すいぎょのまぢわり

五嶋樒榴

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第十話

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昼休み、狼とライオンは、仔猫と仔ウサギを見て思う。

「思ったんだが、俺たち、あいつらに弄ばれてないか?」

狼がポツリと呟いた。

「確かにな。それだけ大事だから仕方ないんだけどさ」

ライオンも諦めながら言う。

「ねぇねぇ。あのふたり、なんか疲れてない?」

仔ウサギが仔猫に囁く。

「ん?そう?疲れてるなら俺の方だよー」

仔猫がつい愚痴る。

「どうしたの?何か疲れることあった?」

仔ウサギに尋ねられて、仔猫はしまったと言う顔をする。
狼とキスしたせいで、夜中眠れなくなったとは言えない。

「えーと、勉強のし過ぎかなぁ」

そう言って仔猫は誤魔化す。

「そうなんだ。僕は逆に勉強に身が入らなくて。直ぐに一哉が浮かんで恥ずかしい」

真っ赤になって言う仔ウサギが可愛いと仔猫は微笑む。

「もうッ!臨、直ぐ惚気るからなぁ」

「そんなことないよぉ」

恥ずかしがりながら仔ウサギは、仔猫に必死になって否定する。
戯れ合う仔猫と仔ウサギの姿を見つめる狼とライオン。


くっそぉ。
何してても可愛いじゃねーか!


ふたりして同じ事を思いながら、それぞれ仔猫と仔ウサギが美味しそうに見えて、かぶりつきたくなるのを必死に抑えるのだった。
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