COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

じゃがマヨ

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まずは名を名乗れ

第27話

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 男は戸惑ってるようにも、驚いてるようにも見えた。

 私の知り合いだとしたら、そりゃそうなるよなって話ではある。

 だって死者が蘇ってるって状況な訳でしょ?

 冷静に考えたら。


 「どちら様…ですか?」

 「どちら様…って、覚えてないのか?ってか、ほんとにサユリ??」


 なんて答えるのがいいんだろうか

 正直に記憶を無くしたって言えばいい?

 でもそれを伝えたところでって話じゃない??

 「私」はもう存在してないんだ。

 下界とはもう縁が切れてる。

 それなのに何事もなかったかのように話を続けてもいいわけ?

 下手したら魔法省の人に怒られそうだ。

 言われたんだ。

 人間と接触するときは、過去の「自分」のことは話すなって。


 「ここじゃあれだから、外に出ない?」

 「…え?」


 断り切れずにいると、外の駐車場に連れ出された。

 文句を言ってやろうと思ったがやめた。

 あまりに必死そうだったから。


 「一回状況を整理させて欲しい」


 そう言うと、再度私の名前を尋ねてきた。

 名前と、生年月日と。

 ごめんだけど、血液型は覚えてない。

 生年月日は書類を書くときに載ってたからわかるが、血液型は載ってなかった。

 一通り知ってることを話すと、男は急に涙を浮かべた。

 何かが堪え切れなくなったみたいで。


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