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好きな人に誘われました。
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なんとなく会話が途切れて、美峰は正直どうして良いか分からなかった。
「柊木さん、動物園って最後いつ行きました?」
優星が沈黙を破り美峰に尋ねる。
「動物園?えーと、小学生かな?」
記憶を辿りながら美峰は答える。
小学生の時に、学校の行事や家族で行ったのが最後だった。
「葉山君は?」
美峰も尋ねてみた。
「中学かな。その当時付き合っていた子とデートに動物園に行きました」
甘い思い出にちょっぴり照れながら優星は言う。
「そっか。中学で彼女いたんだ」
揶揄いながら美峰は言う。
デートか。と、美峰は思った。
思春期の頃、自分の恋愛対象が男と気が付き、初めてデートしたのは大学時代だったと思い出した。
それも今思えばデートと言えるのか。
片想いした相手に自分がゲイであることと、好きだと言う気持ちを伝えて、相手も受けいれてくれてデートして。キスもして。
そして、美峰の部屋で……。
でも相手は、やっぱりどうしても美峰と最後までできなかった。
決して身体の繋がりが欲しかった訳ではないが、好きと言う気持ちがある以上、やはりお互い性欲は否定できなかった。
しかし現実は……。
相手はどこか、好きと言うだけでは割り切れないものがあったんだと美峰も分かった。
気まずいまま、表向きは友人として過ごし大学を卒業した。
もうそれ以来会ってもいない。
それがあってから、美峰は恋することに臆病にもなった。
「柊木さんはモテそうだから、小学生から彼女いたんじゃないですか?」
きっと昔から美峰は可愛くて、みんなのアイドルだったんだろうなと優星は想像した。
「全然。今まで恋人もいたこともないよ」
あ、と美峰は思った。つい口が滑ってしまい美峰は真っ赤になる。
美峰の言葉に優星は驚きながら美峰を見る。
「……意外だな。柊木さんて誠実そうだと思ってたのに、遊び人何ですか?」
優星の言葉に美峰はびっくりして赤面する。
「え?あ、違うよ!特定の恋人を持たずに遊んでたって事じゃなくて、そのッ!あ、えーとッ!」
どう言って良いか美峰は分からなかった。
まさかゲイで童貞とは言えない。
美峰が困った顔をしていると、優星はやっと美峰が童貞だと言うことは理解したらしく真っ赤になった。
「ごめんなさい、その、言いにくいことズケズケと」
優星は反省して俯く。
「あ、ううん……ごめん。僕の方こそ、なんか変に反応しちゃって」
美峰はどうして良いか分からず頭の中が真っ白になった。
好感を持っている優星に、28にもなって童貞がバレて恥ずかしかった。
再び気まずい空気が流れる。
美峰はもう帰ろうと立ち上がった。
「そろそろ失礼するよ。終電も無くなるし」
優星は美峰を見つめる。
「……あの、今度、いつお休みですか?」
「え?あ、明後日の日曜日は休み」
美峰がそう答えると、優星は考えてから美峰を見つめた。
「明後日の休みってもう予定入ってます?」
優星の言葉に、美峰は自然と首を振った。
平日の休みはまだ何かしら予定を入れて行動するが、土日が休みの時は人混みも多いので寝て過ごすことが多かった。
「あの、良かったら、動物園一緒に行ってくれませんか?柊木さんが一緒なら明星も喜ぶし」
突然の誘いの言葉に美峰は戸惑う。
「でも明日行く約束してるんでしょ?明星君、明日行くの楽しみにしてるんじゃない?」
なぜ突然自分のことを誘うのか、美峰には優星の気持ちが理解できなかった。
「1日伸びるだけだし、柊木さんが一緒の方が、もっともっと明星も喜びます、きっと」
にっこり笑って優星が言うと、美峰はその笑顔に引き込まれて断れなかった。
と、言うより、美峰も優星と一緒に休日を過ごしたかった。
「柊木さん、動物園って最後いつ行きました?」
優星が沈黙を破り美峰に尋ねる。
「動物園?えーと、小学生かな?」
記憶を辿りながら美峰は答える。
小学生の時に、学校の行事や家族で行ったのが最後だった。
「葉山君は?」
美峰も尋ねてみた。
「中学かな。その当時付き合っていた子とデートに動物園に行きました」
甘い思い出にちょっぴり照れながら優星は言う。
「そっか。中学で彼女いたんだ」
揶揄いながら美峰は言う。
デートか。と、美峰は思った。
思春期の頃、自分の恋愛対象が男と気が付き、初めてデートしたのは大学時代だったと思い出した。
それも今思えばデートと言えるのか。
片想いした相手に自分がゲイであることと、好きだと言う気持ちを伝えて、相手も受けいれてくれてデートして。キスもして。
そして、美峰の部屋で……。
でも相手は、やっぱりどうしても美峰と最後までできなかった。
決して身体の繋がりが欲しかった訳ではないが、好きと言う気持ちがある以上、やはりお互い性欲は否定できなかった。
しかし現実は……。
相手はどこか、好きと言うだけでは割り切れないものがあったんだと美峰も分かった。
気まずいまま、表向きは友人として過ごし大学を卒業した。
もうそれ以来会ってもいない。
それがあってから、美峰は恋することに臆病にもなった。
「柊木さんはモテそうだから、小学生から彼女いたんじゃないですか?」
きっと昔から美峰は可愛くて、みんなのアイドルだったんだろうなと優星は想像した。
「全然。今まで恋人もいたこともないよ」
あ、と美峰は思った。つい口が滑ってしまい美峰は真っ赤になる。
美峰の言葉に優星は驚きながら美峰を見る。
「……意外だな。柊木さんて誠実そうだと思ってたのに、遊び人何ですか?」
優星の言葉に美峰はびっくりして赤面する。
「え?あ、違うよ!特定の恋人を持たずに遊んでたって事じゃなくて、そのッ!あ、えーとッ!」
どう言って良いか美峰は分からなかった。
まさかゲイで童貞とは言えない。
美峰が困った顔をしていると、優星はやっと美峰が童貞だと言うことは理解したらしく真っ赤になった。
「ごめんなさい、その、言いにくいことズケズケと」
優星は反省して俯く。
「あ、ううん……ごめん。僕の方こそ、なんか変に反応しちゃって」
美峰はどうして良いか分からず頭の中が真っ白になった。
好感を持っている優星に、28にもなって童貞がバレて恥ずかしかった。
再び気まずい空気が流れる。
美峰はもう帰ろうと立ち上がった。
「そろそろ失礼するよ。終電も無くなるし」
優星は美峰を見つめる。
「……あの、今度、いつお休みですか?」
「え?あ、明後日の日曜日は休み」
美峰がそう答えると、優星は考えてから美峰を見つめた。
「明後日の休みってもう予定入ってます?」
優星の言葉に、美峰は自然と首を振った。
平日の休みはまだ何かしら予定を入れて行動するが、土日が休みの時は人混みも多いので寝て過ごすことが多かった。
「あの、良かったら、動物園一緒に行ってくれませんか?柊木さんが一緒なら明星も喜ぶし」
突然の誘いの言葉に美峰は戸惑う。
「でも明日行く約束してるんでしょ?明星君、明日行くの楽しみにしてるんじゃない?」
なぜ突然自分のことを誘うのか、美峰には優星の気持ちが理解できなかった。
「1日伸びるだけだし、柊木さんが一緒の方が、もっともっと明星も喜びます、きっと」
にっこり笑って優星が言うと、美峰はその笑顔に引き込まれて断れなかった。
と、言うより、美峰も優星と一緒に休日を過ごしたかった。
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