5 / 8
13歳の公女・・②
しおりを挟む
庭園には赤や白を基調とした花々が植えられ、一面に広がる
緑色の芝生との美しい色のコントラストが華やかさを与えていた。
庭園には噴水と、石像が所々に置かれてそこに花壇が置かれている。
森へと続いて行く道は青色と白色のモザイクレンガで組まれ、
まるでそれ自体が芸術的な絵を描いているようだった。
「相変わらず、この庭は美しいわ・・。」
私はティーカップを持ちながら、兄とシオフィンとカイエンの剣技を
見守りつつ、手元にあったしっとりとしたマドレーヌを頬張る。
その一口で私はとても幸せな気分になって頬を緩めていた。
栗色の髪と、蒼い瞳を持つ落ち着いた男性が幸せそうに菓子を頬張る私の元へとゆっくりと近づいてきた。
「アイリス様、この度は13歳のお誕生日おめでとうございます。
我が愚息が先ほども気安い言葉をかけてしまっておりました・・。いつもながら、広いお心で受け止めて頂いて有難うございます。」
「まぁ、お兄様ったら・・。アイリスとカイエンの仲でしょう??
5歳の誕生日にアイリスの命を救ってくれたのは彼よ。幼馴染でもある彼には気安い言葉で関わってあげて欲しいのだけど?」
庭園に組まれた白亜のテーブルセットの私の横に座っていた母は珍しく声を上げて兄に意見をした。
この国に嫁いできた母はアメルディア王国の重鎮であり、王室騎士団を束ね代々騎士家系の系譜を持つエルダート侯爵家の出身だった。
私がカイと愛称で呼ぶ、カイエン=ステファン=エルダートはその公爵家の嫡男である母の兄の嫡男だった。
「おじ様・・!!
カイエンが丁寧な敬語を使ってしまったら大変なことになるの。
わたくし噴き出して、お腹を抱えて大声で笑ってしまうもの公務の害にしかならなそうです!!
シオフィンと、カイエンは私の気の許せる大切な存在です。
カイのあの乱雑で、偉そうで少々上から目線の態度は、親として気になる部分は多いと思います。
ですが、私と彼の仲に免じて。どうか、見逃して頂きたいです!!」
「・・・乱雑で偉そうだって。確かにね。」
何時の間に戻って来たのか金色の髪をかき上げる仕草を見せていた
シオフィンが大きなスカイブルーの瞳を細めて口元に手を当てクスクスと笑う。
レキオスお兄様とカイも熱そうにベストを脱いで白いシャツ姿で
手には冷たく冷やされた水を持っていた。
「は??悪かったな・・。
俺は王子様とは違って粗野に育っているんだよ。
でも、上から目線かなぁ??
俺はいつも・・。平行線のつもりだけどな。」
カイの言葉に冷たい水を飲んでいたシオフィンが水を
噴き出しそうになって激しく咽ていた・・。
母はニコニコと可愛らしい笑顔を振りまく横で
私とおじ様は苦笑いを浮かべていた。
「あはははっ!!
平行線てどんな目線だよ??
相変わらずだなぁ、カイは・・。」
懐かしいやり取りに私は気が付くと頬が緩んでいた。レキオスお兄様は、いつも私達と遊んでくれて和ませてくれるムードメーカーだった。
おっとりしているように見えながら笑顔の裏で頭が相当に切れる大国の王子のシオフィンと、その王子を護衛する騎士家系で育った口は悪いけど剣術や腕っぷしは強く面倒見の良いカイエン・・。
私達はこの湖の多く森が生い茂った美しいセレンダートの自然の中で沢山遊んだ。
着替えて来た3人を待って、父の「乾杯」の合図で
誕生日を祝う、ささやかなガーデンパーティは始まった。
この頃の世界情勢について頭を巡らせていた。
隣国のロンバビルス帝国との使節団交流は行われていたが、自国内の内政混乱が私が物心付いた頃から何度も起きていたと聞いていた。
この年の1年前・・。
私が12歳の頃に、ロンバビルス帝国の竜騎士を束ねていた第一王子が亡くなった。
その知らせは全世界を騒がせた。
「これで2人か・・。
この10年間で2人の王子が不慮の事故で亡くなったのだ。
12年前に起こった、ロンバビルス正教会の大司祭と数名の司祭、
帝国の有力貴族の4名が亡くなった血命のクリスマスイヴから、
一体何人の人間がこの世から消えたんだ。」
父は届けられた手紙を読みながら青ざめた表情でため息を吐いていた。
「あの・・。父上、今日はアイリスにあの話を・・。」
急に緊張した様子でゴホンと咳払いをしたシオフィンの声でハッと我に返る。
隣に座ってワインを楽しんでいた彼の父であるアメルディア国王は小さく頷くと、
姿勢を正してから私をチラリと見た。
<これ・・。
この流れは私とフィンの婚姻の打診の流れだわ。>
この後にアメルディア国王は父に私とフィンの婚姻の提案をする。
不穏な動きを見せているロンバルディア帝国を挟んでいる我が国と、アメルディア王国の互いの国の絆を強くする為の婚姻にする為に・・。
私は過去を思い出すとサーッと青ざめた。
「アイリス公女を我が息子シオフィンの妃として・・。
婚姻を申し入れたいと思うのだ。どうだろうか??
ロンバルディア帝国を挟んだ我らの国同士の絆を、
更に強固に結びたいと思っての婚姻なのだが・・。」
「出たぁ・・。そしてこの申し出をお父様はお断りできないわよね。」
私はボソッと呟いた。
私はアメルディア国王に無礼ながらも口を封じてしまおうかと思ったが自分の誕生日の席でそのような無礼には及ぶことは出来ずに、ただ参加者の表情を淡々と見つめていた。
以前の私は、意味が解らず首を傾げていただけだった。
パーティ後に庭園の薔薇園の前に呼び出された私は、フィンから手を取られて甲に口づけられて
「僕のお姫様初めて出会った日からずっと大好きだよ。僕と結婚しようよ。一生僕が君を守るから。」
と言われてあの色気を含んだスカイブルーの瞳に見つめられた。私は真っ赤になりながら涙目になって固まったこと。
その後、頬にもキスをされ棒のように動かなくなってしまった。
そんなこっ恥ずかしいことを思い出した。
<すごい計算されたプロポーズだったのね。
フィンて当時からマセてたのね・・。
何処であんな気障な台詞学んだのかしらね?>
嬉しそうに父を見るシオフィンと、
その斜めの席に座っていたカイは一瞬眉間に皺を寄せて下を向いた。
<この時ってそうだったんだ。カイは不快そうな顔をしてたんだ・・。>
私は初めてそれぞれのリアクションを客観的に見ていた。少しだけ思案すると、自分の手元に置かれていたカシスジュースを持ち上げてゴクゴクと飲みほした。
父はアメルディア国王と話をしている最中だったが
今は時と場合を選んでいる場合ではない。
破断になる予定の婚姻話を、私の目の前で結ばせる訳には行かないのだから!!
私は、右手をそっと挙げる。
「お父様!!私の婚姻を決める前に・・。
この場で1つだけ発言しても宜しいでしょうか??」
賑やかなお喋りが繰り広げられていたその場がシーンと静まり返った。
私が人前で意見を言うことがなかったから仕方がない。
当時の私は13歳の子供だったのだから・・。
「アイリス・・。
お前が意見を言うだなんて珍しいな。
何か考えがあるのなら言ってみろ??」
「お父様、どうも有難うございます。
あの、アメルディア国王やシオフィン王子から
誠に光栄なお話しを頂きましてどうも有難うございました・・。ですが・。当事者である私の意見としては、今回の婚姻話お断りさせて頂きたく存じます。」
シオフィンは不穏な私の動きに食い入るようにこちらを見ている。
カイエンは何が起きているのか解っていないのか・・。口を大きく開けたまま私を見ていた。
その場にいた大人たちは一気に静まり返っていた。
「アイリス、無礼だぞ。
・・・その発言の意図は??どういう意味なのだ??」
取り乱したように席を立った父は私に険しい表情で問いかけた。
「ああ、公女殿下が我が息子が貴方の夫として不足だと・・。そう申しているのであれば・・。」
隣で話し込んでいた筈のアメルディア国王も表情を変えて不快そうに
眉を寄せていた。
「そうではないのです!!
決して・・。シオフィン殿下が私に不足などという
そんな理由ではないのです。フィンは素晴らしい方です。今回の婚姻話はとても光栄だと。先ほど申した通りなのです。
ですが、お父様・・。
私にはもう1つ婚姻のお申し出を・・。
アメルディア王国よりも先に受けているはずです。」
努めて落ち着いた声で丁寧に言葉を紡いだ。
「お前・・。何故それを??」
私は椅子に座ったまま困惑した表情を浮かべる父を
アメジスト色の瞳を大きく見開いて父を真剣に見つめていた。
「わたくしとの婚姻を結びたいとの申し出が・・。
ロンバビルス帝国から先に、この国に届いていらっしゃいますよね??」
私の言葉にその場にいた全員が表情を変えた。
「嘘だ・・。そんな・・君に帝国が??・・まさか!?」
シオフィンは私の言葉に驚いて席を立ちあがった。
カイエンは茫然とした表情で言葉を失って宙を見ていた。隣に並ぶエルダート公爵が視線を彷徨わせて母を見る。
私の横に座る母の顔も見た事がないくらい曇っていた。
兄であるレキオスもその事実を知らなかった様子で
父の表情を確認するように息を殺すように視線を向けていた。
緑色の芝生との美しい色のコントラストが華やかさを与えていた。
庭園には噴水と、石像が所々に置かれてそこに花壇が置かれている。
森へと続いて行く道は青色と白色のモザイクレンガで組まれ、
まるでそれ自体が芸術的な絵を描いているようだった。
「相変わらず、この庭は美しいわ・・。」
私はティーカップを持ちながら、兄とシオフィンとカイエンの剣技を
見守りつつ、手元にあったしっとりとしたマドレーヌを頬張る。
その一口で私はとても幸せな気分になって頬を緩めていた。
栗色の髪と、蒼い瞳を持つ落ち着いた男性が幸せそうに菓子を頬張る私の元へとゆっくりと近づいてきた。
「アイリス様、この度は13歳のお誕生日おめでとうございます。
我が愚息が先ほども気安い言葉をかけてしまっておりました・・。いつもながら、広いお心で受け止めて頂いて有難うございます。」
「まぁ、お兄様ったら・・。アイリスとカイエンの仲でしょう??
5歳の誕生日にアイリスの命を救ってくれたのは彼よ。幼馴染でもある彼には気安い言葉で関わってあげて欲しいのだけど?」
庭園に組まれた白亜のテーブルセットの私の横に座っていた母は珍しく声を上げて兄に意見をした。
この国に嫁いできた母はアメルディア王国の重鎮であり、王室騎士団を束ね代々騎士家系の系譜を持つエルダート侯爵家の出身だった。
私がカイと愛称で呼ぶ、カイエン=ステファン=エルダートはその公爵家の嫡男である母の兄の嫡男だった。
「おじ様・・!!
カイエンが丁寧な敬語を使ってしまったら大変なことになるの。
わたくし噴き出して、お腹を抱えて大声で笑ってしまうもの公務の害にしかならなそうです!!
シオフィンと、カイエンは私の気の許せる大切な存在です。
カイのあの乱雑で、偉そうで少々上から目線の態度は、親として気になる部分は多いと思います。
ですが、私と彼の仲に免じて。どうか、見逃して頂きたいです!!」
「・・・乱雑で偉そうだって。確かにね。」
何時の間に戻って来たのか金色の髪をかき上げる仕草を見せていた
シオフィンが大きなスカイブルーの瞳を細めて口元に手を当てクスクスと笑う。
レキオスお兄様とカイも熱そうにベストを脱いで白いシャツ姿で
手には冷たく冷やされた水を持っていた。
「は??悪かったな・・。
俺は王子様とは違って粗野に育っているんだよ。
でも、上から目線かなぁ??
俺はいつも・・。平行線のつもりだけどな。」
カイの言葉に冷たい水を飲んでいたシオフィンが水を
噴き出しそうになって激しく咽ていた・・。
母はニコニコと可愛らしい笑顔を振りまく横で
私とおじ様は苦笑いを浮かべていた。
「あはははっ!!
平行線てどんな目線だよ??
相変わらずだなぁ、カイは・・。」
懐かしいやり取りに私は気が付くと頬が緩んでいた。レキオスお兄様は、いつも私達と遊んでくれて和ませてくれるムードメーカーだった。
おっとりしているように見えながら笑顔の裏で頭が相当に切れる大国の王子のシオフィンと、その王子を護衛する騎士家系で育った口は悪いけど剣術や腕っぷしは強く面倒見の良いカイエン・・。
私達はこの湖の多く森が生い茂った美しいセレンダートの自然の中で沢山遊んだ。
着替えて来た3人を待って、父の「乾杯」の合図で
誕生日を祝う、ささやかなガーデンパーティは始まった。
この頃の世界情勢について頭を巡らせていた。
隣国のロンバビルス帝国との使節団交流は行われていたが、自国内の内政混乱が私が物心付いた頃から何度も起きていたと聞いていた。
この年の1年前・・。
私が12歳の頃に、ロンバビルス帝国の竜騎士を束ねていた第一王子が亡くなった。
その知らせは全世界を騒がせた。
「これで2人か・・。
この10年間で2人の王子が不慮の事故で亡くなったのだ。
12年前に起こった、ロンバビルス正教会の大司祭と数名の司祭、
帝国の有力貴族の4名が亡くなった血命のクリスマスイヴから、
一体何人の人間がこの世から消えたんだ。」
父は届けられた手紙を読みながら青ざめた表情でため息を吐いていた。
「あの・・。父上、今日はアイリスにあの話を・・。」
急に緊張した様子でゴホンと咳払いをしたシオフィンの声でハッと我に返る。
隣に座ってワインを楽しんでいた彼の父であるアメルディア国王は小さく頷くと、
姿勢を正してから私をチラリと見た。
<これ・・。
この流れは私とフィンの婚姻の打診の流れだわ。>
この後にアメルディア国王は父に私とフィンの婚姻の提案をする。
不穏な動きを見せているロンバルディア帝国を挟んでいる我が国と、アメルディア王国の互いの国の絆を強くする為の婚姻にする為に・・。
私は過去を思い出すとサーッと青ざめた。
「アイリス公女を我が息子シオフィンの妃として・・。
婚姻を申し入れたいと思うのだ。どうだろうか??
ロンバルディア帝国を挟んだ我らの国同士の絆を、
更に強固に結びたいと思っての婚姻なのだが・・。」
「出たぁ・・。そしてこの申し出をお父様はお断りできないわよね。」
私はボソッと呟いた。
私はアメルディア国王に無礼ながらも口を封じてしまおうかと思ったが自分の誕生日の席でそのような無礼には及ぶことは出来ずに、ただ参加者の表情を淡々と見つめていた。
以前の私は、意味が解らず首を傾げていただけだった。
パーティ後に庭園の薔薇園の前に呼び出された私は、フィンから手を取られて甲に口づけられて
「僕のお姫様初めて出会った日からずっと大好きだよ。僕と結婚しようよ。一生僕が君を守るから。」
と言われてあの色気を含んだスカイブルーの瞳に見つめられた。私は真っ赤になりながら涙目になって固まったこと。
その後、頬にもキスをされ棒のように動かなくなってしまった。
そんなこっ恥ずかしいことを思い出した。
<すごい計算されたプロポーズだったのね。
フィンて当時からマセてたのね・・。
何処であんな気障な台詞学んだのかしらね?>
嬉しそうに父を見るシオフィンと、
その斜めの席に座っていたカイは一瞬眉間に皺を寄せて下を向いた。
<この時ってそうだったんだ。カイは不快そうな顔をしてたんだ・・。>
私は初めてそれぞれのリアクションを客観的に見ていた。少しだけ思案すると、自分の手元に置かれていたカシスジュースを持ち上げてゴクゴクと飲みほした。
父はアメルディア国王と話をしている最中だったが
今は時と場合を選んでいる場合ではない。
破断になる予定の婚姻話を、私の目の前で結ばせる訳には行かないのだから!!
私は、右手をそっと挙げる。
「お父様!!私の婚姻を決める前に・・。
この場で1つだけ発言しても宜しいでしょうか??」
賑やかなお喋りが繰り広げられていたその場がシーンと静まり返った。
私が人前で意見を言うことがなかったから仕方がない。
当時の私は13歳の子供だったのだから・・。
「アイリス・・。
お前が意見を言うだなんて珍しいな。
何か考えがあるのなら言ってみろ??」
「お父様、どうも有難うございます。
あの、アメルディア国王やシオフィン王子から
誠に光栄なお話しを頂きましてどうも有難うございました・・。ですが・。当事者である私の意見としては、今回の婚姻話お断りさせて頂きたく存じます。」
シオフィンは不穏な私の動きに食い入るようにこちらを見ている。
カイエンは何が起きているのか解っていないのか・・。口を大きく開けたまま私を見ていた。
その場にいた大人たちは一気に静まり返っていた。
「アイリス、無礼だぞ。
・・・その発言の意図は??どういう意味なのだ??」
取り乱したように席を立った父は私に険しい表情で問いかけた。
「ああ、公女殿下が我が息子が貴方の夫として不足だと・・。そう申しているのであれば・・。」
隣で話し込んでいた筈のアメルディア国王も表情を変えて不快そうに
眉を寄せていた。
「そうではないのです!!
決して・・。シオフィン殿下が私に不足などという
そんな理由ではないのです。フィンは素晴らしい方です。今回の婚姻話はとても光栄だと。先ほど申した通りなのです。
ですが、お父様・・。
私にはもう1つ婚姻のお申し出を・・。
アメルディア王国よりも先に受けているはずです。」
努めて落ち着いた声で丁寧に言葉を紡いだ。
「お前・・。何故それを??」
私は椅子に座ったまま困惑した表情を浮かべる父を
アメジスト色の瞳を大きく見開いて父を真剣に見つめていた。
「わたくしとの婚姻を結びたいとの申し出が・・。
ロンバビルス帝国から先に、この国に届いていらっしゃいますよね??」
私の言葉にその場にいた全員が表情を変えた。
「嘘だ・・。そんな・・君に帝国が??・・まさか!?」
シオフィンは私の言葉に驚いて席を立ちあがった。
カイエンは茫然とした表情で言葉を失って宙を見ていた。隣に並ぶエルダート公爵が視線を彷徨わせて母を見る。
私の横に座る母の顔も見た事がないくらい曇っていた。
兄であるレキオスもその事実を知らなかった様子で
父の表情を確認するように息を殺すように視線を向けていた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました
春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。
名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。
誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。
ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、
あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。
「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」
「……もう限界だ」
私は知らなかった。
宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて――
ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる