すいぎょのまぢわり

第十一話

６

夜、勉強をしに茉理の部屋に来た絢斗。
夕方の、サンダーズからの帰りの出来事に、つい顔がにやけてしまう。
茉理が可愛くて仕方がない。

「まーつり。イチャイチャしたい」

茉理をベッドに押し倒す絢斗。

「ちょっ！勉強が先だろッ！」

焦りながら絢斗を跳ね除けようとするが、本気で抵抗してないのであっさり組み敷かれる。

「無理ー！イチャイチャしないと勉強教えられないー」

真っ赤になってる茉理を組み敷きながら、絢斗は茉理をジッと見つめる。
可愛くて仕方なくて、今すぐ食べてしまいたい。

「茉理。大好きだよ。これからもずっとね」

真剣な告白に、真っ赤になって恥ずかしい茉理。
絢斗の腕をギュッと握って、ジッと見つめる茉理。

「お、俺も、めっちゃ好きッ。これからも、ずっと」

恥ずかしくて声が上擦る茉理。
茉理も同じ気持ちなのが絢斗は嬉しい。
素直に好きと言ってくれる茉理が愛おしくて堪らない。
これからも向葵のように、茉理を狙ってくるハイエナがいようとも、ずっとずっとこの気持ちは揺るぎないと確信した。
絢斗にとっては茉理が大切で、茉理を失うことなど考えられないから。

「なぁ、たまには今日みたいに、嫉妬してくれる？」

絢斗はそう言うと茉理に覆いかぶさり、ほっぺにちゅーをする。

「ひゃっ！…………………やだッ！したくないッ！」

恥ずかしくて照れながらもムッとする茉理。

「なーんで？」

ニヤニヤする絢斗。

「だって、嫉妬すると、絢斗が大好きだって、胸が苦しくなるんだもん！」

茉理の告白にびっくりして動きが止まる絢斗。

「ったく…………………煽るなよ」

真っ赤な顔で目を潤ませている茉理を見つめながら、絢斗はゆっくり茉理に顔を近づける。
茉理も絢斗の顔が近づくにつれ、ゆっくり目を瞑る。
触れ合う唇。
ふたりの幸せな時間が始まった。