私は貴方に嘘をつかれていた。

瑠渡

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私の作っている瓶詰め物が、王都で評判になり、王宮でも話題になり
是非レシピを教えて欲しい。
事業の足がかりにしたいので、私に此方まで来て教えて欲しいと打診があった。
遠いし悩んだが、文官の方が是非に会いたいと言われては断ることもできず、三日間での教示となった。


何年かぶりの王都。

相変わらず人の多さに酔いそうだ。
前の日に着いたので王都を歩きながら有名な菓子を買おうと並んでいた時、近くをスッと通った男女に目がいった。
貴族だろうと思える佇まいで女性は深く帽子を被っているが、愛くるしい顔は隠せていない。
とても綺麗だと思いながら横にいる男性をチラッと見て、「えっ?」
心が身体が闇に入っていくのを感じた。
クリス様………見間違うわけがない
あれはクリス様だった

並んでいたので店員に呼ばれ、慌てて焼き菓子を少し買い離れた。

もう一度確かめたかったが、姿は見えなかった。

なぜ?隣国へ帰ったのではなかったのか?
そう考えると、隣国の大使と一緒に来られたが、私はクリス様のことをほんとによく知らないのだなと、その時感じた。

クリス様にしっかりエスコートされ、しなだれかかっていた女性を見てしまったことで、私はクリス様にとって何でもない、事業をやる上での教えを願う女だったのだと、ようやくわかった。
そう宿で考え出すと、心が苦しく、止めどなく涙が溢れて、とうとう寝付けず泣きながら寝る形となってしまい、朝起きて瞼の腫れを見てビックリしてしまい、これから文官の方達と会うのにと、恥ずかしい気持ちになってしまった。




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