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第三二幕。
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「――無関係な人に手荒な真似はよせって」
私が何も無い所に向かって告げると――。
『――ごめんなさイ、面倒臭い事になりそうだったのデ、つイ』
魔法による認識阻害を行なって存在を隠蔽していた、見えているのに見えない事になっている眼帯の女性から注意された――若干、呆れた表情で。
私は断固として断ったのだが、彼女だけは件の商人邸迄の道案内役として、無理矢理について来たのだった。
「紅が美人過ぎて目立つのが悪い」
「主人こそ、とっとと上空から襲撃すれば良かったのだ」
『――と、言うかですネ、御二方ハ、いつまで不毛な言い合いをなさるおつもりですカ? 真面目に遣って下さイ!』
私が倒れた衛兵二人を掴み上げ、元居た詰め所にきちんと座らせておく。
紅が煩いので、とっとと目的の商人邸へと足を運ぶ私だった――。
◇◇◇
人々が行き交う広場を介し、様々な露店が建ち並ぶ活気に溢れた繁華街の方へと案内してくれる眼帯の女性。
結構な人混みだと言うに、意にも介さず飄々と摺り抜けていき――。
『ここでス――』
――成金趣味が丸出しの、酷く下品な豪邸の少し前で立ち止って、目的の場所へと到着した事を告げた。
丁度その時だった――。
私達が見ている豪邸の前に、一台の馬車が停まった。
素早く物陰に隠れて息を潜め、様子を伺って見ていると――人相が大変良くない野盗崩れらしき人物が、荷車の方から何人か降りてきた。
「――さっさと降りろ、愚図共!」
「後でた~っぷり、気持ち良い事しようなぁ~、主にオレが。ひゃっはっはー」
愚図と罵られたのは、荷台から降りてくる数人の見目麗しい少女と幼い子供達。
薄汚れた質素な麻の布を単に被せられただけの、裸に近い格好をさせられている。
手枷と首輪を嵌められた上に、脚には重々しい鉄球を嵌められ痛々しい。
「あぅ……」
「さっさと立てよ、ウスノロ!」
足が縺れ転んだ幼女を助ける所か、容赦無く鞭打つ下衆な男。
「下衆め……」「紅、もう少しだけ待て」
見るに耐えない所業に怒りを露わにする紅。
跳び出そうとする所を制止した私。
こんな人々で賑わう繁華街、そのど真ん中で悪行三昧が平然と行わていると言うんだから、世も末だ。
「おい。大事な商品なんだ、程々にしておけ」
「へ~い、オラ! お前の所為で怒られちまったじゃねーかよ! こりゃあ、たぁ~っぷりと慰めてもらわねぇとなぁ、へっへ」
幼女の髪を掴み上げ、無理矢理に立たせる下衆な男は、そう言って麻の布に汚らしい手を入れ、弄りつつ鼻息を荒くした。
程なく、全員を荷台から下ろし終えると、皆が商人邸内へと姿を消していった――。
『どうやら買い付けの帰りだと思われまス』
眼帯の女性から、聞き捨てならない不穏当な言葉が発せられた。
「――買い付け?」
『はイ……。首輪の所に愛玩奴隷に付けられる品質表示の荷札が見受けられましたのデ、奴隷狩りでは無ク、この街の奴隷商から買い付けた商品かト」
「――人を何だと思っている!」
怒りに身を任せて壁を殴りつけたい所だったがぐっと堪える。
『それハ……やはり商品でしょうカ?』
言ったままに受け取ったらしく、そのままの意味で返された。
「嫌、そう言う意味で言ったのでは無いのだが……」
お陰でほんの少し冷静さを取り戻した私。
「――紅、彼女と一緒に少し下がっていてくれ。力を削ぐ魔導具を持ち出されるかも知れないし。そして君はその万一に備え、紅に付き従っておいてくれ」
「主人よ、儂も暴れたい。あの下衆共は許しがたい。万死に値する」
『紅様の擁護役、引き受けましタ――どうカ、鎮まり下さいまセ、紅様』
怒りを露わにして唸る紅を、私の指示に従った眼帯の女性が抑止して宥める。
二人を私の後ろに付き従わせ、何も言わずに玄関まで行くと、渾身の力でもって扉を殴りつけ吹っ飛ばした!
「――商人とやら! さっさと出て来い! 私の大切な友人を引き取りに来た!」
怒鳴りつける様に大声で呼びつける私!
「――何だテメェらは?」
「ヒュ~! こりゃまた、凄えぇ美人だな、おい!」
「何か何処かの阿呆が殴り込んで来たぞ~」
「ここへか? そりゃ~、阿呆だわ」
「命知らずにも程があるってもんよ」
「ざわざわ……ざわざわ……」
数十人の見るからに野盗の様な柄の悪い下衆共が、各々武器を手にわらわらと現れて、玄関口へと集まって来た。
「豪邸に相応しく無い、とても品のある優雅な佇まいの使用人が、沢山、出て来たな」
怒りの篭った嫌味たっぷりな口調で、下衆共に向けて告げる私。
繁華街のど真ん中にある、腐っても商人の豪邸。
もしも燕尾服に身を包んだ者が慌てふためき出迎えたなら、先ずは穏便に交渉してみるつもりだった。
――さっきの非道な振る舞いを目にする迄は。
――――――――――
気になる続きはCMの後!
チャンネルは、そのまま!(笑)
私が何も無い所に向かって告げると――。
『――ごめんなさイ、面倒臭い事になりそうだったのデ、つイ』
魔法による認識阻害を行なって存在を隠蔽していた、見えているのに見えない事になっている眼帯の女性から注意された――若干、呆れた表情で。
私は断固として断ったのだが、彼女だけは件の商人邸迄の道案内役として、無理矢理について来たのだった。
「紅が美人過ぎて目立つのが悪い」
「主人こそ、とっとと上空から襲撃すれば良かったのだ」
『――と、言うかですネ、御二方ハ、いつまで不毛な言い合いをなさるおつもりですカ? 真面目に遣って下さイ!』
私が倒れた衛兵二人を掴み上げ、元居た詰め所にきちんと座らせておく。
紅が煩いので、とっとと目的の商人邸へと足を運ぶ私だった――。
◇◇◇
人々が行き交う広場を介し、様々な露店が建ち並ぶ活気に溢れた繁華街の方へと案内してくれる眼帯の女性。
結構な人混みだと言うに、意にも介さず飄々と摺り抜けていき――。
『ここでス――』
――成金趣味が丸出しの、酷く下品な豪邸の少し前で立ち止って、目的の場所へと到着した事を告げた。
丁度その時だった――。
私達が見ている豪邸の前に、一台の馬車が停まった。
素早く物陰に隠れて息を潜め、様子を伺って見ていると――人相が大変良くない野盗崩れらしき人物が、荷車の方から何人か降りてきた。
「――さっさと降りろ、愚図共!」
「後でた~っぷり、気持ち良い事しようなぁ~、主にオレが。ひゃっはっはー」
愚図と罵られたのは、荷台から降りてくる数人の見目麗しい少女と幼い子供達。
薄汚れた質素な麻の布を単に被せられただけの、裸に近い格好をさせられている。
手枷と首輪を嵌められた上に、脚には重々しい鉄球を嵌められ痛々しい。
「あぅ……」
「さっさと立てよ、ウスノロ!」
足が縺れ転んだ幼女を助ける所か、容赦無く鞭打つ下衆な男。
「下衆め……」「紅、もう少しだけ待て」
見るに耐えない所業に怒りを露わにする紅。
跳び出そうとする所を制止した私。
こんな人々で賑わう繁華街、そのど真ん中で悪行三昧が平然と行わていると言うんだから、世も末だ。
「おい。大事な商品なんだ、程々にしておけ」
「へ~い、オラ! お前の所為で怒られちまったじゃねーかよ! こりゃあ、たぁ~っぷりと慰めてもらわねぇとなぁ、へっへ」
幼女の髪を掴み上げ、無理矢理に立たせる下衆な男は、そう言って麻の布に汚らしい手を入れ、弄りつつ鼻息を荒くした。
程なく、全員を荷台から下ろし終えると、皆が商人邸内へと姿を消していった――。
『どうやら買い付けの帰りだと思われまス』
眼帯の女性から、聞き捨てならない不穏当な言葉が発せられた。
「――買い付け?」
『はイ……。首輪の所に愛玩奴隷に付けられる品質表示の荷札が見受けられましたのデ、奴隷狩りでは無ク、この街の奴隷商から買い付けた商品かト」
「――人を何だと思っている!」
怒りに身を任せて壁を殴りつけたい所だったがぐっと堪える。
『それハ……やはり商品でしょうカ?』
言ったままに受け取ったらしく、そのままの意味で返された。
「嫌、そう言う意味で言ったのでは無いのだが……」
お陰でほんの少し冷静さを取り戻した私。
「――紅、彼女と一緒に少し下がっていてくれ。力を削ぐ魔導具を持ち出されるかも知れないし。そして君はその万一に備え、紅に付き従っておいてくれ」
「主人よ、儂も暴れたい。あの下衆共は許しがたい。万死に値する」
『紅様の擁護役、引き受けましタ――どうカ、鎮まり下さいまセ、紅様』
怒りを露わにして唸る紅を、私の指示に従った眼帯の女性が抑止して宥める。
二人を私の後ろに付き従わせ、何も言わずに玄関まで行くと、渾身の力でもって扉を殴りつけ吹っ飛ばした!
「――商人とやら! さっさと出て来い! 私の大切な友人を引き取りに来た!」
怒鳴りつける様に大声で呼びつける私!
「――何だテメェらは?」
「ヒュ~! こりゃまた、凄えぇ美人だな、おい!」
「何か何処かの阿呆が殴り込んで来たぞ~」
「ここへか? そりゃ~、阿呆だわ」
「命知らずにも程があるってもんよ」
「ざわざわ……ざわざわ……」
数十人の見るからに野盗の様な柄の悪い下衆共が、各々武器を手にわらわらと現れて、玄関口へと集まって来た。
「豪邸に相応しく無い、とても品のある優雅な佇まいの使用人が、沢山、出て来たな」
怒りの篭った嫌味たっぷりな口調で、下衆共に向けて告げる私。
繁華街のど真ん中にある、腐っても商人の豪邸。
もしも燕尾服に身を包んだ者が慌てふためき出迎えたなら、先ずは穏便に交渉してみるつもりだった。
――さっきの非道な振る舞いを目にする迄は。
――――――――――
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