すいぎょのまぢわり

五嶋樒榴

文字の大きさ
78 / 85
第十四話

しおりを挟む
「どーも、ご心配おかけしましたッ!」

次の日、ヘラヘラしながら一哉が臨を連れて茉理達の教室にやってきた。

「全く、ホントだぜ。新学期から何してんだよ」

絢斗が言うと一哉は頭を掻く。

「でもちゃんと仲直りできて良かったね。臨も悩んで熱出しちゃうし」

茉理に言われて臨も恥ずかしくなる。

「マジ、ごめん。とにかく急だったからお前らにも何も連絡できなくて。でも日本に帰ってからで良かったよ。向こうでこんな事になったらもっと大変になってた」

流石の一哉も今回のことは堪えたようだった。

「しばらく臨の言うこと聞いて大人しくしとけよ、肉食獣」

絢斗が揶揄うと一哉と臨は真っ赤になる。

「あ?何?病み上がりのくせしてヤったの?」

絢斗が驚いて言う。

「するかッ!しばらくお預けじゃッ!」

慌ててムキになって一哉は言うが、絢斗はどうかなぁと疑いのまなこで見る。
茉理は何のことか分からず相変わらずぽかんとした。
落ち着くと4人で昼食を取りながら、絢斗と一哉はホームステイの話で盛り上がる。

「臨、良かったね。やっぱりこうやって一緒の方が楽しいや。一哉とずっと仲良くしててよ」

茉理が臨に話しかける。

「うん。今回は本当に僕も反省してる。どこかで僕、コンプレックスがあったから。僕は結局男だし」

「臨?」

「……………一哉がいつか女の子に取られるんじゃないかって、そんな事いつも思っていたから」

確かにいつまでもこの関係が、一哉と臨、茉理と絢斗が続けていられるのか保証はない。
好きだと言う気持ちが、いつまで持続するのかも分からない。

「でもね、今回のことで、僕、意地張るのやめた。一哉と会えなくなるの嫌だし、一哉をサポートしていくって決めたんだもん。失いたくない」

臨の意思を聞いて、茉理は絢斗を見た。


いつまで。


今はまだ絢斗が恋人だと言う事に戸惑いもあるが、絢斗が自分から離れていくこともないと、何故か茉理は安心しきっている。
茉理は、絢斗を失うことなどないと思っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

【完結】後悔は再会の果てへ

関鷹親
BL
日々仕事で疲労困憊の松沢月人は、通勤中に倒れてしまう。 その時に助けてくれたのは、自らが縁を切ったはずの青柳晃成だった。 数年ぶりの再会に戸惑いながらも、変わらず接してくれる晃成に強く惹かれてしまう。 小さい頃から育ててきた独占欲は、縁を切ったくらいではなくなりはしない。 そうして再び始まった交流の中で、二人は一つの答えに辿り着く。 末っ子気質の甘ん坊大型犬×しっかり者の男前

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話

須宮りんこ
BL
【あらすじ】 高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。 二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。 そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。 青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。 けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――? ※本編完結済み。後日談連載中。

【完結】もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない

バナナ男さん
BL
唯一の仇名が《根暗の根本君》である地味男である<根本 源(ねもと げん)>には、まるで王子様の様なキラキラ幼馴染<空野 翔(そらの かける)>がいる。 ある日、そんな幼馴染と仲良くなりたいカースト上位女子に呼び出され、金魚のフンと言われてしまい、改めて自分の立ち位置というモノを冷静に考えたが……あれ?なんか俺達っておかしくない?? イケメンヤンデレ男子✕地味な平凡男子のちょっとした日常の一コマ話です。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...