僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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恋人同士になっちゃいました。

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帰りの会の後、教室で明星と隆は、担任麻田と3人で椅子に腰掛けて顔を付き合わせる。

「正直、前からちょっと気にしてました。中野君が葉山君にちょっかいを出してるって聞いてたから。それを僕がちゃんと目撃できて良かったかな。お互い、喧嘩まではしてないようだけど、どうなのかな?」

隆は尋ねられて下を向く。

「何が気に入らないのかな?先生に話すのはイヤ?」

優しい口調で麻田は隆に尋ねる。

「………別に、気に入らないとかじゃなくて、なんかちょっとムカつく。女子とか大人しい奴としか仲良くしないし、変なやつと手を繋いで学校来たりさ」

むくれて頬を赤くして隆は言う。

「美峰君は変なやつじゃない!」

明星は隆に抗議する。隆は真っ赤になってムッとする。
隆が明星と仲良くしたかったのに、キッカケがなくて寂しかったのかな、と麻田は思った。

「中野君は葉山君と仲良くしたくて、それをうまく表現できなくてちょっかいかけてたみたいだよ」

麻田が代弁すると、隆は図星で反論できない。

「僕だって仲良くしたいです。隆君とは幼稚園から一緒だったし」

明星が言い返すと隆は明星を見る。

「仲良くしてくれるのかよ!」

ムキになって隆は尋ねる。

「意地悪しなければね!」

明星がムキになると隆は真っ赤になって頷く。

「……………仲良く遊びたい」

素直に隆は言う。

「美峰君のこと謝って!変なやつじゃないもん!僕の大事な人だもん!にーちゃんやおばあちゃん、おじいちゃんと同じくらい大事な人だもん!」

更にムキになって明星が言うと、隆は明星に頭を下げた。

「変なやつって言ってごめん。明星と仲良くしてて羨ましかった」

隆の気持ちを聞いて明星はホッとした。

「仲良くしてね」

明星が言うと、隆は嬉しそうに明星を見る。

「俺んちに遊びにこいよ!ゲームもいっぱいあるし!」

目を輝かせて隆は言う。

「宿題もちゃんとするよ」

明星の言葉に隆は悲しそうな顔で明星を見る。

「それと、にーちゃんが良いって言ったらだけどね」

ちょっと心配そうに明星が言うと、隆もうーんと考えている顔になる。

「多分、大丈夫だと思うけど」

明星が付け加えると、隆はパァっと笑顔になった。
そのふたりの姿に麻田もホッとする。

「よーし、じゃあ、これで仲直りな。遅くなる前に帰ろう」

麻田が立ち上がると、明星と隆もランドセルを背負って教室を出た。
ふたりが笑いながら廊下を歩いていく姿を麻田は見守ると、明星と隆の保護者にも報告しなければと思った。
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