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禁断の恋
第13話
しおりを挟む「…私も最初は不思議だったよ」
「何が?」
「友達の間で噂になってたんだ。先生が1人で山に入って行ったとか、廃校の校舎に消えていった、とか。で、今回は廃病院。聞いた事ない?今の話の経緯」
「全然…」
「とにかくただの噂だって思ってたんだ。でさ、この前塾の帰りにこのラーメン屋に寄ったんだよね。ほんとに、たまたま。そしたら先生が来て…」
「ほう…」
「まさかと思うじゃん?だって、ラーメン屋に出没するって聞いてたんだよ?先生を見た時ハッとなってさ?噂通りだ!って思って」
なるほど。
で?
「先生はこっちに気付いてなくて、食べ終わった後についていってみたんだ。噂だと、そのあと廃病院に行くって聞いてたから」
ヒロの声は、話が進むにつれてだんだん暗く、沈んでいくようだった。
箸の手も止まった。
さっきまで、めちゃくちゃうまそうに食ってたのに。
「怖くて敷地の中には入れなかったんだ。中は薄暗くてさ」
「先生は?」
「中に入っていった」
「…ふーん」
「その時に見たんだ」
「…え?」
「信じられないと思うかもしれないけど、廃病院の建物の中に…」
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