転生したらストーカーも転生したようなので、魔術師団に入ります。

館花陽月

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異世界

魔術師団に入りたい!!

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私はエントランスホールから大きな木製の手すりを掴みながら階段を急いで登って、二階の兄の部屋へと急いだ。

人をかき分け、兄の様子を見に部屋へと足を踏み入れた。兄は肩を切り付けられたようで、包帯を何重にも巻かれて部屋のベッドで眠っていた。

その様子を見て、私は思い出した。

私が現世で、男性と仲良くすると・・。
その男性達は次々に怪我や、原因不明の事故が立て続けに起きていた。

まさか・・。この世界でも、同じように!?

私はこの世界に転生して来たけど、追いかけて来た相手はどうなったの?

あの時に私を助けようと、一緒に・・・落ちてしまったとしたら?

そんな不安が襲ってきて・・。
私は、自室へと戻りベッドの上で膝を丸めて怯える。


「どうしたんです、お嬢様?」

ローザが、心配そうにティセットと、レモンタルトを持ち込みソファセットのテーブルへと並べる。

「お義兄様のお怪我の具合はどう?」

不安そうな私に、ニッコリと笑って

「切り傷は深いものでは無いようで、数日は安静なようですが大丈夫みたいですよ。」

そう言って、私をソファまで手を引いて運ぶ。

「良かった・・。凄く嫌な事を思い出したの。
私にはどうしようもなくて、無力で。。私のせいで、色々な人が傷ついたから。」

カチャリと、目の前に砂糖とミルクのポットを置きながらローザが言った。

「私は状況が判らぬので何とも言えないのですが・・・。
その時に、大切な人を守るための魔法があれば良かったですね。力があれば守れますのにね・・。」

私は驚いて、ローザを見た。

そうだ。私は力を持つ者だと、朝の乗馬で会った男性に言われたのだった。

ただし、力をコントロールする必要があると言っていた。

もし、ストーカーが転生していても、私の魔術が使えれば、人も、自分も守れるかもしれない!

私はガバッと、ソファから起き上がり、数日前の戦略を書いた紙を引っ張り出した。

「お嬢さま、どうされました?」

「ローザ、その手があったわ!!」

不思議な顔で見つめるローザに

「私、魔術師団に入るわ。
防衛魔術も、攻撃魔術も極めて自分も他人も今度は守ってみせる!
ついでに魔術師団に入れば、婚約も回避出来るし!一石二鳥だわ。」

私は碧の瞳を強く光らせ、高らかに宣言した。

「しかし、、一介の魔術師よりも、更に強力な魔力が魔術師団に入る為には求められますよ?
魔力の属性も、確か1つでなく、2種以上の属性が必要な筈です。」

「私も詳しくは判ら無いのだけど、今朝魔法を使う男性に乗馬の最中に出会ったの。その人に、魔力が強いと言われたわ。
そこで・・とーっても嫌な事をされて!
彼の後の木に雷が落ちたの。
私がやったのだと言われ、コントロールしないと人を傷ついると言われたわ。」

「ええっ!?雷を?
お嬢様が落とされたのですか?それは・・・。」

ローザが驚いて、紅茶のポットを取り落としそうになっていた。

「雷がどうかしたの?」

「・・恐れながら、雷は光属性の攻撃魔法です。
咄嗟にそれを使えてしまうなんて!!
光の属性は、闇に匹敵する最強属性です。
この世界でも、使える者は限られております。」

「要するに、私の魔力の属性は特殊な物なのね?」

「はい!!魔術師団でも、使える者は限られております。」

やったー!!
もしかしたら、魔術師団入りが叶うかも!

私は実現可能かもしれない未来に、希望を取り戻すことが出来たのだった。

「あ!!ちょっと待って。魔術師団って、どうやって入るの?!」

「そうですねぇ、確か年に一度の入団テストを受けて、試験をパスするか・・。
後は、団員から推薦を頂き、属性の確認を受けて力を各師団長から認められれば入れると聞きました。入団テストは毎年9月だったかと、・・・後3ヶ月後になります。」

「そうなんだ・・。
なら、来週の婚約者候補の集いには出ねばならないのね・・。婚約者候補の一人な訳だし。
他のお似合いのご令嬢をランドル様に宛がって婚約者にならなければ良いのよね!
そして魔術師団への入団目指して頑張るわ。」

「む、難しいとは思いますが、私はお嬢様のお味方です!!」

頼り甲斐のあるメイドの言葉に頷く。

私は、前向きに笑った。
気がつくと、朝からの鬱々気分は吹っ飛んでいた。
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