鳴かない杜鵑-ホトトギス-(鳴かない杜鵑 episode1)

五嶋樒榴

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清らかな水

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バスルームに入ると、シャワーを浴びながら伊織は真幸に激しいキスをする。舌が真幸の口の中を蹂躙し続ける。

「お前、こんなに肌が白かったんだな。墨が映えて厭らしい身体だよ」

伊織が真幸の乳首を噛み付くようにしゃぶる。痛みを感じながらも真幸は我慢する。
伊織がだんだん下に下がっていき、真幸のモノを口に含む。

「いやだ、やめろ」

真幸は伊織の頭を離そうとしながら声を絞り出す。
伊織はお構いなしにしゃぶる。

「やめろッ!俺が、するから」

真幸の言葉に、伊織は口から外すと真幸を見上げる。

「女しか抱いたことがないお前に、男の×××なんてしゃぶれるのかよ」

笑う伊織。真幸は切ない顔で伊織を見る。

「しゃぶってやるから、教えてくれ。さっきの話の続きを」

伊織は立ち上がると真幸にまたキスをする。

「じゃあ、ベッドでたっぷりしゃぶってくれ」

真幸は諦めてバスルームから出るとバスローブを羽織った。伊織は腰にバスタオルを巻き、真幸のベッドルームに入った。
ベッドに伊織は仰向けで寝ると、真幸は伊織のモノを口の中に入れた。

「んッ!」

想像以上に、真幸がしゃぶり慣れていて伊織は驚く。

「お前、初めてじゃねーだろ。誰のしゃぶってんだよ」

真幸は答えず伊織に奉仕を続ける。

「いつから、こっち側の人間になった?誰に仕込まれたよ」

グッと頭を押さえられて真幸は息苦しい。それでも舌を使いながら、早く伊織が果てないかと懸命にしゃぶり続ける。

「……もういい。口から出せ」

真幸はそれでも口から離さない。

「離せって言ってんだろが!」

伊織が苛ついている。真幸は口を離した。

「ケツ、見せてみろよ」

真幸は下を向く。

「その前に教えてくれ。誰が俺を狙っているのか。久米か?それとも別なのか?」

伊織が真幸の顎を掴むと顔を上げさせる。

「何怯えてんだよ。らしくねーな、笑いながら半殺しにする真幸がよ。何を見られたくねーんだよ」

「お前に力で勝てるなんて思ってねーさ。いざとなったら俺を殺せるだろ?」

真幸が笑いながら言う。伊織は真幸を押し倒すと、足首を持って腰を上げた。

「!」

真幸は見られたくない場所を見られて何も声が出せなかった。

「……へぇ。なんだ、もう、ココ掘られてんのかよ」

疾風に愛してもらう場所を見られ、真幸は身体を硬くする。

「お願いだ。そこだけは、やめてくれ。そこ以外ならなんでも言うことを聞く。エンコ詰めても良い」

「誰だ、相手は」

真幸は答えない。

「舎弟か?」

真幸は首を振る。

「言えよ!突っ込むぞ、おらッ!」

真幸はとっさにその場所を手で隠す。

「頼む。無理なんだ、あいつ以外。ココはあいつ専用だから」

真幸が目を瞑って震えている。伊織は真幸の脚から手を離した。

「馬鹿野郎。惚気てんじゃねぇよ。やる気無くしたわ。いつからそんなにピュアな人間になったんだよ。ばぁか」

伊織はゴロンとベッドに寝る。

「……久米と進道だ。どっちがお前が言う黒幕かは分からんがな」

真幸は思った。どちらも五島と仲が良かったはずだ。

「俺を消して、極東組の組長の旨味はなんだ?」

「そうだね、お前のシマだろ。良いシノギになっているだろ。お前が狙われてるって知らなかったが、お前が死んで、お前の周りが失脚すれば、久米や進道がトップになれるって青写真が出来上がってんじゃね?」 

真幸は無言で頷く。

「……正直驚いたわ。敵対派じゃなかったからな」 

真幸は脱力して言う。
誠竜会の幹部を殺したのは、田嶋会系の鉄砲玉。
その時から計画は進められていたんだと真幸は思った。

「あーあ、消化不良だわ。帰る」

パッと伊織は起き上がる。

「お互い×××はしゃぶったけど、最後までしなくて良かったかもな」

あははと伊織は笑う。真幸も引きつって笑った。

「お前の男のナニ相当でけぇだろ。かなりガバガバなってたぞ」

伊織の言葉に真幸は真っ赤になって伊織に枕を投げつけた。伊織は枕を投げ返して笑う。
眼鏡をかけ身支度を終えると、伊織はマンションを出た。
自分の車には戻らず、ベンツの後部座席の窓を叩く。工が窓を開ける。 

「よう。ごくろーサン。お前達の頭とは話が終わったよ」

伊織は工とジュリを見つめる。

「良いねぇ。お前ら。特にそっちの嬢ちゃん。血に飢えたイイ顔してんじゃん」

ジュリはツンと顔を背ける。

「頭、死ぬ気で守れよ」

「貴方に言われなくても分かってます」

無表情で工が言う。

「んーん。お前じゃなさそうだな」

工を見て楽しそうにそう呟くと、伊織は立ち去って自分の車に戻った。
工は真幸に電話をかける。

『おう』

「今、こちらに田嶋さんが来ました。何かありましたか?」

心配そうに工は尋ねる。

『黒幕の目星が付いてきた。めんどくせぇ事になりそうだ。詳しい話は、飯塚組長に報告してからだ』

真幸が電話を切ると、田嶋と何もなかったんだと工はホッとした。
スマホをベッドに投げると真幸はうつ伏せで笑った。

「ガバガバだってよ。いつもヤルたびキツくて痛ぇのにさ」

真幸は疾風を思い浮かべて嬉しそうに幸せに浸った。
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