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異世界
異変の始まり。
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翌々日の朝食の場で、父から、翌週に行われるランドルの婚約者候補の集まりの日時と、詳細を聞かされる羽目になった私は、むしゃくしゃして厩舎へと向かう。
「さぁ、行くわよ。ホワイトソックス!!」
真っ白な愛馬の鼻先を撫でながら、乗馬の支度をする。
天文部の合宿で、ファームステイをしながら天体観測会の催しを企画したことも
あり、農場体験や乗馬も経験があった。
乗馬は慣れれば、自転車よりも高い位置で景色を見ながら草原を駆け抜ける最高の運動
だったので、私はこの世界に来て毎日のように乗馬を楽しんでいた。
公爵家の領地は広く、草原や、牧場、森や湖など美しい自然に囲まれた場所に広大な
敷地を誇っていた。
馬に森の中の小川で水を飲ませて、丸太へ腰かけて涼んでいると、目の前に、黒く大きな馬に
乗った男性がこちらに近づいて来る。
「・・・誰かしら?迷い人・・?」
私は、訝し気に相手を見ていると、馬上のその男性はプッと噴き出した様子だった。
「朝から乗馬ですか?こんな早朝に女性一人で馬に乗って走るなんて、危険ですよ。」
さらっと流れる黒髪に、ガーネットのような瞳。
目の下の黒子が艶のある男性が黒い馬の馬上から私に声を掛けて来た。
「・・お気遣い有難うございます。家は近くですので・・。ご心配には及びませんわ。」
私は、さらりとその男性の言葉を受け流し、水を飲み終えた馬の側へと行く。
「そうですか?・・宜しければ、心配ですのでお家まで、お送りしましょうか?」
紳士然とした、白いシャツにトゥザーズのラフな出で立ちで、私に微笑んだ。
「いえ、結構です。お気持ちだけで。」
馬にサッと跨り、手綱を握った。「では、失礼しますね!!」ペコリと挨拶をすると少し先の小川の橋を渡ろうと進む。
・・・ドン!!!!!!
と目の前で大きな音がして、橋が燃え盛りながら・・落ちた。
え・・。今の何??
急に橋が燃えるなんて・・。
まさか!?
私は後ろを振り返ると、嬉しそうに微笑む男性の表情を見た。
「あなた・・!!今、魔術を使いませんでした?!さっきまであの橋は何ともなかったのに!」
私は、余りの出来事に、美麗な男性を怒りの表情で睨む。
男性は、サッと黒い馬から身を降ろして近づいてきた。
な。。なんだろう。。
私の知り合い??私に何か恨みでも持っている方なのかしら??
緑の目線は強いままで、心臓はドキドキしていた。
「君に興味がある。すぐに帰られると困るんだ・・。だけど、橋はすぐに元に戻せるから安心して。」
私の真ん前で、その男性はにっこりと笑んだ。
「困るんですけど・・。どなたか存じ上げませんが、魔術とは私利私欲の為に
使う物ではないでしょう?
万人の為にお使い下さい。
私の通せん坊なんかに使う魔力が勿体ないですわ。用があるなら声を出しなさいよ!」
「へえ・・・。本当に、面白いご令嬢ですね・・・。確かに声があるなら声を出せば
良いですね。口があるなら口を使えばいい。その通りですね。」
私の口元を見ながら、意味有り気に笑った。
「分かればいいんです・・。それで・・何か御用ですか?」
「君も見たところ、相当な魔力を持っておりますよ?それが、急に爆発しないと良いですね。
コントロール力を身に着けなければ、誰かを巻き込み、傷をつけてしまいますよ?」
真っ赤な目が煌き、私の腕を掴みぐいっと引き寄せる。頭の後ろを掴まれて無理やり口づけをされた。
赤い目が開かれたまま、唇に吸い付いてくる。
な、なんなの!!?・・何なのよこの人ー!!!
沸騰しそうな怒りが体中を走った。
私は、その人の下唇をガリッと噛んで、突き放した。
男性の後ろの木に雷がドカーンと落ちる。
「貴方、誰なの?晴天なのに・・雷?・・今の、何なのよっ。」
「・・・痛いな。私ですか?知らない方がいいのでは?」
冷えた視線を寄越した男性が、唇の真っ赤な血を拭いながら妖艶に笑った。
「貴方の力でしょう・・。全く、少しのコントロールも出来ないのですね。
危なく、もう少しで私の頭上に当たってしまう所でしたよ?言った側から、、気をつけて下さい。」
残念そうな表情を浮かべている男は、謝罪や、罪悪感すらも無さそうだ。
私は、今の意味の分からない行動と、言葉の押収に呆然とする。
今の力は私の物??!
もう、どういう意味!?
・・・・今の、キスは何ーー?!
「感情が、顔に出ておりますよ。私の事を得意と思ってなさそうだ。」
「・・・逆に、貴方の事を得意と思う男女に伺いたいです。貴方の何処が長所なのか。」
冷たい表情で、睨むと、その男性は思い切り噴出した。
「あははははっ。・・そうですね。確かに、自分でもこんな私の長所なぞ分からない。」
大きい声で笑いだし、ポカンとした表情をしてしまう。
この人は、何がしたいのかは分からないので、早々に撤収しようと思った。
回り道をすれば、邸には戻れるのでそのルートを考えながら馬に跨った。
「今日は、この位にしときますね。・・またお会いしましょう。セレーナ。」
「え?!なんで・・名前!!」
くすっと意味のある笑いを浮かべ、左目の黒子が更に艶やかさを主張していた。
ハッ!手綱を引いて早々に黒い駿馬は物凄いスピードで逆方向へと駆けて行った。
「なんだ・・なんなんだ・・!!もう、あの人のペースじゃない!!」
怒りが収まらず、更にストレスを抱える事になった乗馬を終えて邸に帰ると
家の玄関ホールが騒然となり、人だかりが出来ていた。
「どうしたの!?これは・・。一体何があったのですか?」
私は、急いでメイド達を捕まえて事情を聴くと、真っ青になったメイドが声を震わせ
「カストロ様が、王立図書館へ向かう途中、馬車が襲われてしまい切りつけられて怪我を
なさって・・・。
今、この邸へ運びこまれた所です。」
「そんな・・。お義兄様が?!こんな朝から・・?!」
とても・・嫌な予感がした。
同じような出来事が過去に何度も起きていたから。
「さぁ、行くわよ。ホワイトソックス!!」
真っ白な愛馬の鼻先を撫でながら、乗馬の支度をする。
天文部の合宿で、ファームステイをしながら天体観測会の催しを企画したことも
あり、農場体験や乗馬も経験があった。
乗馬は慣れれば、自転車よりも高い位置で景色を見ながら草原を駆け抜ける最高の運動
だったので、私はこの世界に来て毎日のように乗馬を楽しんでいた。
公爵家の領地は広く、草原や、牧場、森や湖など美しい自然に囲まれた場所に広大な
敷地を誇っていた。
馬に森の中の小川で水を飲ませて、丸太へ腰かけて涼んでいると、目の前に、黒く大きな馬に
乗った男性がこちらに近づいて来る。
「・・・誰かしら?迷い人・・?」
私は、訝し気に相手を見ていると、馬上のその男性はプッと噴き出した様子だった。
「朝から乗馬ですか?こんな早朝に女性一人で馬に乗って走るなんて、危険ですよ。」
さらっと流れる黒髪に、ガーネットのような瞳。
目の下の黒子が艶のある男性が黒い馬の馬上から私に声を掛けて来た。
「・・お気遣い有難うございます。家は近くですので・・。ご心配には及びませんわ。」
私は、さらりとその男性の言葉を受け流し、水を飲み終えた馬の側へと行く。
「そうですか?・・宜しければ、心配ですのでお家まで、お送りしましょうか?」
紳士然とした、白いシャツにトゥザーズのラフな出で立ちで、私に微笑んだ。
「いえ、結構です。お気持ちだけで。」
馬にサッと跨り、手綱を握った。「では、失礼しますね!!」ペコリと挨拶をすると少し先の小川の橋を渡ろうと進む。
・・・ドン!!!!!!
と目の前で大きな音がして、橋が燃え盛りながら・・落ちた。
え・・。今の何??
急に橋が燃えるなんて・・。
まさか!?
私は後ろを振り返ると、嬉しそうに微笑む男性の表情を見た。
「あなた・・!!今、魔術を使いませんでした?!さっきまであの橋は何ともなかったのに!」
私は、余りの出来事に、美麗な男性を怒りの表情で睨む。
男性は、サッと黒い馬から身を降ろして近づいてきた。
な。。なんだろう。。
私の知り合い??私に何か恨みでも持っている方なのかしら??
緑の目線は強いままで、心臓はドキドキしていた。
「君に興味がある。すぐに帰られると困るんだ・・。だけど、橋はすぐに元に戻せるから安心して。」
私の真ん前で、その男性はにっこりと笑んだ。
「困るんですけど・・。どなたか存じ上げませんが、魔術とは私利私欲の為に
使う物ではないでしょう?
万人の為にお使い下さい。
私の通せん坊なんかに使う魔力が勿体ないですわ。用があるなら声を出しなさいよ!」
「へえ・・・。本当に、面白いご令嬢ですね・・・。確かに声があるなら声を出せば
良いですね。口があるなら口を使えばいい。その通りですね。」
私の口元を見ながら、意味有り気に笑った。
「分かればいいんです・・。それで・・何か御用ですか?」
「君も見たところ、相当な魔力を持っておりますよ?それが、急に爆発しないと良いですね。
コントロール力を身に着けなければ、誰かを巻き込み、傷をつけてしまいますよ?」
真っ赤な目が煌き、私の腕を掴みぐいっと引き寄せる。頭の後ろを掴まれて無理やり口づけをされた。
赤い目が開かれたまま、唇に吸い付いてくる。
な、なんなの!!?・・何なのよこの人ー!!!
沸騰しそうな怒りが体中を走った。
私は、その人の下唇をガリッと噛んで、突き放した。
男性の後ろの木に雷がドカーンと落ちる。
「貴方、誰なの?晴天なのに・・雷?・・今の、何なのよっ。」
「・・・痛いな。私ですか?知らない方がいいのでは?」
冷えた視線を寄越した男性が、唇の真っ赤な血を拭いながら妖艶に笑った。
「貴方の力でしょう・・。全く、少しのコントロールも出来ないのですね。
危なく、もう少しで私の頭上に当たってしまう所でしたよ?言った側から、、気をつけて下さい。」
残念そうな表情を浮かべている男は、謝罪や、罪悪感すらも無さそうだ。
私は、今の意味の分からない行動と、言葉の押収に呆然とする。
今の力は私の物??!
もう、どういう意味!?
・・・・今の、キスは何ーー?!
「感情が、顔に出ておりますよ。私の事を得意と思ってなさそうだ。」
「・・・逆に、貴方の事を得意と思う男女に伺いたいです。貴方の何処が長所なのか。」
冷たい表情で、睨むと、その男性は思い切り噴出した。
「あははははっ。・・そうですね。確かに、自分でもこんな私の長所なぞ分からない。」
大きい声で笑いだし、ポカンとした表情をしてしまう。
この人は、何がしたいのかは分からないので、早々に撤収しようと思った。
回り道をすれば、邸には戻れるのでそのルートを考えながら馬に跨った。
「今日は、この位にしときますね。・・またお会いしましょう。セレーナ。」
「え?!なんで・・名前!!」
くすっと意味のある笑いを浮かべ、左目の黒子が更に艶やかさを主張していた。
ハッ!手綱を引いて早々に黒い駿馬は物凄いスピードで逆方向へと駆けて行った。
「なんだ・・なんなんだ・・!!もう、あの人のペースじゃない!!」
怒りが収まらず、更にストレスを抱える事になった乗馬を終えて邸に帰ると
家の玄関ホールが騒然となり、人だかりが出来ていた。
「どうしたの!?これは・・。一体何があったのですか?」
私は、急いでメイド達を捕まえて事情を聴くと、真っ青になったメイドが声を震わせ
「カストロ様が、王立図書館へ向かう途中、馬車が襲われてしまい切りつけられて怪我を
なさって・・・。
今、この邸へ運びこまれた所です。」
「そんな・・。お義兄様が?!こんな朝から・・?!」
とても・・嫌な予感がした。
同じような出来事が過去に何度も起きていたから。
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