21 / 44
一章 憎しみの魔女
21話 一つの希望
しおりを挟む
陽は沈みモンスターが活発になる夜。
俺はいつものレンタルハウスではなく、アークフィランの外、森の中にいた。
魔力をほぼ使い切っていた俺は、歩くのがやっとの状態で街から逃げ出した。
もつれそうになる足を何とか動かして一本の木にもたれ掛かると、両足から力が抜けてズルズルと座り込んだ。
「何で……敵視魔法が……」
ゴーレムに対して使用したはずの魔法は、その場にいた冒険者全員にかかっていた。
いや、ゴーレムを倒すまでは普通だったのだ。でなければ、カナタは途中で俺を振り落とすだろうから。
ゴーレムが崩れる間際、体の隙間から紫色の光が漏れ出していた事を思い出す。あの光は……敵視魔法の光と同じに見えた。
憎しみの魔女が作り出したゴーレム。もしその魔力の根源が俺の力と同じなのであれば――。
「ゴーレムの敵視が俺に移った……?」
仮説の話だ。だが、それ以外に考えられない。
街を、冒険者たちを救っても、得られたのは侮蔑と追放。
こんなのはあんまりじゃないか……。
魔女の婆さんが言っていた言葉が、再び頭を過ぎる。
『遥か昔、私も似たような夢を抱えていたもんだ。しかしまぁ……私にとっちゃ魔法なんて『恐れ、憎まれる物』でしかなかったが』
仲間も家も信頼も失った。これから身一つでどうやって生きていけばいい?
俺はまた、一人からなのか……。
込み上げた怒りを抑えきれず、俺は腹の底から叫んだ。
「こんな力……こんなのでどうしろってんだよッ……憎しみの魔女!!」
「――そこに誰かいるのか?」
突然、人の声がした。
顔を上げると、暗闇でランプを持った人物がいる。夜にこんな町外れを歩いているのは冒険者ぐらいだ。
まさか追っ手? 今はもう逃げる体力も残って無いのに――ッ
身構えた俺にランプの光が当てられる。
眩しさに腕で顔を覆うと、その人物は近づいてきた。
「貴様は……!!」
ここで捕まれば、後に待ち受けるのは魔法を使えることでの尋問か……敵視されていることを考えると拷問もされかねない。
「くっ……!」
俺は残る力を振り絞って体当たりをすると、ランプの人物が体勢を崩した。
よし、今のうちに――ッ?!
逃げようとした時、足に何かが巻き付いた。
足はその場から動かせず、前のめりになった体はそのまま地面に倒れ込む。
「……会って早々にぶつかって来るとは、いい度胸だなタクト」
ランプの明かりに照らされた俺の足には、深い緑色をした……まるで植物蔓のような物が絡み付いていた。
「これって……」
「貴様、こんなところで何してんだ」
怪訝な表情で俺を見下ろす人物には見覚えがあった。
被っているフードから僅かに見えるのは白い肌と真っ赤な瞳。なにより特徴的なのは、手足のように自在に動く深緑の髪――。
「リ、リーフィリア……」
『深緑の魔女』と呼ばれる冒険者、リーフィリアがそこにいた。
「“さん”を付けろ馬鹿者!! あれか? 勝負に勝てて調子に乗っているのか? 年上だしランクも上なんだからちょっとは敬意を払えよ!!」
* * *
「で、なんでそんなボロボロなんだ」
焚き火の近くに座らされた俺を、リーフィリアは訝しんでジロジロと見る。
先日の勝負で家を失ったリーフィリアは、野宿をしているらしい。
歩くのもおぼつかない俺を見かねてか、寝床にしている場所まで連れて来られた。
「これは、その」
リーフィリアの質問に俺は言葉が詰まった。
『自分の魔法のせいで仲間から憎まれて、街を追い出された』なんて言っても、到底信じてもらえないだろう。
俺が答えられずにいると、彼女は質問を続ける。
「いつもの三馬鹿はどうした。こんな時間に男一人で街の外にいるのは自殺志願者か、ただのアホだけだぞ」
「それは、そうなんですが……」
「――ッ、歯切れが悪いな」
舌打ちが混じった事で、彼女の機嫌が悪くなっていくのが分かったが、俺は
前に会った時と同じように接してくるリーフィリアに、違和感を覚えたのだ。
この人はなぜ、俺を敵視していない?
あれだけの人数がいっぺんにかかった魔法を、彼女は影響を受けていないように思える。
「あの、リーフィリア……さんは、今まで何処にいたんですか?」
「こっちの質問には答えないくせに、私には聞いてくるんだな」
「うっ……」
腕を組みジトっとした目を向けられる。
また俺が言葉に詰まると、リーフィリアさんはため息混じりに話してくれた。
「……任務で隣町に行ってた。今しがた終わって帰ってきたところだ」
ということは、距離が離れていれば敵視魔法はかかっていない?
今回の敵視が発動したのがもしアークフィラン周辺だけならば、ひとまず隣町に身を置ける可能性がある。
「……おい、聞いといて無視かこの野郎」
「あ! す、すみません!」
「……貴様、前に会った時より様子がおかしいぞ。何があったのか私の質問にも答えろよ」
口は悪いが、言ってくれていることは俺を心配しているようにも受け取れる。
この前の一件で彼女の中で俺は『他人』ではなく、『顔見知り』程度にはなっているのだろうか。
すでに大勢の前で魔法を使った……いまさら隠す理由もないと考えた俺は、魔法が使える事を打ち明ける事にした。
「実は――」
* * *
「……それで一人こんなところに、ねぇ」
「あの、驚かないんですか? というか魔法が使える事を信じてくれるんですか?」
「ああ? 今の話が嘘だって言うんならただじゃおかないけど?」
「いや! 嘘じゃない……です」
意外にもリーフィリアは真面目な顔で俺の話を聞いてくれていた。
「大方、予想はしていた。貴様がもしかしたらってな。一度、冒険者をけしかけた事もあるし」
「え!?」
自分ではうまく隠していたつもりだったが、やはり勘繰る人はいたようだ。あの時の偽盗賊はもしかしてこの人が?
そう考えていた時、リーフィリアはニヤリと笑った。
「お互い、過去のことは水に流そうじゃないか」
今の言葉ではっきりした。偽盗賊は彼女の仕業だったらしい。
てことは、火の鳥事件の時から俺は怪しまれていたってことか。
「それよりも、これからどうするつもりだ?」
どうする……一人で旅することを想像するが、以前までのワクワク感は無かった。むしろ、不安の気持ちのほうが大きい。
リオン、ユルナ、カナタとこれからも冒険をするんだ、となんとなく思っていたから。
けれど……諦めるしかなかった。
敵視魔法を受けた三人の元へはもう戻れないだろうから。
「俺は、一人で旅を……」
「本当にそれでいいんだな?」
「――ッ」
「槍術士の言っていた『信頼の強さ』ってのは、そんなに簡単に諦められるものなんだな?」
「そんなこと言っても……どうしようも無いじゃないかッ!!」
リーフィリアの言葉についカッとなって言い返してしまった。
敵視魔法の解き方は分からないし、街に近づくことも出来ないこの状況で、いったい何が出来るというのだ。
俺の反発を受けてもリーフィリアはただジッと俺を見つめている。
「この力が、皆を変えてしまう……俺から家族を、故郷を、仲間を奪っていくんだッ! 俺が上手く扱おうとしても、勝手に……」
「だから、諦めるしかないって?」
「そう、だ。俺が誰とも関わらなければ、こんな思いをすることも、もう――」
パァン
乾いた音が夜の森に響いた。
遅れて左頬にはじんじんとした痛みが広がった。
対面にいたリーフィリアが、俺の頬を叩いたのだ。
「貴様の仲間が私に言った言葉、そのまま返させてもらうぞ」
リーフィリアは目尻を吊り上げ怒っていた。しかし、俺を見つめるその目はとても真剣だった。
「魔法のせいで変わった仲間を、助けたいと思わないのか? 信頼と信用でどんな困難でも乗り越えていくんじゃないのか?」
「――ぅ」
「貴様の本音はどうなんだッ!? 諦めることが、貴様らの言う『信頼の強さ』なのかッ!?」
「俺は……」
仲間の顔を思い出していた。
一人だった俺をパーティに誘ってくれた。
俺を冒険者にしてくれた。
馬鹿話をして笑いあった。
気づけば俺の頬を熱い物が伝っていた。
溢れ出した涙は、同時に色んな思いも湧き上がらせた。
こんな別れ方は嫌だ……もっと、皆と一緒にいたい。もっと楽しく笑い合っていたい。
「仲間を取り返したいッ……」
ポンと、俺の頭にリーフィリアの手が置かれた。
顔を上げると、綺麗な赤い瞳が俺を優しく見つめている。
「『本音をちゃんと伝えた相手にぐらい、甘えてもいいんじゃねーの?』……だったか?」
ニッと笑うリーフィリアの笑顔が、俺の押さえ付けた感情を解かして、涙は止まらなくなる。
人前でこんなに泣いたのは、初めてだった。
* * *
気付いた時には朝日が昇っていた。
周囲を見ると小屋の中のようだ。布が掛けられている。いつの間にか眠っていたらしい。
「あれ、俺なにしてたんだっけ……」
昨日の事を思い出して少し後悔した。街から逃げ出して、森でリーフィリアに会って……。
「ん……起きたのか」
声のする方へ顔を動かして俺は目を疑った。
隣には同じ布を掛けて横になったリーフィリアがいる。
起き上がり、まだ眠たい目を擦る彼女は……ラフな肌着だった。
「なななななッ?! えっ! あれ?!」
「朝からうるさいな」
「なんで一緒に寝てるんだ?!」
「なんでって、貴様が泣き疲れてそのまま寝たから運んでやったんだぞ。感謝しろ」
肌の露出が多く、目のやり場に困って小屋を飛び出す。後ろから引き留める声がしたが、遅かった。
飛び出した先に地面は無かった。
小屋は三本の木々に括り付けられた形でのツリーハウス。
あると思っていた地面ははるか下の方であり、俺は無事落下したのだ。
俺はいつものレンタルハウスではなく、アークフィランの外、森の中にいた。
魔力をほぼ使い切っていた俺は、歩くのがやっとの状態で街から逃げ出した。
もつれそうになる足を何とか動かして一本の木にもたれ掛かると、両足から力が抜けてズルズルと座り込んだ。
「何で……敵視魔法が……」
ゴーレムに対して使用したはずの魔法は、その場にいた冒険者全員にかかっていた。
いや、ゴーレムを倒すまでは普通だったのだ。でなければ、カナタは途中で俺を振り落とすだろうから。
ゴーレムが崩れる間際、体の隙間から紫色の光が漏れ出していた事を思い出す。あの光は……敵視魔法の光と同じに見えた。
憎しみの魔女が作り出したゴーレム。もしその魔力の根源が俺の力と同じなのであれば――。
「ゴーレムの敵視が俺に移った……?」
仮説の話だ。だが、それ以外に考えられない。
街を、冒険者たちを救っても、得られたのは侮蔑と追放。
こんなのはあんまりじゃないか……。
魔女の婆さんが言っていた言葉が、再び頭を過ぎる。
『遥か昔、私も似たような夢を抱えていたもんだ。しかしまぁ……私にとっちゃ魔法なんて『恐れ、憎まれる物』でしかなかったが』
仲間も家も信頼も失った。これから身一つでどうやって生きていけばいい?
俺はまた、一人からなのか……。
込み上げた怒りを抑えきれず、俺は腹の底から叫んだ。
「こんな力……こんなのでどうしろってんだよッ……憎しみの魔女!!」
「――そこに誰かいるのか?」
突然、人の声がした。
顔を上げると、暗闇でランプを持った人物がいる。夜にこんな町外れを歩いているのは冒険者ぐらいだ。
まさか追っ手? 今はもう逃げる体力も残って無いのに――ッ
身構えた俺にランプの光が当てられる。
眩しさに腕で顔を覆うと、その人物は近づいてきた。
「貴様は……!!」
ここで捕まれば、後に待ち受けるのは魔法を使えることでの尋問か……敵視されていることを考えると拷問もされかねない。
「くっ……!」
俺は残る力を振り絞って体当たりをすると、ランプの人物が体勢を崩した。
よし、今のうちに――ッ?!
逃げようとした時、足に何かが巻き付いた。
足はその場から動かせず、前のめりになった体はそのまま地面に倒れ込む。
「……会って早々にぶつかって来るとは、いい度胸だなタクト」
ランプの明かりに照らされた俺の足には、深い緑色をした……まるで植物蔓のような物が絡み付いていた。
「これって……」
「貴様、こんなところで何してんだ」
怪訝な表情で俺を見下ろす人物には見覚えがあった。
被っているフードから僅かに見えるのは白い肌と真っ赤な瞳。なにより特徴的なのは、手足のように自在に動く深緑の髪――。
「リ、リーフィリア……」
『深緑の魔女』と呼ばれる冒険者、リーフィリアがそこにいた。
「“さん”を付けろ馬鹿者!! あれか? 勝負に勝てて調子に乗っているのか? 年上だしランクも上なんだからちょっとは敬意を払えよ!!」
* * *
「で、なんでそんなボロボロなんだ」
焚き火の近くに座らされた俺を、リーフィリアは訝しんでジロジロと見る。
先日の勝負で家を失ったリーフィリアは、野宿をしているらしい。
歩くのもおぼつかない俺を見かねてか、寝床にしている場所まで連れて来られた。
「これは、その」
リーフィリアの質問に俺は言葉が詰まった。
『自分の魔法のせいで仲間から憎まれて、街を追い出された』なんて言っても、到底信じてもらえないだろう。
俺が答えられずにいると、彼女は質問を続ける。
「いつもの三馬鹿はどうした。こんな時間に男一人で街の外にいるのは自殺志願者か、ただのアホだけだぞ」
「それは、そうなんですが……」
「――ッ、歯切れが悪いな」
舌打ちが混じった事で、彼女の機嫌が悪くなっていくのが分かったが、俺は
前に会った時と同じように接してくるリーフィリアに、違和感を覚えたのだ。
この人はなぜ、俺を敵視していない?
あれだけの人数がいっぺんにかかった魔法を、彼女は影響を受けていないように思える。
「あの、リーフィリア……さんは、今まで何処にいたんですか?」
「こっちの質問には答えないくせに、私には聞いてくるんだな」
「うっ……」
腕を組みジトっとした目を向けられる。
また俺が言葉に詰まると、リーフィリアさんはため息混じりに話してくれた。
「……任務で隣町に行ってた。今しがた終わって帰ってきたところだ」
ということは、距離が離れていれば敵視魔法はかかっていない?
今回の敵視が発動したのがもしアークフィラン周辺だけならば、ひとまず隣町に身を置ける可能性がある。
「……おい、聞いといて無視かこの野郎」
「あ! す、すみません!」
「……貴様、前に会った時より様子がおかしいぞ。何があったのか私の質問にも答えろよ」
口は悪いが、言ってくれていることは俺を心配しているようにも受け取れる。
この前の一件で彼女の中で俺は『他人』ではなく、『顔見知り』程度にはなっているのだろうか。
すでに大勢の前で魔法を使った……いまさら隠す理由もないと考えた俺は、魔法が使える事を打ち明ける事にした。
「実は――」
* * *
「……それで一人こんなところに、ねぇ」
「あの、驚かないんですか? というか魔法が使える事を信じてくれるんですか?」
「ああ? 今の話が嘘だって言うんならただじゃおかないけど?」
「いや! 嘘じゃない……です」
意外にもリーフィリアは真面目な顔で俺の話を聞いてくれていた。
「大方、予想はしていた。貴様がもしかしたらってな。一度、冒険者をけしかけた事もあるし」
「え!?」
自分ではうまく隠していたつもりだったが、やはり勘繰る人はいたようだ。あの時の偽盗賊はもしかしてこの人が?
そう考えていた時、リーフィリアはニヤリと笑った。
「お互い、過去のことは水に流そうじゃないか」
今の言葉ではっきりした。偽盗賊は彼女の仕業だったらしい。
てことは、火の鳥事件の時から俺は怪しまれていたってことか。
「それよりも、これからどうするつもりだ?」
どうする……一人で旅することを想像するが、以前までのワクワク感は無かった。むしろ、不安の気持ちのほうが大きい。
リオン、ユルナ、カナタとこれからも冒険をするんだ、となんとなく思っていたから。
けれど……諦めるしかなかった。
敵視魔法を受けた三人の元へはもう戻れないだろうから。
「俺は、一人で旅を……」
「本当にそれでいいんだな?」
「――ッ」
「槍術士の言っていた『信頼の強さ』ってのは、そんなに簡単に諦められるものなんだな?」
「そんなこと言っても……どうしようも無いじゃないかッ!!」
リーフィリアの言葉についカッとなって言い返してしまった。
敵視魔法の解き方は分からないし、街に近づくことも出来ないこの状況で、いったい何が出来るというのだ。
俺の反発を受けてもリーフィリアはただジッと俺を見つめている。
「この力が、皆を変えてしまう……俺から家族を、故郷を、仲間を奪っていくんだッ! 俺が上手く扱おうとしても、勝手に……」
「だから、諦めるしかないって?」
「そう、だ。俺が誰とも関わらなければ、こんな思いをすることも、もう――」
パァン
乾いた音が夜の森に響いた。
遅れて左頬にはじんじんとした痛みが広がった。
対面にいたリーフィリアが、俺の頬を叩いたのだ。
「貴様の仲間が私に言った言葉、そのまま返させてもらうぞ」
リーフィリアは目尻を吊り上げ怒っていた。しかし、俺を見つめるその目はとても真剣だった。
「魔法のせいで変わった仲間を、助けたいと思わないのか? 信頼と信用でどんな困難でも乗り越えていくんじゃないのか?」
「――ぅ」
「貴様の本音はどうなんだッ!? 諦めることが、貴様らの言う『信頼の強さ』なのかッ!?」
「俺は……」
仲間の顔を思い出していた。
一人だった俺をパーティに誘ってくれた。
俺を冒険者にしてくれた。
馬鹿話をして笑いあった。
気づけば俺の頬を熱い物が伝っていた。
溢れ出した涙は、同時に色んな思いも湧き上がらせた。
こんな別れ方は嫌だ……もっと、皆と一緒にいたい。もっと楽しく笑い合っていたい。
「仲間を取り返したいッ……」
ポンと、俺の頭にリーフィリアの手が置かれた。
顔を上げると、綺麗な赤い瞳が俺を優しく見つめている。
「『本音をちゃんと伝えた相手にぐらい、甘えてもいいんじゃねーの?』……だったか?」
ニッと笑うリーフィリアの笑顔が、俺の押さえ付けた感情を解かして、涙は止まらなくなる。
人前でこんなに泣いたのは、初めてだった。
* * *
気付いた時には朝日が昇っていた。
周囲を見ると小屋の中のようだ。布が掛けられている。いつの間にか眠っていたらしい。
「あれ、俺なにしてたんだっけ……」
昨日の事を思い出して少し後悔した。街から逃げ出して、森でリーフィリアに会って……。
「ん……起きたのか」
声のする方へ顔を動かして俺は目を疑った。
隣には同じ布を掛けて横になったリーフィリアがいる。
起き上がり、まだ眠たい目を擦る彼女は……ラフな肌着だった。
「なななななッ?! えっ! あれ?!」
「朝からうるさいな」
「なんで一緒に寝てるんだ?!」
「なんでって、貴様が泣き疲れてそのまま寝たから運んでやったんだぞ。感謝しろ」
肌の露出が多く、目のやり場に困って小屋を飛び出す。後ろから引き留める声がしたが、遅かった。
飛び出した先に地面は無かった。
小屋は三本の木々に括り付けられた形でのツリーハウス。
あると思っていた地面ははるか下の方であり、俺は無事落下したのだ。
0
あなたにおすすめの小説
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
外れスキル【アイテム錬成】でSランクパーティを追放された俺、実は神の素材で最強装備を創り放題だったので、辺境で気ままな工房を開きます
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティで「外れスキル」と蔑まれ、雑用係としてこき使われていた錬金術師のアルト。ある日、リーダーの身勝手な失敗の責任を全て押し付けられ、無一文でパーティから追放されてしまう。
絶望の中、流れ着いた辺境の町で、彼は偶然にも伝説の素材【神の涙】を発見。これまで役立たずと言われたスキル【アイテム錬成】が、実は神の素材を扱える唯一無二のチート能力だと知る。
辺境で小さな工房を開いたアルトの元には、彼の作る規格外のアイテムを求めて、なぜか聖女や竜王(美少女の姿)まで訪れるようになり、賑やかで幸せな日々が始まる。
一方、アルトを失った元パーティは没落の一途を辿り、今更になって彼に復帰を懇願してくるが――。「もう、遅いんです」
これは、不遇だった青年が本当の居場所を見つける、ほのぼの工房ライフ&ときどき追放ざまぁファンタジー!
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部
ファンタジー
2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる