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バトルフェスティバル 地区予選編①
第54話
しおりを挟む「誰だお前」と言わんばかりに、こっちを見ている。
…怖
ってかデカすぎない!?
海で鯨を見たことがあるけど、それ以上だ。
背中には巨大な翼が生えている。
トゲトゲの尻尾には、先っぽに三角のヒレのようなものがついていた。
足元に伸びている爪といい、口の中から飛び出ている牙といい、立派だ…
丸くて平らな形をした大きいうろこが体中に点在し、その間を突起のある小さいうろこが埋まっていた。
きっと、ナイフなんかじゃ傷一つつかないだろう。
それくらい重厚な厚みが、ザラザラした質感の上に漂っていた。
「心配すんな。噛みついたりはしないから」
噛みつかれたら一巻の終わりなんですが、それは…
先輩は龍の背中に乗り、手招きしてきた。
「コイツが連れて行ってくれる」。
ニコッと、そう微笑んで。
背中に隆起した骨のような棘を掴み、落ちないようにしゃがんでた。
飛行機で浮遊する感覚とは全く違う、真上に引っ張られるような急激な方向転換。
グワンッと視界が揺れ、危うく滑り落ちる所だった。
回転する景色が、持ち上がる前髪のそばで暴れていて。
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