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第六話
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口を閉じてしまった茉理をつぐみはジッと見ている。
「つまらないなら、一緒に帰る?私も別に長居するつもりなかったし」
「え?」
驚いて茉理は聞き返す。
「ふたりで出ちゃえば、ああ、あいつらデキたんだって思ってくれるじゃん。辛いのにここにいる必要ないでしょ?」
つぐみの言葉に茉理はホッとして笑顔になる。
「ありがとう。でも後からつぐみちゃん、面倒な事にならない?俺と付き合い始めたとか、変な噂たつかも」
つぐみを心配して茉理は言う。
「別にいーよ。本当のことは、恋斗と理音が分かってくれれば」
爽やかな笑顔でつぐみは言う。
「恋斗と理音?」
「さっき言ってた私の大親友。とっても素敵な奴ら。そのふたりが側にいれば、私は何も怖くないし、何があっても良い。ふたりとも4月に出会ったばっかだけど、本当に大好きなんだ」
まだ知り合って間もないと言うが、つぐみとそのふたりの強い繋がりはなんだろうと茉理は思った。
その信頼関係が羨ましかった。
自分は生まれてからずっと一緒にいるのに、自分だって絢斗にされることが嫌ではなかったのに。
今は絢斗との信頼関係ができてないと思ってしまった。
「おい。お前らも歌えよ」
ずいっと、マイクを持った絢斗の腕が、茉理とつぐみの間に差し込まれた。
「お前らだけだし、歌ってねーの」
「絢斗だって歌ってないじゃん!」
真っ赤になって茉理が言う。
「俺、喉痛いから歌わないって言ってある」
ずりーと茉理は思った。
「あ、私も喉痛ーい。茉理君、飲み物取ってこよーよ」
つぐみはそう言って立ち上がる。
ここはフリードリンクで外に飲み物が置いてある。
「う、うんッ。そうだねッ」
つぐみがカラオケを出るつもりだと茉理も立ち上がる。
もう、帰ろうと思った。
自分には合コンは無理だし、女の子と付き合うのはまだ早いと言い聞かせる。
「絢斗くーん、早く戻ってよー」
女の子の声に茉理はドキッとする。
自分がここから出ても絢斗はここにいる。
ひとりで帰ったら、また絢斗ととの仲も拗れる。
だけど、これ以上、絢斗が女の子と仲良くしてるのも見ていたくない。
茉理は無意識に絢斗の手首を握った。
「!」
驚いた顔で絢斗が茉理を見る。
「……………絢斗もジュース取りに行こうッ」
真っ赤な顔で茉理はそう言うと、絢斗を引っ張って部屋を出た。
つぐみもついて来ていた。
「茉理?」
困惑して絢斗は茉理を見る。
「じゃあ、私、帰るね!茉理君、早く元気になってね」
つぐみはそう言うと手をひらひらさせてどんどん帰っていってしまう。
その姿にも絢斗は呆気にとられる。
「何?どうなってんのお前たち」
びっくりした顔で絢斗は茉理に尋ねる。
「合コンつまんないから、ふたりで帰ろうって話をしてたんだよッ」
真っ赤になって茉理は言う。
まだ絢斗の手首を茉理は握っているが、興奮している茉理はそれも気がついていない。
「ジュース取りに行くフリして逃げるつもりだったんだ。ナニ?あの子が気に入った?」
ニヤニヤして絢斗は尋ねる。
茉理が手首を握ってくれているのが堪らなく嬉しい。
「そんなんじゃない!気に入ったんなら、絢斗を連れ出したりしないだろッ!」
茉理が言いたい事は、絢斗はもう察しがついていた。
「じゃあなんで俺まで?」
茉理の言葉で絢斗は聞きたかった。
「……………絢斗を残すのが嫌、だったから」
膨れっ面で真っ赤になって茉理は言う。
「なんで残すのが嫌だった?」
まだ絢斗はニヤニヤしている。
「絢斗が女の子達と楽しそうにしてるからッ!」
茉理はそう言うと絢斗の手首をぎゅっと握る。まだ絢斗の手首を握っている自覚は茉理にはない。
無意識に握り続けていた。
「ズルいな、茉理は。俺の気持ち応えらんねーくせに、俺が女の子と遊ぶのは嫌なんだ」
意地悪な言い方を絢斗はする。
「ずるくても良いでしょ!嫌なのは嫌なんだから!」
自分でも本当にずるいなと茉理は分かっている。
それでも絢斗が自分以外と楽しそうなのが辛くて嫌だった。
「本当にズルい。ズルくて可愛すぎだろ」
フッと優しい顔で絢斗は笑いながら言う。
その笑顔を見ながら、ズルいのは絢斗だと茉理は心の中で思った。
「つまらないなら、一緒に帰る?私も別に長居するつもりなかったし」
「え?」
驚いて茉理は聞き返す。
「ふたりで出ちゃえば、ああ、あいつらデキたんだって思ってくれるじゃん。辛いのにここにいる必要ないでしょ?」
つぐみの言葉に茉理はホッとして笑顔になる。
「ありがとう。でも後からつぐみちゃん、面倒な事にならない?俺と付き合い始めたとか、変な噂たつかも」
つぐみを心配して茉理は言う。
「別にいーよ。本当のことは、恋斗と理音が分かってくれれば」
爽やかな笑顔でつぐみは言う。
「恋斗と理音?」
「さっき言ってた私の大親友。とっても素敵な奴ら。そのふたりが側にいれば、私は何も怖くないし、何があっても良い。ふたりとも4月に出会ったばっかだけど、本当に大好きなんだ」
まだ知り合って間もないと言うが、つぐみとそのふたりの強い繋がりはなんだろうと茉理は思った。
その信頼関係が羨ましかった。
自分は生まれてからずっと一緒にいるのに、自分だって絢斗にされることが嫌ではなかったのに。
今は絢斗との信頼関係ができてないと思ってしまった。
「おい。お前らも歌えよ」
ずいっと、マイクを持った絢斗の腕が、茉理とつぐみの間に差し込まれた。
「お前らだけだし、歌ってねーの」
「絢斗だって歌ってないじゃん!」
真っ赤になって茉理が言う。
「俺、喉痛いから歌わないって言ってある」
ずりーと茉理は思った。
「あ、私も喉痛ーい。茉理君、飲み物取ってこよーよ」
つぐみはそう言って立ち上がる。
ここはフリードリンクで外に飲み物が置いてある。
「う、うんッ。そうだねッ」
つぐみがカラオケを出るつもりだと茉理も立ち上がる。
もう、帰ろうと思った。
自分には合コンは無理だし、女の子と付き合うのはまだ早いと言い聞かせる。
「絢斗くーん、早く戻ってよー」
女の子の声に茉理はドキッとする。
自分がここから出ても絢斗はここにいる。
ひとりで帰ったら、また絢斗ととの仲も拗れる。
だけど、これ以上、絢斗が女の子と仲良くしてるのも見ていたくない。
茉理は無意識に絢斗の手首を握った。
「!」
驚いた顔で絢斗が茉理を見る。
「……………絢斗もジュース取りに行こうッ」
真っ赤な顔で茉理はそう言うと、絢斗を引っ張って部屋を出た。
つぐみもついて来ていた。
「茉理?」
困惑して絢斗は茉理を見る。
「じゃあ、私、帰るね!茉理君、早く元気になってね」
つぐみはそう言うと手をひらひらさせてどんどん帰っていってしまう。
その姿にも絢斗は呆気にとられる。
「何?どうなってんのお前たち」
びっくりした顔で絢斗は茉理に尋ねる。
「合コンつまんないから、ふたりで帰ろうって話をしてたんだよッ」
真っ赤になって茉理は言う。
まだ絢斗の手首を茉理は握っているが、興奮している茉理はそれも気がついていない。
「ジュース取りに行くフリして逃げるつもりだったんだ。ナニ?あの子が気に入った?」
ニヤニヤして絢斗は尋ねる。
茉理が手首を握ってくれているのが堪らなく嬉しい。
「そんなんじゃない!気に入ったんなら、絢斗を連れ出したりしないだろッ!」
茉理が言いたい事は、絢斗はもう察しがついていた。
「じゃあなんで俺まで?」
茉理の言葉で絢斗は聞きたかった。
「……………絢斗を残すのが嫌、だったから」
膨れっ面で真っ赤になって茉理は言う。
「なんで残すのが嫌だった?」
まだ絢斗はニヤニヤしている。
「絢斗が女の子達と楽しそうにしてるからッ!」
茉理はそう言うと絢斗の手首をぎゅっと握る。まだ絢斗の手首を握っている自覚は茉理にはない。
無意識に握り続けていた。
「ズルいな、茉理は。俺の気持ち応えらんねーくせに、俺が女の子と遊ぶのは嫌なんだ」
意地悪な言い方を絢斗はする。
「ずるくても良いでしょ!嫌なのは嫌なんだから!」
自分でも本当にずるいなと茉理は分かっている。
それでも絢斗が自分以外と楽しそうなのが辛くて嫌だった。
「本当にズルい。ズルくて可愛すぎだろ」
フッと優しい顔で絢斗は笑いながら言う。
その笑顔を見ながら、ズルいのは絢斗だと茉理は心の中で思った。
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