COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

じゃがマヨ

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バトルフェスティバル 地区予選編①

第53話

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 「どうやって行くんですか?」

 「コテ丸を呼ぶ」

 「コテ丸!?」


 夏木先輩は口に指を当て、「フゥー」と大きく息を吸った。

 すぼめた唇の先から、綺麗な笛の音が鳴る。


 ピュゥゥゥ



 透き通った音。

 私も口笛は吹けるけど、ここまで芯が通った質感は出せない。

 笛の音は遠くまで鳴り響いた。

 まるでメガホンで音の輪郭を拡大したように、太く滑らかな“曲線”が、空間の中に伸びていった。



 バサッ


 風が揺れ動いたのは、長閑な平原の“真上”だった。

 降りしきる太陽の日差しの只中に、何かが触れる。

 よくわからなかった。

 持ち上がるような突風が吹いた理由も、地面が変わるほどの大きな影が、“頭上に落ちてきた”のも。



 「ぎゃあああ!!」




 ふと、見上げたんだ。

 急に視界が暗くなった気がしたから。

 空気が引っ張られる音がしたその方向には、巨大な翼を広げた“鳥”が、宙に舞っていた。

 「鳥」…?

 いや、これは鳥じゃないッ!

 鳥の姿に似た化け物だ…!

 どっかで見たことがあるぞ

 …本とか、絵本とかで…


 「うちのコテ丸。可愛いでしょ?」


 可愛い…?

 その「言葉」がどこに向いているのか、今すぐに問いただしたい気分だった。

 どこらへんが可愛いんだ?

 皮膚はゴツゴツしてるし、ツノみたいな堅く突き出た物体が頭部にあるし…

 っていうかツノだよね!?

 どっからどう見ても。


 空から降ってきたのは、青龍(ブルードラゴン)と呼ばれる種類のドラゴンだった。

 名前はコテ丸。

 全長25m

 イカつい見た目に反して甘えん坊で、毎晩「お腹を撫でろ」と言ってくるそうだ。

 キュルルと小さく喉を鳴らしながら。
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