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第六話
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茉理の部屋で、絢斗は茉理に勉強を教えていた。
ひと段落して、絢斗は一哉の話を茉理にした。
「えー!」
茉理の素っ頓狂な大声に、こんな反応は想定内だったので絢斗は驚きもしなかった。
「そんなッ!一哉まで、そんなぁ」
茉理はそう言って絢斗を見る。
「なんで俺の周りの男は、女に不自由しないのに、あえて男を選ぶんだ!」
「それ、俺にも言ってる?」
ケロッとして絢斗が言う。
「お前を指して言ってるんだ!一哉だって、ずっと女の子にモテてたし、女の子と付き合ってたし」
「確かにな。あいつの方が俺より食ってた」
「そう言う言い方やめなさい」
真っ赤になって茉理は言う。
「九蘭か?九蘭来たのが悪かったのか?男子校だったのが悪かったのか?」
理解できなくて、茉理は学校のせいにする。
「関係ないだろ?つい最近まで、一哉は女子と遊んでたし」
言い方は悪いが、確かに一哉の方がプレイボーイではある。
手の届きにくいアイドルの絢斗に比べれば、頑張れば手に届いてくれるアイドルが一哉だった。
「疲れたんじゃね?あいつに群がってくる女子は、どっちかってーと肉食だったし、臨みたいなタイプはあまり近づいて来なかったしな。臨を見た時、めっちゃあいつの好みだと思ったし?」
そんな早い段階で、こうなることを絢斗は予想していたのかと、茉理はある意味引いた。
「思いっきり引いた目で見るな。仕方ねーだろ、好きになった相手が男だってだけだ。人類愛だ」
「それ、違うと思うが?」
茉理は自分に火の粉がかからないように牽制する。
「ちがくねーだろ。俺はずっとお前が好きで、でもお前が男だったってだけの話で」
「フツーに恋愛してください」
茉理の言いたい事は分かる。絢斗も別に腹は立たない。
「俺にしたらフツーだよ。お前はフツーじゃなくてもな。一哉や臨もフツーだ」
静かな絢斗の言い方に茉理はズキッとする。
「…………ごめん。言い方悪かった」
フツーという言葉を、何を基準にフツーと当たり前に言うのか。
価値観的な事に、気安くフツーと言ってはいけないと思った。
「でも、羨ましいかな。一哉と臨は両想いだからね」
フッと笑って絢斗は言う。
「さーて、どうなったかねーあのふたり。どうせ一哉の事だから報告なんてしてこねーだろうし。今頃、ヤリまくりだったり」
ふふふと楽しそうに絢斗は話すが、茉理は想像の域を超えていてキャパオーバーだった。
「スケベ!絢斗がそう言う事、サラッと言うとか考えてもみなかった!キャラ崩壊だよ!」
「そう?お前の前では素でいるだけだよ」
ニヤニヤして頬杖をついて絢斗は言う。
「確かにそうだけどさ」
それは正直嬉しいと素直に思った。
学校内では近寄り難い存在として有名な絢斗が、自分にだけはいつも素でいてくれる。
「それよりさ、俺と前の関係に戻ってどう?」
絢斗の言葉に茉理はドキッとする。
「いい感じ!やっぱりさ、ベタベタするのおかしいじゃん!友達なんだし!」
茉理はそう言いながら、胸がチクッとした。
「そっか」
絢斗は頬杖を付いたままジッと茉理を見つめる。
「じゃあ、俺も前に戻るわ」
冷静な絢斗の声に茉理はドキンとする。
「うん。ってもう前に戻ってるじゃん。スキンシップしなくなったし」
笑顔で言う茉理。
「じゃなくて、女に戻るって事。お前と付き合えないなら、女と付き合うしかないでしょ」
絢斗の言葉に、茉理の心臓はドクンドクンと音を立てる。
それが大きく響いて煩い。
「お前を忘れるために、他の女を好きになるって事じゃないから。ちゃんと好きになれる相手を探すって事。それがお前の言うフツーだしね」
嫌味を混ぜつつ、意地悪に絢斗は言う。
「ほら、俺はお前と違って、好きなタイプもちゃんと自覚してるし、これからは、合コンにも行くし」
「俺だって、好きなタイプあるよ!出会いがないだけでさ!」
ムキになって茉理は言う。
「へぇ。どー言うのがタイプ?」
絢斗はムカムカしながら茉理に尋ねる。
「さ、サバサバしてて、自分を持っていて、カッコいい感じの子!」
茉理のタイプを聞いて絢斗は目が点になる。
そして茉理のタイプを初めて聞いた気がした。
「い、意外、だな。大人しくて可愛い子だと思ってた」
想像と違って絢斗はそう言うと、そんな女子が今までいなかったと思い出す。
だから、茉理に彼女が出来なかったのかとある意味ホッとした。
「じゃあさ、合コンいく?」
ニヤッと笑って絢斗が言う。
「え?」
驚く茉理。
「そこでお互い、彼女つくろーや」
ひと段落して、絢斗は一哉の話を茉理にした。
「えー!」
茉理の素っ頓狂な大声に、こんな反応は想定内だったので絢斗は驚きもしなかった。
「そんなッ!一哉まで、そんなぁ」
茉理はそう言って絢斗を見る。
「なんで俺の周りの男は、女に不自由しないのに、あえて男を選ぶんだ!」
「それ、俺にも言ってる?」
ケロッとして絢斗が言う。
「お前を指して言ってるんだ!一哉だって、ずっと女の子にモテてたし、女の子と付き合ってたし」
「確かにな。あいつの方が俺より食ってた」
「そう言う言い方やめなさい」
真っ赤になって茉理は言う。
「九蘭か?九蘭来たのが悪かったのか?男子校だったのが悪かったのか?」
理解できなくて、茉理は学校のせいにする。
「関係ないだろ?つい最近まで、一哉は女子と遊んでたし」
言い方は悪いが、確かに一哉の方がプレイボーイではある。
手の届きにくいアイドルの絢斗に比べれば、頑張れば手に届いてくれるアイドルが一哉だった。
「疲れたんじゃね?あいつに群がってくる女子は、どっちかってーと肉食だったし、臨みたいなタイプはあまり近づいて来なかったしな。臨を見た時、めっちゃあいつの好みだと思ったし?」
そんな早い段階で、こうなることを絢斗は予想していたのかと、茉理はある意味引いた。
「思いっきり引いた目で見るな。仕方ねーだろ、好きになった相手が男だってだけだ。人類愛だ」
「それ、違うと思うが?」
茉理は自分に火の粉がかからないように牽制する。
「ちがくねーだろ。俺はずっとお前が好きで、でもお前が男だったってだけの話で」
「フツーに恋愛してください」
茉理の言いたい事は分かる。絢斗も別に腹は立たない。
「俺にしたらフツーだよ。お前はフツーじゃなくてもな。一哉や臨もフツーだ」
静かな絢斗の言い方に茉理はズキッとする。
「…………ごめん。言い方悪かった」
フツーという言葉を、何を基準にフツーと当たり前に言うのか。
価値観的な事に、気安くフツーと言ってはいけないと思った。
「でも、羨ましいかな。一哉と臨は両想いだからね」
フッと笑って絢斗は言う。
「さーて、どうなったかねーあのふたり。どうせ一哉の事だから報告なんてしてこねーだろうし。今頃、ヤリまくりだったり」
ふふふと楽しそうに絢斗は話すが、茉理は想像の域を超えていてキャパオーバーだった。
「スケベ!絢斗がそう言う事、サラッと言うとか考えてもみなかった!キャラ崩壊だよ!」
「そう?お前の前では素でいるだけだよ」
ニヤニヤして頬杖をついて絢斗は言う。
「確かにそうだけどさ」
それは正直嬉しいと素直に思った。
学校内では近寄り難い存在として有名な絢斗が、自分にだけはいつも素でいてくれる。
「それよりさ、俺と前の関係に戻ってどう?」
絢斗の言葉に茉理はドキッとする。
「いい感じ!やっぱりさ、ベタベタするのおかしいじゃん!友達なんだし!」
茉理はそう言いながら、胸がチクッとした。
「そっか」
絢斗は頬杖を付いたままジッと茉理を見つめる。
「じゃあ、俺も前に戻るわ」
冷静な絢斗の声に茉理はドキンとする。
「うん。ってもう前に戻ってるじゃん。スキンシップしなくなったし」
笑顔で言う茉理。
「じゃなくて、女に戻るって事。お前と付き合えないなら、女と付き合うしかないでしょ」
絢斗の言葉に、茉理の心臓はドクンドクンと音を立てる。
それが大きく響いて煩い。
「お前を忘れるために、他の女を好きになるって事じゃないから。ちゃんと好きになれる相手を探すって事。それがお前の言うフツーだしね」
嫌味を混ぜつつ、意地悪に絢斗は言う。
「ほら、俺はお前と違って、好きなタイプもちゃんと自覚してるし、これからは、合コンにも行くし」
「俺だって、好きなタイプあるよ!出会いがないだけでさ!」
ムキになって茉理は言う。
「へぇ。どー言うのがタイプ?」
絢斗はムカムカしながら茉理に尋ねる。
「さ、サバサバしてて、自分を持っていて、カッコいい感じの子!」
茉理のタイプを聞いて絢斗は目が点になる。
そして茉理のタイプを初めて聞いた気がした。
「い、意外、だな。大人しくて可愛い子だと思ってた」
想像と違って絢斗はそう言うと、そんな女子が今までいなかったと思い出す。
だから、茉理に彼女が出来なかったのかとある意味ホッとした。
「じゃあさ、合コンいく?」
ニヤッと笑って絢斗が言う。
「え?」
驚く茉理。
「そこでお互い、彼女つくろーや」
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