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史上最年少の訓練生
第1話
しおりを挟む東の大陸、イーフリート。
そのリザード地方にある人口100万人の都市、ガルバディア帝国。
この国では、『赤のシスエレメント』と呼ばれる魔鉱石を神殿に構え、“火の皇国”としての繁栄と発展を遂げてきた。
皇国の紋章には「獅子」がモチーフとなったデザインが施されており、国旗の主要な色になっている「赤」は、“勇気”を象徴しているとされる。
ガルバディアには“ファイアウルフ“と呼ばれる精鋭部隊が存在し、国を守護する主要な傭兵として、古くからその部隊としての歴史を育んできた。
ガルバディア領にある国々は、赤のシスエレメントの加護を受けているとされている。
それは他の四つの大陸にも言えることだが、”シスエレメント”と呼ばれる魔鉱石には特別な力が宿っており、人々の生活を支えるエネルギーの源や、「魔法」と呼ばれる神々の力が“地脈”を通じて広がっていることが、各大陸に纏わる伝説として語り継がれていた。
言い伝えによれば、イーフリートには「獅子王」と呼ばれる神獣が、魔鉱石のある地下深くに封印されているらしい。
あくまで伝説の範疇に過ぎないが、ガルバディア帝国が獅子の紋章を国旗に入れているのは、そういった大陸内の“逸話”や言い伝えが存在しているからだ。
ガルバディア皇国、首都、——イスティア。
街の郊外では、4年に一度開催される“バトルロード”と呼ばれるイベントが開催されていた。
バトルロードとは、傭兵養成学校「鳳凰院」が主催する、“魔法訓練生”の昇級試験に伴う最終審査(決勝大会)であり、選ばれた数百人にも上る生徒たちが、晴れて正式な兵士になるための登竜門となっていた。
兵士になるためにはいくつかのルートが存在するが、このバトルロードに於いて優れた成績を納めたものに関しては、明るい将来が約束される。
エリートになるための重要な関門の一つであり、ファイヤウルフに於いて席官以上の席に上り詰めるための、『正規のルート』と言っても過言ではなかった。
今年の出場者は述べ600人以上。
ルールはいたってシンプルだ。
より強いものが勝利し、弱いものが脱落していく。
『バトルシティ』と呼ばれるバトルロード用の市街地が用意され、その場所で約半年間、生き残りをかけた戦いを行う。
相手を戦闘不能にしたものが勝利するが、戦闘を継続できないと判断したものは、降参しても問題ない。
出場者にはスターチップが渡され、敗北したものは勝利者にそのチップを渡さなければならない。
つまり、スターチップを奪われた時点で、その者は“戦闘不能扱い“になる。
いかなる理由があっても、チップを相手に取られることは「敗北」に直結するルールとなっていた。
また、ルールにはタブーが存在し、相手を戦闘不能にする際に、相手を殺傷する、もしくは過度なダメージを負わせることは原則禁止である。
不可抗力によって命を落とすことはあるにしても、基本的なルールとしてはあくまで「戦闘に勝利するか否か」だ。
会場にはドローン式の審判員が存在し、各戦闘状況の審査&判定を行う。
その審判員の判断によって戦闘状況が審査され、その審査に基づいて出場者は行動しなければならない。
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