トライアングル

茉莉花・素敵な女性

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「茉莉花さん、半年前に、そう言う業界の人と会ってない？久利からちょっと聞いたんだけど、茉莉花さんの先輩って人、雑誌の編集とかしてない？」

さっきの穏やかさが消えて、しほなさんの目が怖かった。
敵視とは違くて、なにかを探るような目。でもしほなさんに言われてあたしは思い出した。
先輩は転職して、編集の仕事をしてると言った。

「まさか、先輩が？」

あたしは声が震えた。
相談に乗ってくれた優しい先輩が犯人？

「茉莉花、そいつしか思い当たる節がないんだよ。タイミング的にも」

久利が私に言った。あたしはガクガク震えた。
信じられなかった。どうして先輩がそんな事をする理由があるのか。

「茉莉花さん、その先輩、近藤雅人って言わない？この人じゃない？」

しほなさんがスマホの写真をあたしに見せた。