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「しかし、発見された朱鷺子さんが屍蝋化していたとは驚きました」

ニュースでその報道を聞き、大知からも詳細を聞き、あまりにもレアケース過ぎて健も鳥肌が立ったのだ。

「前に土壌の話をしましたよね。麗花の叔母さんと東田が埋まっていた場所も粘土質で水捌けが悪く、その分土中の水分は潤沢だったんです。それに空気に触れる事もなかった様です。真夏でも涼しく、冬は氷点下まで気温が下がる事で保存状態が良かった。と言っても、麗花の叔母さんが屍蝋化出来たのは奇跡に近いものだったようです。かなり深く土の中に埋められた事と、それらの環境条件が偶然に重なり作り出されたのでしょう」

四年の月日がもたらした真実。
朱鷺子も全てが腐敗して白骨になっていたならば、扼殺時の指紋も発見されなかったかもしれないと健は思った。

「朱鷺子さんのご主人だった東田さんは、腐敗し白骨化になっていたそうですね」

「流石に麗花の……ミラの力では、硬い土を深く掘る事はできなかったようで、今回発見されたのも、たまたま秋から続いた長雨で土砂が削られて、東田の遺体の一部が露出したから猟犬が見つけたんです」

それでもその間ずっと発見されなかったのは、人がほとんど訪れる場所でなかったことと、埋めた後の猟の解禁時には、異臭も消え去っていたのだろうと清太は語った。

「この先、三国さんはどうされるんですか?」

麗花の事件の影響で、東京の就職も白紙に戻してしまっていた。

「……俺は、麗花とこの先も生きます。麗花にどんな判決が下ろうとも、俺は麗花を支えて生きていきます」

健は頷き、清太に出来るだけのことを協力したいと思った。
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