僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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夏休みを満喫してます。

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次の日も晴天で絶好のプール日和。
想像通り、駐車場は直ぐに満車で、入りきれない車は臨時駐車場に誘導されていた。
明星は、もう膨らましていた浮き輪を持って更衣室で水着に着替えた。

「にーちゃん!早くー」

「待て待て。これ塗っておかないと後で大変だぞ!」

優星は明星の顔と全身に日焼け止めを塗った。

「美峰、塗ってやるよ。肌白いから真っ赤になるよ」

美峰は優星の逞しい水着姿を見てドキドキする。

「だ、大丈夫!あ、明星君に塗ってもらう!」

優星に塗られたら感じてしまいそうで怖かった。
真っ赤なまま、美峰は逆に優星の背中に日焼け止めを塗り、美峰の背中は明星が見様見真似で塗った。

「全く。俺が全身たっぷり塗ってあげたのに」

優星が耳元で囁く。美峰は真っ赤になって優星を恨めしそうに見る。

「ねぇ!早く行こうよ!プール入りたい!」

ブーブー怒りながら明星が言うと、ふたりは慌てて明星とプールに向かった。

「うわッ!激混み!」

あまりにも混んでいて、思わず優星は言葉が出てしまった。
流れるプールは芋洗い状態で、ウォータースライダーも長蛇の列だった。
明星は浮き輪を持って流れるプールの中に入ろうとするので、見失わないように美峰は浮き輪に掴まった。

「優星君!」

人混みをかき分けながら優星も追いついてきて、明星だけがプカプカとご満悦でプールに流されていた。

「あっちの波のプールも行ってみよう」

優星がそちらに指をさすと、明星も浮き輪を抱えたまま次から次へと移動する。
全く元気だなと、美峰は明星を見ながら思ってしまった。
昼食はラーメンとフランクフルトを買って空腹を満たして、明星が満足するまでプールに浸かった。
午後も3時過ぎになると、帰る客も増えてきた。

「明星、どうする?まだ遊ぶか?」

日焼け止めを塗っても流石に多少は日焼けをするので、美峰は特に肩の辺りが真っ赤になっていた。

「もうちょっとプールにいたいよ」

飽きることを知らない明星は、まだまだ元気いっぱいで、流石に美峰が1番最初にぐったりしてきた。

「優星君。帰り僕が運転するから、明星君といっぱい遊んであげて。僕、少し休むよ」

流石に体力の限界と、パラソルの下で美峰は休むことにした。
明星も流石に美峰にわがままが言えず、優星とプールをハシゴすることにした。

「にーちゃん。美峰君大丈夫かなぁ。なんか疲れてたよね」

その原因の一部が昨夜の自分とは言えず、優星は笑って誤魔化す。

「休めば大丈夫だよ。それより日に焼けたなぁ。だいぶ黒くなったぞ」

優星が笑いながら明星に水をかけた。明星も仕返しと優星に水をかける。

「学校のプールもいっぱい行ってたからね!僕が1番黒くなったかも」

下地が出来ている明星は、日焼け止めの効果もあって痛くはならないだろうが、美峰はきっと、真っ赤になったところが痛くなるかもと優星は思った。
明星が満足すると美峰の元にふたりは戻った。
濡らしたタオルで冷やしながら美峰は横になっていた。

「美峰君、大丈夫?」 

心配そうに明星が尋ねる。

「大丈夫だよ。休んでたら楽になったし。それより楽しめた?」

美峰が微笑むと明星はホッとする。

「うん!見て見て、焼けたでしょ?」

明星が水着を少し擦り下ろして水着の境を見せる。

「本当だ!僕も焼けたかな」

美峰まで擦り下ろそうとすると優星が慌てて咳き込む。ハッとして真っ赤になって美峰はその手を止めた。
更衣室に戻ると優星はムッとしながら美峰を見る。

「…………怒んないでよぉ」

項垂れて美峰が優星に囁く。

「怒るよ!もう!誰にも見せたらダメなの!」

不機嫌に嫉妬する優星に、美峰は怒られたくせに嬉しくて堪らなかった。
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