10 / 11
第二部 オタクと中二病。

三十一痛 その上で更に脈絡なくメタ。

しおりを挟む
「真野氏。前回のアレはなんなんですか! 魔法でも魔術でもなく単なる物理攻撃じゃないですか! 子守唄は気持ち良く、男子高校生的にアリかもですけど! あそこからどうやって話しの展開を続けるか悩み、停滞したじゃないですか!」

 今回は俺がオコです、メタにオコです。

「前話よりだいぶ時間が空いたから。それはつまり時効よ」

 真野氏。そっぽを向いてムスッです。話数的に久し振りにムスッです。

「真野氏。そのメタな理由で、俺が納得するとでも?」

 だがしかし、俺は負けない。
 メガネ、クィッ! と、反論するも。

「はぁ? アンタ、馬鹿ァ? 私は魔王。つまり世界のルールは私。それで良いのよ」

 真野氏。両腰に手を添え、たわわを強調してのアンタ、馬鹿ァを披露します。いつ着替えたのか真紅のプラグなんちゃらにお召し替えになってのアンタ、馬鹿ァを披露です。


 どんだけエヴァン映画公開万歳ですか。


「真野氏。キャラデザが似てるのを良いことに、エヴァン映画公開万歳で眼帯ツンデレを真似るのは良いですが、その言い草はないかと」

 絵面などはないですが、色々と酷使してる真野氏ですので。

「い、良いのよ。私は魔王だから」「御意」

 真野氏。いつの間にか四つん這いの姿勢で置物と化していた執事さんを容赦なく片足で踏みつつ、たわわの前で腕を組んでのフンッです。プラグなんちゃらのボディライン浮き彫りのコスプレ姿の所為で、良い感じに輪郭が浮き彫りのたわわをめっさ強調する凶悪なあざとさでフンッです。オタクな男子高校生的に耐え難し迫力のフンッです。


 逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ……何から逃げちゃダメなのかは、一切、追求しないように。


「真野氏。魔王を便利に使わないで下さい。久し振りに続き書いてる筆者さん、たぶん頭を抱えて悶え苦しんでますよ? その証拠に新しい軍物? またそんななんか難しいのにトライして、無駄に晒し始めましたし」

 メガネ、クィッ! と叱責するも。

「そんな暇あったら続き早よ書けよって、コアな読者代表で言ってやるわ。それにいつも通りに底辺爆走して直ぐ飽きるわよ。無駄に格好つけての英語表記の表題だし。解り易く日本語で書けっての」

 真野氏。ここじゃない何処かに向けて、暴言を吐くフンッです。しかもかなり的を射てて、俺も微妙に同意せざるを得ないフンッです。

「真野氏。もう半分以上メタな漫才ですよ。とにかく続き始めましょうよ」

 このままではミイラですか? と、呪いの三輪車なノリまんまになってしまうので、メガネ、クィッ! っと面舵おっぱ――ゲフンゲフン。いっぱいと強制的に軌道修正を敢行。

「――そうね。カミングアウトするけど、私が真野真央なのか真の魔王なのかを曖昧にしてる理由は、ミステリアスな立ち位置でのヒロインやっつけてるからなのよ、実際。だから私の魔法はね、この世界では使えないのよ。正しくは“ 使ってしまったら物語が終わるから、使えないことにして使わない。 ”なのよね。おわかり?」

 真野氏。全く本筋に戻す気皆無でのおわかり頂きましたー。大袈裟に両腕を広げてのたわわドンッ! と不敵な微笑みでフッの組み合わせでおわかり頂きましたー。

 くっ……このままでは埒が明きません。
 物語的にもあきません……って、駄洒落ってる場合ではなく。

「真野氏。とにかく意図は理解しました。ですが……俺が言うのもなんですけど、ぼちぼち真面目に続けて頂けません? 作中のヒロインに媚びると言うのは、筆者さんも色々と辛いと思うので。最悪、ヒロイン降板されても知りませんよ? 何処ぞの培養液にスペア浮いてて、一斉に笑いかけられるホラーかもですよ?」

 意味もなく床に両肘をつき、組んだ手に顎を載せてのメガネ、クィッ! 言動をゲンドウっぽくエヴァンネタからのテコ入れを匂わせつつメガネ、キラッ!


 俺のメガネの下は、ちゃんと人の目が二つあるのでご安心下さい。
 意味不明でしたら、エヴァンの映画本編か宣伝トレーラーをご覧下さい。


「――う。それは困るかも」

 真野氏。やや困惑気味にウッです。たぶん劇中のシーンを想像してのウッです。


 丁度、その時――。


「ふふふ……残念だけど、手遅れですわ!」

 両開きの扉がバーンと徐に開け放たれ、登場する誰か。

「「何奴なにやつ⁉︎」」


 真野氏。何奴って……。


「「曲者くせものだ、であえい」」


 執事さんは悪魔――ゲフンゲフン。時代劇の悪代官かよ。


「アタシ? ――なんだろうね?」


 おーい。質問を質問で返さない。


「思いつきで生まれた? 通りすがりで単なる当て馬モブ的? そんな筆者の使徒たる女勇者よ?」

 自称、通りすがりの女勇者氏。両の手を打ちハッです。疑問符てんこ盛りで口上を吐いてのハッです。

「女勇者氏。自分で言ってて悲しくないですか? 今回はどこまでもエヴァンネタですか? 映画公開がよっぽど嬉しいんですか? 主題歌いたく気に入ったんですか?」

 メガネ、クイッ! とツッコミついでに推しておく。

「大丈夫、勇者だから」


 何が大丈夫なのでしょう。


「女勇者氏。貴女も勇者を便利に使わないで下さい。しかもその格好は?」

 目の前に現れた自称、女勇者氏。どう見てもただのスク水を着てるだけのご学友。しかも留学生っぽい外国の美人。
 そして洗濯板な胸元には「1ーA ユウシヤ」とカタカナで痛々しく書かれ、スイミングキャップ、ゴーグル付きです。

 授業、或いはクラブ活動を抜けてきたとかでしょうか?
 そしてあんな格好が普通だと、そう思わされてでもいるのでしょうか? 
 俺はメガネ、ウムムッっと、虐めを疑います。

「魔王、アタシと勝負すると良いのよ! 昨今流行りのデスゲームで!」

 女勇者氏。真野氏にビシっと指差して、流暢な日本語で高らかに宣言。

「女勇者氏。とりまブーム過ぎてます」

 メガネ、ズリッと、一応、ツッコまざるを得ない。

「大丈夫、勇者だから」

 自信満々にサムズアップでの笑顔、キラッ!


 だから……何が大丈夫なのでしょう。


「良いわ。受けて立つ!」

 真野氏。再び四つん這いの姿勢で置物と化す執事さんを容赦なく片足で踏みつつフンッです。そしてたわわの前で腕を組んでのフンッです。そこで俺を指差し――。

「――この暗黒騎士が」


 俺かよっ⁉︎ しれっと振らないで頂きたい!


「では……準備を進めます。――で・す・が! なんと言うことでしょうか! 字数が二千文字を超え、三千文字に届きそうです! ですので次話まで暫しお待ちを」

 四つん這いの姿勢で踏まれたままだ言うに、器用にも執事然とした見事な所作で傅く。


 ――って、どこまでもメタネタかよ。


「皆さん、久し振りに短時間かつノリで書かれた話しだけに、ちょいとグダグダ過ぎやしませんか? 良いんかそんなで?」

 エヴァン観たいので、もう帰って良いでしょうか?



 ――――――――――
 またしても中二病ってやつは。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども

神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」 と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。 大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。 文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!

夫に愛想が尽きたので離婚します

しゃーりん
恋愛
次期侯爵のエステルは、3年前に結婚した夫マークとの離婚を決意した。 マークは優しいがお人好しで、度々エステルを困らせたが我慢の限界となった。 このままマークがそばに居れば侯爵家が馬鹿にされる。 夫を捨ててスッキリしたお話です。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

処理中です...