元殺し屋の私が異世界憑依したら溺愛ルートが待っていた~醜い辺境伯と身代わり夜伽妻~

五嶋樒榴

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胸の高鳴り

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 クロードを拒否なんて出来ない。
 きっと、もう、私もクロードを1人の男として、好きになっているんだろう。

 私に素直に愛情を示してくれる。
 私を優しく包んでくれる。

 ミュルゲール家との関係を絶っても、クロードは私を受け入れてくれる。

 私は、もう1人で生きなくて良いの?

「フィリシア」

 クロードが私を優しく抱き締めながら髪を撫でる。
 私はクロードの胸に顔をうずめて、不思議なほど安らかな気持ちになっいる。

「フィリシアが私を受け入れてくれたら、私の両親に会いに行こう。フィリシアを紹介したい」

「えッ!あの、それは、侍女としてお供すると言う事ですよね?」

 聞きながら、違う意味な様な気もしている。

「違うさ。私の恩人で、愛している人だと紹介したい」

 クロードは良い笑顔でキッパリ言い放つ。
 やっぱりそっちの意味よね。

「仮面を作った事で、クロード様にとって私は恩人になったと言うのは分かるんです。でも、愛していると、ご両親に紹介はダメな気がします」

 クロードは、私のおでこにキスをする。

「ダメじゃないさ。さっきも言ったろう?フィリシアが、私を心から愛してくれるまで待つって」

「本当に、私で良いんですか?私はとても悪い女かもしれませんよ」

 フィリシアに転生するまでの私は、組織の殺し屋で死刑囚だったんだよ。

「どんな風に?」

 え?
 そう聞く?

「えーと、えーと」

 私は極悪人だったけど、フィリシアは善良な少女だったのよね。

「あはは。答えられないじゃないか。フィリシアは良い子だ。素晴らしく良い子だよ」

 私はなんだか胸がいっぱいになって来た。
 そう言ってくれるクロードが愛おしくて仕方ない。

 私はクロードの傷のある方の頬にキスした。
 傷を負ったせいで閉じたままの目にもキスした。

「……フィリシア」

「私も」

 もう、認めよう。

「私もクロード様を愛してます」

 私はもう素直になろう。
 フィリシアじゃなくても、ウォーレンだとしても、フィリシアとしてクロードを愛している。

「フィリシア、本当に?本当に私を愛してくれるのか?」

 クロードがエメラルドグリーンの瞳で私を見つめる。
 私はコクンと頷いた。

「私がクロード様に愛してるなんて、本当は言ってはいけない事だけど、私の中にクロード様がいっぱいになってるんです」

「フィリシア!」

 クロードはギュッと私を強く抱きしめる。

「嬉しいよ、フィリシア!フィリシアが私と同じ気持ちになってくれて」

 私はクロードの背中に手を回した。
 抱き締め合うと、もっと心も体も暖かかった。

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