すいぎょのまぢわり

五嶋樒榴

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第七話

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昼休みにいつものように一哉と臨が、茉理と絢斗の教室にやってきた。
臨はお弁当を出すと、一哉に箸を渡す。
いつもの光景なのだが、何故かいつもよりも臨の行動が茉理には甲斐甲斐しく見えてしまう。

「一哉、美味しい?」

臨がニコニコして一哉に尋ねる。

「うん。美味しいよ」

一哉も旨そうにパクパク弁当を食べ進めている。
茉理はボーとふたりを見ながら、おにぎりに口をつける。

「それ、中身なに?」

絢斗が不意に話しかけてきた。

「え?あ、シャケだよ」

茉理が答えると、絢斗は茉理がおにぎりを持つ手を掴んでパクッと食べた。

「本当だ」

絢斗がそう言ってモグモグする。
茉理と絢斗の仲の良さに、臨がドキドキしながら見つめる。

「あー!なんだよー!シャケ、なくなってるー!」

茉理が絢斗に、シャケの部分をごっそり食べられたことに腹を立てる姿に、臨は思わず笑ってしまった。

「もうッ!絢斗の馬鹿野郎」

プリプリしている茉理が可愛くて臨はつい見つめてしまった。

「ったく。ほら、唐揚げ」

絢斗が箸に持った唐揚げを茉理に食べさせる。
その姿に、臨はもうキュンキュンしてたまらない。

「一哉!」

臨は自分も、自然に一哉にアーンをしてあげようと意気込む。

「なに?」

一哉はパクパク食べている。臨は弁当箱の中を見て手が止まった。

「ちょッ!もう何も残ってないじゃん!なんでひとりで勝手に食べたの!」

臨が怒り出して一哉は意味がわからない。

「え?だって、これ、俺の分だよね?臨の分、まだ残ってるよ?」

恐る恐る一哉は言う。
臨は仕方なしに、自分の分の卵焼きを箸で摘むと、一哉に向かって卵焼きを差し出した。

「これ、あげるッ」

どうしてもアーンがしたい臨。一哉は真っ赤になりながら臨に卵焼きを食べさせてもらう。
その光景を茉理と絢斗がニヤニヤして見ている。

「な、なにニヤついてんだッ!」

真っ赤になって一哉が言う。

「だってさぁ。アーンてしてもらってさぁ。子供みてぇ」

ケラケラ笑う茉理。
真っ赤になる一哉と臨。
 

あれ?
おかしいな。
茉理だって絢斗にアーンしてもらって唐揚げ食べたよね?
おにぎりだってお互いに口つけてたのに、なんて僕たちを冷やかすの?


同じ状況のはずなのに、何故か揶揄われる一哉と臨。

「絢斗、ウインナーも欲しい」

茉理が催促すると、絢斗は再び茉理に食べさせる。
だが、すごく自然で恥ずかしさがない。

「茉理!絢斗!今日から師匠と呼ばせて!」

臨の言葉に、茉理と絢斗がポカンとしたのは言うまでもない。
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