僕は超絶可愛いオメガだから

ぴの

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2章 夏〜秋

僕は出かけます①

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 母さんは東ノ院くんのことが気に入ったらしく、学園を通して、東ノ院家に断りを入れることを残念がっていたけど、父さんは、ほっとしたような顔をしていた。
「いやーあんな立派な家柄の方と我が家じゃあ、どう考えても親戚付き合いなんかできないもんなあ。」
 父さん、本音がダダ漏れだよ。

 ともかく、学園に断りを入れることがはっきりして、僕はただナオくんに会うことだけを思っていた。


****
 翌朝、中学校の時の友達に会うと言って、自宅を出て、迎えのタクシーに乗る。
 
 タクシーは30分ぐらい走ると地下の駐車場に入って、見覚えのある車の近くに止まった。
 
 するとその車からナオくんと運転手の光宗さんが出てきた。

「おはよう!ナオくん!」
 僕は嬉しくなってナオくんに駆け寄る。

 洗練された佇まいに一瞬、眩しさを感じる。
久しぶりに会うナオくんは、やっぱりかっこいい。

 光宗さんにも挨拶して、車に乗り込む。
「今日は海見に行かないか?と言っても東京湾だけど。」
「うん!いいね!そしたら、海見ながらランチとか気持ちよさそう。」
「だな。」

 車は地下駐車場を出て首都高速道路に入る。でもこの車はあまり外の音が聞こえない。
 高級車ってみんなそうなのかな。

「一昨日は、どこに出かけたんだ?」
 あ、そうだよね。この話最初にしとかないと。でも光宗さんには聞かれたくない…。
 僕がちらっと運転席を見て気にしたのを察知して、ナオくんはボタンを押す。
 すると運転席と後部座席の間にパネルが降りてきた。
「秘密の話か?これでこちらの様子は向こうには分からなくなったよ。」
 ナオくんが優しい顔してこちらを見る。
「あのね、もちろん断ったんだけどー」
 僕は前置きした上で、一呼吸置いて告げる。
「一昨日お見合いしたんだ。」
「え?」
 ナオくんが固まる。
「それで、両親と都内のホテルに行ったんだ。」
 後めたくて僕は俯いて両手を握り締める。
「でも本人にも直接、好きな人がいるからって言って断ったし、学園を通して正式にも断ったよ。」
「学園って…もしかして学園のαと会ったのか。」
 ナオくんの声が抑揚のない冷たい声に変わる。
「うん…。」
「どうして見合いなんか応じたんだ?」
 ナオくんの声音に怒気が含まれる。
「学園から大量にお見合いの話が自宅に届いてて、それで、とにかく一度お見合いしてみたらって母さんに言われて…もちろん断ったよ。けど…」
 その先を言うのをためらうと、
「けど?」
 と先を促される。
「好きな人いても、付き合ってないならって勝手にお見合い申し込んじゃったんだ。断っても良いって言ってたし、お見合いをさせたい母さんの気持ちも少し分かるから…」
ふーっと大きくナオくんがため息をつく。
「俺と付き合っていることをまだ言うなって言ったからだよな。俺のせいか…。」
「違う!ナオくんのせいじゃない。僕がきちんと親と話さなかったのがいけないんだ。」
 僕はナオくんの腕を両手で掴んで伝える。

 すると突然ナオくんは、僕に覆いかぶさるようにキスをしてきた。
「んふっ…はぁ…んっんっ…」
 ナオくんの熱い舌で口内をなぶるように掻き回される。
 苦しい…こんな乱暴なキス初めてだ。
 酸欠になりそうなところで、ようやく離される。

「はぁはぁ…。」
 おそらく僕の顔は真っ赤になってるのだろう。少し涙目かもしれない。
 だからなのか、ナオくんが申し訳なさそうな顔をした。
「ごめん。」
 僕は、まだ声を発することができず、必死で首を横に振る。
「αはΩに対する独占欲が強いって聞いてたけど、自分がそれを体感するとは思わなかった。」

嫉妬してくれたってこと?

「嬉しい。」
 僕は必死に声を絞り出して気持ちを伝える。

 すると今度は先ほどとは違う優しいキスがたくさん与えられた。

「もう少ししたら、きちんと春人の両親に挨拶に行くから。」
「うん、そこまで言ってくれてありがとう。僕も二度とお見合いなんかしない。今回のことは、ごめんなさい。」
「うん。春人と下心のあるαとなんて今後絶対会わせたくないな。」
 そう言って目的地まで僕の肩を強く抱いていた。
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