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●100万分の1●
4-2
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菜々緒が逸郎と出会ったのは、菜々緒が真古登からパパ活を強要され、何人かの男と出会った後だった。
今まで選んで出会った男達と同じで、性的関係を強要してくる感じもなく菜々緒はホッとした。
「俺さ、見た目こんな感じだし、彼女って今までいた事もなくてさ」
恥ずかしそうに初めての出会いで逸郎は言った。
確かにイケメンとは言えなかったが、逸郎の事は生理的に苦手なタイプではなかった。
37歳と言うのも、見た目通りだと感じた。
「俺の名前も教えてるし、マリンちゃんの本名、そろそろ教えてほしいな」
何度かデートをして逸郎は菜々緒に尋ねた。
菜々緒も下の名前だけなら教えても良いかなと思うほど、逸郎には警戒心がなかった。
「良いですよ。菜々緒って言います」
「菜々緒ちゃんか。可愛い名前だね。顔も可愛いし、ピッタリだね」
褒められて菜々緒は照れる。
「そうだ、今度群馬県の草津に行ってみない?」
「草津?」
「俺の地元なんだ」
地元と言われて菜々緒は警戒する。
知り合いに恋人だと紹介するつもりかと固まる。
「え、と。あまり遠出は……」
菜々緒はやんわりと断る。
「……そうだよね。ごめんね、調子乗って」
逸郎がガッカリすると、菜々緒は申し訳ない気持ちになってきた。
「あの……今までみたいに、都内でデートなら大丈夫ですから」
「うん!ありがとうね」
デートと言ってもタダではない。
こうして数時間をお金で買っているわけだから。
「これからも、いっぱいデートしようね」
「……はい」
逸郎は今まで働いていたお金を菜々緒に注ぎ込んだ。
それがそのまま真古登の物になっているとも知らずに。
そうして逸郎は、菜々緒に対して紳士的に振る舞い続けて信用を得ていった。
今まで選んで出会った男達と同じで、性的関係を強要してくる感じもなく菜々緒はホッとした。
「俺さ、見た目こんな感じだし、彼女って今までいた事もなくてさ」
恥ずかしそうに初めての出会いで逸郎は言った。
確かにイケメンとは言えなかったが、逸郎の事は生理的に苦手なタイプではなかった。
37歳と言うのも、見た目通りだと感じた。
「俺の名前も教えてるし、マリンちゃんの本名、そろそろ教えてほしいな」
何度かデートをして逸郎は菜々緒に尋ねた。
菜々緒も下の名前だけなら教えても良いかなと思うほど、逸郎には警戒心がなかった。
「良いですよ。菜々緒って言います」
「菜々緒ちゃんか。可愛い名前だね。顔も可愛いし、ピッタリだね」
褒められて菜々緒は照れる。
「そうだ、今度群馬県の草津に行ってみない?」
「草津?」
「俺の地元なんだ」
地元と言われて菜々緒は警戒する。
知り合いに恋人だと紹介するつもりかと固まる。
「え、と。あまり遠出は……」
菜々緒はやんわりと断る。
「……そうだよね。ごめんね、調子乗って」
逸郎がガッカリすると、菜々緒は申し訳ない気持ちになってきた。
「あの……今までみたいに、都内でデートなら大丈夫ですから」
「うん!ありがとうね」
デートと言ってもタダではない。
こうして数時間をお金で買っているわけだから。
「これからも、いっぱいデートしようね」
「……はい」
逸郎は今まで働いていたお金を菜々緒に注ぎ込んだ。
それがそのまま真古登の物になっているとも知らずに。
そうして逸郎は、菜々緒に対して紳士的に振る舞い続けて信用を得ていった。
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