すいぎょのまぢわり

五嶋樒榴

文字の大きさ
上 下
62 / 85
第十二話

しおりを挟む
「やぁ……………ダメッ!……………絢斗……………ズルいッ!……………そんなところに……………んッ!んッ!」
 
「茉理。気持ち良い?ここ、凄いよ。コリコリしてる。押すのと揉むの、どっちが良い?」

茉理の耳元で囁く絢斗。

「ひゃあッ!……………耳に息、かかるッ!……………痛いッ!もっと、優しくしてッ。押されると……………凄いのッ!んッ!……………あッ!」

悶えながら、目を潤ませる茉理。

「こっちは?ここも気持ち良いんだろ?こんなに張って、硬くして」

「だってッ!だってッ!あッ!痛いのに気持ち良いよぉ!もっと、そこッ!そこが良いのッ!」

ハァハァと息を乱す茉理。
絢斗も背後から激しく責めまくる。

「あッッ!……………そこ、熱くなってきたぁ」

「こんなに硬くしやがって……………。でも、だいぶ解れてきたな」

絢斗はそう言うと、茉理のお尻をペチッと叩いた。

「もう終わりッ!」

「……………ありがとうぉ。やっぱり絢斗は肩揉み上手いねッ!」

ベッドにうつ伏せになってニッコニコで笑う茉理。
仏頂面の絢斗。

「ッたく、運動不足なんだよッ!勉強しすぎると肩凝るとかどんだけ肩に力入れてんだッ!」

「仕方ないでしょ!期末テスト大変なんだからッ!」

グズグズ言う茉理。
絢斗は茉理の背後に覆いかぶさる。

「勉強教えて肩揉みまでって、お前はどこの王子だ。見返りは期待して良いんだろうな?」

絢斗は茉理の耳元で囁いて、耳朶を指で摘む。

「……………分かってるッ!だからどいて」

絢斗が茉理から離れると、茉理は起き上がり絢斗に抱き付く。

「え?これだけ?」

不満な声を出す絢斗。
茉理は絢斗の頬を両手で包むと唇をくっつけて、初めて絢斗が望むようなキスをする。
舌が絡まり合うと絢斗はその舌を離すまいと吸う。
少しずつ、茉理がキスに対しては抵抗なく慣れてきてくれたんだと嬉しくなる。

「……………好きだよ」

珍しく茉理から言ってくれて嬉しいが、絢斗の身体は悲鳴を上げそうなほど興奮している。
キスだけじゃなく、もっともっと先に進みたい。


あー!
俺がマッサージしたいのは肩じゃない!


天真爛漫な茉理の笑顔を見ながら、絢斗の心の中は大号泣だった。
しおりを挟む

処理中です...