すいぎょのまぢわり

五嶋樒榴

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第十四話

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茉理の部屋で、茉理のベッドに絢斗が寝っ転がって漫画を読んでいる。
茉理はデスクチェアに座ってやはり漫画を読んでいる。

「臨を不安にさせる一哉が悪いんだよ。今回のことは全部あの肉食獣のせいだ」

絢斗がそう言い放つと茉理は笑う。

「仕方ないよ。それだけ心配なんだよ。臨って一歩下がっちゃうところ有るから」

分かったようなことを言うので絢斗は笑う。

「ところで茉理。気がつけば俺たち何も進展してないよな?」

今日こそはと言うつもりの絢斗。
夏休みも、向葵の別荘から帰ってバタバタとしているうちにお盆になり、それぞれ祖父母の家に行ったりと、あまりゆっくり2人きりでは過ごせなかった。

「約束だろ?赤点もなかったんだし」

ニヤニヤして茉理をロックオンする絢斗。
茉理は真っ赤になってどうして良いか分からない。

「恥ずかしいよ」

ワイシャツの胸の辺りをギュッと握って絢斗が見れない茉理。

「なーにが。恥ずかしいのは一瞬だ!もう、俺、十分待ったよな?」

絢斗が起き上がって茉理に近づく。
茉理の腕を握ると、茉理をベッドに押し倒した。

「け、け、け、け、んとッ!」

焦る茉理。茉理に覆いかぶさり茉理を見つめる絢斗。

「キス以上、もう良いだろ?」

真剣な絢斗の瞳に自分が映っていて恥ずかしくて堪らない茉理。

「キ、キス、以上って、どう言うの?」

「秘密」

「秘密って!ヤダよ!教えろよ!心の準備だってまだなのにッ!」

「口で説明したって余計恥ずかしくなるだけだろ?茉理は俺に委ねれば良いんだ」

もう何を言っても絢斗はやめてくれそうにないと茉理も思った。
恋愛経験は絢斗の方が豊富なのだから、絢斗の言う通り委ねていればいいのだろうが、それじゃ茉理も男としてのプライドが許せない部分が出てくる。

「じゃあッ!俺がするッ!俺が絢斗にするッ!」

真っ赤になって目を潤ませながら茉理は言う。

「却下。俺がしたい」

絢斗はそう言うと茉理に体重を預けて抱きしめる。
直ぐに唇を塞がれて、茉理は抵抗しても絢斗はびくともしない。
このまま流されてしまうのかと思うと茉理は納得がいかない。

「絢斗ッ!待って!ストップ!」

ハァハァ息を乱して茉理は絢斗の胸に抱きつく。

「………………そんなに嫌なの?俺とそう言うことしたくない?」

絢斗の低い声に茉理は首を振る。

「もう!わかんないよッ!」

絢斗の胸に顔を埋めながら、茉理は絢斗を強く抱きしめた。
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