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バトルフェスティバル 地区予選編①
第62話
しおりを挟む人は見かけによらないとは言うが、どう見ても小学生だよね?
天使に年齢は無いけど、どうも違和感が。
ちなみに相手の天使は夏木先輩と同じ第八位の天使だった。
所属チームは「ゴーストバスター」。
東区の担当のところだ。
試合の展開は一方的だった。
一方的というか、リオン君は攻撃を一切していない。
サーフボードを空中で飛翔させて、向かってくる魔法を避けているだけだった。
…ん?
なんか変だな。
ゴーグルの横になんか垂れ下がってない?
よく見ると、イヤホンを耳につけてた。
目も瞑ってるし、両手は組んだまま遊ばせている。
…これ、試合中だよね?
「相手の魔法は?」
「「風」かな」
「風か」
「うまく空間を使ってるみたいだが、リオンのやつ余裕だな。音楽聞いてやがる」
…やっぱりそうだよね?
相手の天使は大気を操作して、空中を飛び跳ねるように移動している。
天使には「翼」がある。
普段見せていないだけで、必要とあればいつでも出現させることができる。
ただ、「風属性」の天使というだけあって、翼を出さなくても意のままに空中を移動していた。
旋風を巻き起こし、圧縮させた空気を弾丸のように飛ばしている。
その「形」は多彩で、かつ手数が多い。
先輩が言うように、相手天使は「空間」をうまく利用していた。
平面上に魔法をぶつけようとするのではなく、立体的な奥行きを使って、上下左右に方向転換を繰り返していた。
3次元内の点と線。
近づきすぎず、遠すぎず。
互いの間合いの位置を探りながら、多方向へのフェイント(魔法領域)を散りばめていた。
直接攻撃を当てようとするんじゃなく、“空間全体”を攻撃の「手段」としながら。
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