100 / 127
しほな・テキーラサンライズ
3
しおりを挟む
「一瞬、口説かれたのかと錯覚しました」
意地悪な瞳でマスターは私に言った。本当に妖し過ぎて、その瞳に吸い込まれそう。
「残念ながら、そんなに私は恋愛経験豊富じゃないので、マスターを口説くなんて10万年早いです」
私が言うと、マスターはあははと笑った。少年みたいと思った。
「面白い方だ。初めて会った時の私のカンに間違いはなさそうです」
意味深な言葉をマスターは言う。
「私ってどんな印象?」
私が尋ねると、マスターは腕組みして、長い人差し指を薄く綺麗な唇に当てた。
「それはここで話すのは無粋です。語るとしたら、私の部屋のベッドで」
私はぷっと吹き出して「一瞬、口説かれたのかと錯覚しました」と、マスターのセリフをそのままおうむ返しをした。
マスターはまたあははと笑った。
周りの客やバーテンダーの旬くんは、そんなマスターをびっくりした顔で見る。
「こんなマスター初めて見るな。君は何者?」
常連であろうステキな紳士が堪らず私に話しかけてきた。私は何故か恥ずかしくなって恐縮した。
意地悪な瞳でマスターは私に言った。本当に妖し過ぎて、その瞳に吸い込まれそう。
「残念ながら、そんなに私は恋愛経験豊富じゃないので、マスターを口説くなんて10万年早いです」
私が言うと、マスターはあははと笑った。少年みたいと思った。
「面白い方だ。初めて会った時の私のカンに間違いはなさそうです」
意味深な言葉をマスターは言う。
「私ってどんな印象?」
私が尋ねると、マスターは腕組みして、長い人差し指を薄く綺麗な唇に当てた。
「それはここで話すのは無粋です。語るとしたら、私の部屋のベッドで」
私はぷっと吹き出して「一瞬、口説かれたのかと錯覚しました」と、マスターのセリフをそのままおうむ返しをした。
マスターはまたあははと笑った。
周りの客やバーテンダーの旬くんは、そんなマスターをびっくりした顔で見る。
「こんなマスター初めて見るな。君は何者?」
常連であろうステキな紳士が堪らず私に話しかけてきた。私は何故か恥ずかしくなって恐縮した。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
還暦妻と若い彼 継承される情熱
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる