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異世界。
引き寄せられた月。
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「明朝・・ですか!?」
私は驚きの表情で、イムディーナを見つめた。
「漆黒の月が大きくなっている・・。
民たちの不安はそれに比例するように、日増しに大きくなっているんだ。
それだけじゃない。
銀の月が、、漆黒の月に引き寄せられている。」
私は、その言葉にハッとして2つの月が輝く夜空へと視線を向けた。
離れた場所に、それぞれの光を浮かべていた2つの月は離れてはいるものの、同じ方向で隣り合わせの距離でぼうっとその姿を現していた。
目を擦って、もう一度見上げた空は変わらない様相を見せている。
「・・本当だ!?
なんで、なんであんなに2つの月の位置が近づいているの?」
目を疑う程の、近距離まで2つの月は並んで輝いていた。
数日前までは、全く対の空に輝いていた月が・・。
「おそらくだが・・、2枚の鏡を手にした者の意思によるものだ。
漆黒の月が銀の月までも書き消してしまえば・・。この世界は暗黒に包まれる。」
「そうか!!
あの漆黒の月が急激に大きくなったのね?
よく見たら銀の月より、1、5倍は大きい。しかも・・引き寄せられて・・るの?
星を飲み込むブラックホールみたいね。」
私の言葉に、金の瞳は悲しそうに同意を浮かべた。
美しい神官の金糸で縫われた絹の美しい衣装は風に揺れる。
「時間は残り少ない・・。ブラックホール並みの力が働いているならもう・・
明日には銀の月の光は消え去るだろう。
この国に、2枚の鏡を祭り祈りを捧げる場所があるようなんだ・・。
鏡を取り返し、君の歌を神に届けて月の選択をするんだ。」
「歌は必須なんですね・・。」
苦く笑う私を、イムディーナは優しい瞳でたしなめる。
「君はもう、声を取り戻したのではないのか・・?アルベルトと、ノア・・。
君が大切に想う、二人の王子の世界を救うのは美月だけなんだ。
・・君は言ってたよね、過去より未来を選択するとそれは・・、アルベルトとの未来を願うんだろ?
」
「私は・・。
アルベルトの生きてる世界の未来が、明るく照らされるような選択をしたい。
彼といたいけど・・。でも、私は・・。その未来に私がいなくてもいいの。アルベルトが笑っていてくれれば。ノアとアルベルトが民を傷つけずに助け合える未来を選択したい!!」
「・・そうか。君はその答えを胸に闘いなさい。
誰かを心から愛したら、相手の幸せが自分の幸せになるのだと我も思うんだ・・。
君は、アルベルトの幸せの為に戦うといい。
アルベルトもまた、君を返すために戦うはずだ。」
改めて言葉で聞くと痛いな・・。
もうすぐお別れなんだ。
・・涙が出そうになる。
私は、アルベルトの隣で喧嘩ばかりしていたこの世界での1ヶ月あまりの時が私の人生の中で一番輝いていた。
アルベルトと離れる痛みに耐えて、私は青と金の瞳を見開いてイムディーナに向かい合った。
「さあ、イムディーナ。私はもう大丈夫よ。
最後の戦いを迎えるために、作戦会議をしましょう。」
「・・そうだな。魔術と兵器。
その二者の融合をこの闘いで、とくと見せてやろう。闇の魔術は手強いぞ。」
「あら、私たちには、神力を持つイムディーナがいるから大丈夫よね!?」
「君の魔術と、トリートの医魔術にも期待したいとこだがな?」
さっきまでの不安よりも、明日への戦いへと挑む好奇心が勝る。
「あははははは・・。二人とも、頼もしいわね。」
花の香りが芳しい庭園で、楽しそうな笑い声が聞こえた。
聞き覚えのある声に私は慌てて振り返った。
私は驚きの表情で、イムディーナを見つめた。
「漆黒の月が大きくなっている・・。
民たちの不安はそれに比例するように、日増しに大きくなっているんだ。
それだけじゃない。
銀の月が、、漆黒の月に引き寄せられている。」
私は、その言葉にハッとして2つの月が輝く夜空へと視線を向けた。
離れた場所に、それぞれの光を浮かべていた2つの月は離れてはいるものの、同じ方向で隣り合わせの距離でぼうっとその姿を現していた。
目を擦って、もう一度見上げた空は変わらない様相を見せている。
「・・本当だ!?
なんで、なんであんなに2つの月の位置が近づいているの?」
目を疑う程の、近距離まで2つの月は並んで輝いていた。
数日前までは、全く対の空に輝いていた月が・・。
「おそらくだが・・、2枚の鏡を手にした者の意思によるものだ。
漆黒の月が銀の月までも書き消してしまえば・・。この世界は暗黒に包まれる。」
「そうか!!
あの漆黒の月が急激に大きくなったのね?
よく見たら銀の月より、1、5倍は大きい。しかも・・引き寄せられて・・るの?
星を飲み込むブラックホールみたいね。」
私の言葉に、金の瞳は悲しそうに同意を浮かべた。
美しい神官の金糸で縫われた絹の美しい衣装は風に揺れる。
「時間は残り少ない・・。ブラックホール並みの力が働いているならもう・・
明日には銀の月の光は消え去るだろう。
この国に、2枚の鏡を祭り祈りを捧げる場所があるようなんだ・・。
鏡を取り返し、君の歌を神に届けて月の選択をするんだ。」
「歌は必須なんですね・・。」
苦く笑う私を、イムディーナは優しい瞳でたしなめる。
「君はもう、声を取り戻したのではないのか・・?アルベルトと、ノア・・。
君が大切に想う、二人の王子の世界を救うのは美月だけなんだ。
・・君は言ってたよね、過去より未来を選択するとそれは・・、アルベルトとの未来を願うんだろ?
」
「私は・・。
アルベルトの生きてる世界の未来が、明るく照らされるような選択をしたい。
彼といたいけど・・。でも、私は・・。その未来に私がいなくてもいいの。アルベルトが笑っていてくれれば。ノアとアルベルトが民を傷つけずに助け合える未来を選択したい!!」
「・・そうか。君はその答えを胸に闘いなさい。
誰かを心から愛したら、相手の幸せが自分の幸せになるのだと我も思うんだ・・。
君は、アルベルトの幸せの為に戦うといい。
アルベルトもまた、君を返すために戦うはずだ。」
改めて言葉で聞くと痛いな・・。
もうすぐお別れなんだ。
・・涙が出そうになる。
私は、アルベルトの隣で喧嘩ばかりしていたこの世界での1ヶ月あまりの時が私の人生の中で一番輝いていた。
アルベルトと離れる痛みに耐えて、私は青と金の瞳を見開いてイムディーナに向かい合った。
「さあ、イムディーナ。私はもう大丈夫よ。
最後の戦いを迎えるために、作戦会議をしましょう。」
「・・そうだな。魔術と兵器。
その二者の融合をこの闘いで、とくと見せてやろう。闇の魔術は手強いぞ。」
「あら、私たちには、神力を持つイムディーナがいるから大丈夫よね!?」
「君の魔術と、トリートの医魔術にも期待したいとこだがな?」
さっきまでの不安よりも、明日への戦いへと挑む好奇心が勝る。
「あははははは・・。二人とも、頼もしいわね。」
花の香りが芳しい庭園で、楽しそうな笑い声が聞こえた。
聞き覚えのある声に私は慌てて振り返った。
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