【完結】いずれ忘れる恋をした

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【2章】イベント未回収

2.

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弟の命日から約1ヶ月。青葉の茂るこの季節のとある1日。

今日は私の18歳の誕生日。
兄さんも姉さんも帰ってきてくれて、みんなでご飯を食べる。

夕食後、初めてのお酒をちみちみ飲みながら、他愛もない話をしていた。

「姉さん、結婚生活はどう?」
「んもう、変わらずラブラブよ!私たちの熱でパンが焼けちゃいそうなくらい♡」

というのも、姉さんは、家族ぐるみで仲の良いパン屋の息子さん_いわゆる幼馴染_と長年の交際を経て、ようやく3年前に結婚をした。それまでは実家であるこの家に住んでいたのだが、結婚と同時に旦那さんと一緒に 小さいけれど綺麗な新居へと引っ越したのだ。そしてもう 1歳と半年になる娘もいる。

「ふふ、仲良さそうで良かった」
「っもうほんとに…シーは何て良い子なの!」

お酒が弱い姉さんはもう既に酔っていて、顔を赤くしてそんなことを言いながら私に抱き着く。

「……ったく…」
「あ、兄さん、お酒注ぐね」
「ん、ありがとな」

いつものように私の頭に手を乗せてゆるりと笑う兄さん。

「ねえねーえ、エィは何かそういう話ないのー?」
「ないな」
「えー、つまんなぁ」
「……」
「もう、姉さん」
「ごめんってぇ、だってさぁ、いつまで童貞でいるつもりなんだろって思っ…ったい!!!」
「…ティビー、呑み過ぎだ」

眉間に皺を寄せて姉さんにチョップを食らわせた兄さんはそっぽを向いてお酒を煽った。
その耳はうっすら赤くなっていて。

姉さんが何やら1人で呟いている間に、兄さん 良い人みつけたんだ?と小声で尋ねると、今やもう酔った時にしか見られない悪戯っ子のような"二ヒヒ"という笑い方を見せた兄さんが、"ティビーには秘密だぞ"と囁き、私の頭をわしゃわしゃとかき混ぜたのだった。

________


「全くもう、誰の誕生日なんだか」
「はは、本当にな」

テーブルに突っ伏して眠る姉さんと腕組みをして眠る兄さんを見て、母さんと父さんが苦笑いをする。

父さんが手招きをしたので私は姉さんのホールドをそっと解いて両親の座る3人がけのソファーへ向かうと、母さんが近くまで来た私の手を取って 両親の間に座るように促した。


「シーリル。改めて、誕生日おめでとう」
「ありがとう」
「…遂にシーリルも成人か」
「へへ、そうみたい」

お店のことも、人間としても、一人前になれるようにもっと頑張るね。そう言うと、両親は同時にため息をついて、私を抱き締めた。

「シーは我慢しすぎるから、心配よ」
「成人したとはいえ、もっと家族に甘えていいんだからな」

そんな両親の言葉に感謝を告げ、ひとつ息をつく。
きっと、今がタイミングだ。


「父さん、母さん。あのね……」




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