すいぎょのまぢわり

五嶋樒榴

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第十二話

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その数日後から始まった期末テスト。
それさえ無事終われば夏休み。
日々、テストとテスト勉強と戦う。

「……………終わったぁ。なんとか終わったよー」

期末テストを終えてグッタリの仔猫。机に顔をうずめる仔猫の頭を良い子良い子と撫でる仔ウサギ。

「とりあえず終わったな。まぁ一哉と臨は余裕だろ?問題は茉理だな。お前、物理大丈夫か?」

九蘭は厳しい高校なので、50点以下は追試。いわゆる赤点となってしまう。
そうなると、夏休みも補習と追試が待っている。

「って言うか、なんで数学と物理苦手なのに、理系受けたの?文系受ければ良かったのに」

仔ウサギが尋ねると、仔猫は狼を見る。

「だって絢斗が、理系なら勉強教えてくれるって言うからッ。中学までは数学もそこそこ点数取れたし、歴史が苦手だったし」

なるほどと仔ウサギは思った。

「洗脳だよなぁ、絢斗。お前がガキの頃から、自分の得意分野茉理に教え込んでたんだろ?」

ニヤニヤしながらライオンは言う。

「ったりまえだろ。茉理と同じ高校行きたかったしね」

狼はそう言って仔猫に微笑む。仔猫は真っ赤になって照れる。

「でもさ、この先はどうするんだ?まぁ、まだ先の話だけど、絢斗は将来医者になるんだろ?」

ライオンが尋ねる。
絢斗の家は代々続く外科医の家系。母親の実家も病院で、先日帰国して来た母親の弟の莞爾も、今は総合病院の医師に落ち着いている。

「まぁな。上手く国立の医学部に入れれば良いんだけどねー。そう言う一哉と臨は?」

今度は絢斗が尋ねる。

「俺は外交官目指してるからねぇ。国立の法学部狙い」

スケールが違うなぁと眺めている仔猫と仔ウサギ。
ふたりなら東大合格間違いなしだなぁと2匹は思った。

「臨と茉理は家を継ぐんだろ?」

一哉が2匹に尋ねる。
仔猫の父は世界的に活躍するIT企業の社長であり、仔ウサギの父は、国内外のラグジュアリーホテルのホテル王。

「俺がお父さんの仕事継ぐのはまだまだ先だよぉ。継げるかも分かんないけど」

仔猫が先に答える。

「僕は、体弱いし、世界を飛び回ってなんて無理だから、家を継ぐのは弟だよ。僕は一哉のサポート役になる」

仔ウサギはモジモジしながら答えてライオンを見る。
大学もその先も、ライオンと一緒にいたいアピールに、ライオンも気がつき嬉しそうに笑い仔ウサギとライオンは見つめ合う。

「絢斗はずっと日本にいる?カンちゃんみたいに海外行かない?」

心配そうに仔猫が狼に尋ねる。

「それはねーな。茉理と離れたくないし」

そう言ってにっこり微笑む狼に、仔猫も恥ずかしくなる。

「ずっと、みんなで仲良くしていけると良いよね!」

希望を持って仔ウサギが言うとみんなは頷く。
ただ、大学生になったら、社会に出たら。
本当に今のまま過ごせるのかは、正直誰も分からない。
それぞれの道が、あと1年半で別れるのが現実だからだった。
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