COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

じゃがマヨ

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バトルフェスティバル 地区予選編①

第61話

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 「うわああああああああ」


 地面を闊歩するその様子は、“走っている”という形容じゃ間に合わない。

 飛んでいる。

 感覚としてはそれに近かった。

 翼を広げて、とかじゃなくて、まるで“瞬間移動”しているみたいに。


 「ストップストォォォォォォップ」

 「じっとしてろ!」

 「じっとしてるも何も、一体何が!!!??」


 状況が把握できない。

 目的地に着いたのはものの数十秒後のことだ。

 あっという間だった。

 高低差の激しい地形など意にも介さず、山脈の間を自由に駆け抜ける。

 私の体は先輩の後ろにピタッとくっついたままだった。

 磁石と磁石が吸い寄せられるように、謎の引力が働いていた。

 身動きはほとんど取れなかった。

 慌てて足を動かそうとしたけど、全然ダメ。

 叫んでようがおかまいなしだ。

 目的地の山頂に着地するや否や、勢いがありすぎて地面が爆ぜる。

 先輩は、息切れ1つ起こしていなかった。


 「大丈夫か?」

 「大丈夫じゃ…無いです」

 「見てみろ。リオンが戦ってる」

 「ほえ?」


 ぽっかりと穴が空いた鉱山の山頂の一角。

 数百mはありそうな直径の広い地面の上で、クレーターのような掘りの深い円形の地形が広がっていた。

 その中心。

 2人が対峙していた。

 1人は右手に剣を持ち、魔法を詠唱している。

 もう1人は…


 「子供…?」

 
 見るからに背が低く、サーフボードに乗って空を飛翔していた。

 頭には大きめのゴーグル。

 フード付きのナイロンジャケットを身につけてた。

 身軽に飛び回り、相手の攻撃をいとも容易く回避しながら。



 「リオンはウチの“エース”だ。子供だが、天使歴は私より長い。第六位だしな」

 「第六位!?」


 六位って言ったら真琴先輩より上じゃないか。

 あの見た目で!?


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