険者にとっては別の意味で対応しづらくなるかもしれないがな。」
ギルド長と拓は少し離れた所から、この様子を眺めていた。
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