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バトルフェスティバル 地区予選編①
第45話
しおりを挟む「おっはよーーう!」
ドカッ
突然枕が天井から降ってくる。
2階の書斎で勉強していたら、いつの間にか寝てしまっていた。
テンション高めの夏木先輩が起こしにきて、早く支度をしろと言ってきた。
今日は大事なイベントがある。
そのことは以前に聞いていた。
年に一度開催される『バトルフェスティバル』という大会。
チーム戦と個人戦の2つがあり、夏木先輩も参加するみたいだった。
全国大会出場の切符をかけて。
「私がついていく必要があるんですか?」
「何言ってんの?いずれあんたも参加することになるんだよ?」
「私も!?」
下界の天使たちの間では、今日から開催されるバトルフェスティバルと昇級試験は、一年間の中での恒例の行事となっていた。
中でもバトルフェスティバルは、優勝賞金が豪華で有名だった。
天界に通貨は存在しないが、代わりにかなり豪華な住まいと魔具を授与される。
お墨付きはやはり超豪華な『レプリカ』だ。
天使によってはレプリカを所持していないものも特例でいるが、ほとんどの天使は、下界での行動にレプリカを使う。
夏木先輩や私みたいに普通に暮らす女子大生や、会社員、芸術家、エンターテイナー、公務員など多種多様だ。
末端の天使は身分の低いレプリカを所持されるが、位階が上がるにつれてレプリカの品質も良くなっていく。
位階だけが全てではないが、大金持ちでステータスの高いレプリカなんてものは、普通持たされない。
ただ、このバトルフェスティバルで優勝すれば、自分好みのレプリカ(年によって用意されるものは違うが)を獲得することができる。
リッチで優雅な生活を送ろうとするならば、このフェスティバルで優勝するのがいちばん手っ取り早い。
…と、夏木先輩が教えてくれた。
どうやら、さっさと今のレプリカを脱ぎ捨て、新しい環境で優雅に暮らしたいのだそうで…
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