二者択一で転生した令嬢は将来も選択したい

館花陽月

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兄は妹を理解出来ない。

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「フェナルデイ伯爵家の歴史」

「華麗なるフェナルデイ伯爵家の家系図」

邸の敷地にある天井がバカ高い図書室の中から探し当て、机と椅子のスペースに座って読み出した。

ミルクティを飲んで頭が少しばかりスッキリした私は持ち前の読書で知識を得る必要性を感じて、執事に図書室はないかと尋ねた。

「勿論でございます。ご案内致します。」と。笑顔で案内を受ける。

「お嬢様のお気に入りの場所で、大好きな本を読まれればお気持ちも落ち着かれるかと思います。」

と、いつもと様子が違う私を心配していた執事は颯爽と私を先導し図書室の扉へと案内をしてくれた。

重厚な扉と、蔦の彫刻が施された大きなドアノブを引いて一歩部屋に踏み出すと、埃っぽくもひんやりした大きな本棚の陳列の数々に驚いたものだった。

「へぇ、「私」の伯爵家はこの世界の貴族階級の中でも名門なんだ。不思議。前は学費も奨学金でせっせと払って、休みは短期バイトでやりくりしてたのに。
この世界でのお相手も高スペックなんだろうけど、私のスペックも高いんだろうな。」


「・・・ん!!?」


はたと恐ろしいことに気づいてしまい、動揺してしまう。

名門伯爵令嬢と幼なじみで、婚約者候補の高スペックな美形の家系って何事?!

やんごとなき身分の御方に、不敬な真似をしてしまったのではないだろうか?

・・・・非常に不安になってきた。

私の不安が的中した知らせを持ってくる存在が
図書室の静寂を壊すように扉をバァンと開け放ち

「ルナ?!ルナはいるか?」

慌てた様子で不安な声色と気色を滲ませながらもズカズカと入出してきた。

このこなれ感。
入ってきた人物は多分家族なのだろう。

先ほど、通りがかりの鏡で見た自分と同じ色の金の髪色と、深いエメラルドのような緑色の光を称えた整った顔立ちの少し年上のような男性がキョロキョロ辺りを見回していた。

図書室に向かう際に廊下にあった現伯爵(たぶんルナの父?)の自画像を横目で見やりインプットをした。
白に金縁で縁取られた大きな姿鏡の前を執事と通った際は映し出された自分の姿にビックリした。


立ち止まり、鏡の傍まで近寄り同じ動作と驚愕の表情を浮かべても美しいご令嬢の姿が映る。

目がエメラルドのように美しく、まつげは長くカールし、白石のような肌と赤みの差した頬に小さな唇。

ザ・美形でびっくりしたなぁ。

「これが私?・・・綺麗ね・・。夢じゃないのか抓ってみよう。」

頬を抓ってみると、頬にピリリと痛みが走り鏡に映る自分の頬に薄っすら赤い痕が浮き出た。

「痛ったー・・・。夢じゃないのね。」


執事も数歩先に立ち止まって待っていたようだった。

「ルナ様はいつも大変お美しゅうございます。」と笑顔で相槌を打つ。

ボーナスステージすごいなー。猫すごいなー。
絵里香の人生が霞む境遇だわ。

猫に感謝!!合掌。

なんて思いながら、また足を図書館に向け歩き出した。

回想をしながら整理をすると・・・。
入ってきたこの美しい男性は現フェナルデイ伯爵
と似た相貌の私たちは多分兄弟なのだろう。


取り敢えず、お約束の台詞を・・。

「(たぶん)お兄さまですの?ルナはこちらにいます。」

伯爵令嬢のしゃべり方がわからん!
もう知ってる敬語、尊敬語、丁寧っぽい言葉で対応するしかない。

本棚の間から身を乗り出すと、ガシリ!!
と小さな肩を捕まれた。

「ルナ!!兄を覚えているのか?!…」

肩を捕まれたままガクンガクン揺らされ、泣きそうな表情の兄に「勿論ですわ。」と答えた。

「アルベルトがルナは記憶喪失になったなどと、執務室で騒ぎ立てて大変だったんだ。慌てて帰ってきたんだぞ。」

「父も心配していたんだぞ!!」

兄の後ろからフェナルデイ伯爵の絵姿然のそのままの父が現れ私の前に走り込んできた。

フェナルデイ伯爵家=過保護&オーバーリアクション

私の頭に覚えたての方程式が埋まる。
シスコンと溺愛パパの構図ですよ。

「アルベルト様?誰かしら?先程野原でお会いした方?」

「ルナ!!アルベルトを忘れたのか?」

「ざまぁアルベルト!!」
ガッツポーズまで取ってしまった兄(たぶん)と

「結婚する(予定)のアルベルト殿下を忘れるのは不味いぞルナ!!」
頭を抱えてる父。(たぶん)


二者二様すぎて、、、。ちょっと微妙。


「お兄さま、ざまあは失礼ですよ。昼に戸外で転んで頭をぶつけてしまったようでして・・。
記憶が混乱してしまっているようです。ですから、お兄さまの名前も思い出せませんの・・。
申し訳ありません。」


「なんだって!?頭は?怪我は大丈夫か?
医師を呼んで見てもらったほうが。。」

「え?お医者さまがいらっしゃるの?是非!!お会いしたいです!!」

この時代の医療に興味しかないです!!
兄(仮)に、ワクワクした目を向ける。

「なんで医者になんか会いたいんだ?!診察してもらうんだぞ?」

「なんでって、私の夢は愛だの恋だのよりも目指せ!職業婦人。目指せ女医者ですもの!!」

二人が固まった。

本日二度目の気まずい雰囲気が溢れかえっている。
父が慌てておでこに手を当ててくる。

「どうしたルナ!
打ち所が悪かったのか?
お前あんなに女の幸せは心から愛する方との結婚だと言っていたじゃないか!
母を早くに亡くして、男所帯でむさ苦しく育て上げたから道を間違えたか?

まさか!?
遂に精神が病んでしまったのだろうか・・。」

父まで鼻息を荒く興奮ぎみで心配そうに覗き込んでくる。

そうか。時代設定がだいぶ古いから職業婦人も通じない。レディースデイもない。
あるのは男尊女卑の構図ね。

歴史が好きだった私は、戦国時代の嫁を人質や道具としていた薄幸のヒロインに憧れたものだった。

が、現代育ちの私にはしんどい話だ。


それよりも、先程の話を総じてもう1つ大きく気になる点があるのだ。

先程の父(たぶん)の発言を巻き戻してみる。


アルベルト殿下 に注目!!

殿下は王子様   ですよねー?!


はい。高スペックの極みです。

私は彼を忘れました。
即ち、不敬です。


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