転生したらストーカーも転生したようなので、魔術師団に入ります。

館花陽月

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マグダリア王国編

運命の環。

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ケイレブは、周りの犠牲を考慮し、急ぎ上空へと飛行した。

それに凄い速さで追いかけてくる男が同じ高さまで
呆気なく浮上する。

空へと到達した白い煙が2人の間を隔てていた。
風向きが変わり、お互いの顔が見える進路を取った。

ギラリと光る紅い瞳は、笑みを一瞬浮かべた。

黒塗りの剣を一振りしたその後、ケイレブ目掛けて剣を繰り出す。

「隣国にまで干渉とは総長も暇なのだな。今の代は呑気で良い・・。
カストリアの平和呆けには呆れるわ。」

「アリストラド・・・。
お前とまた戦わねばならぬなど、皮肉としか言えない!!
もう、二度とあんな苦悩に満ちた思い出は向き合いたくも、・・・再び経験したくもないのに!!」

構えた魔剣から、炎系の攻撃魔法と鋭い針がケイレブに向かい無数の霧のように飛散する。

「・・・っ。なんだこれは!?クソッ。」

炎系の防御のために、水系の凍結魔法を繰り出す最中に銀色の光が自分目掛けて飛んでくることに驚いたケイレブは移動魔法で転移をしようと、試みようとした・・。

その時、ブレスレットからポゥ・・・。っと薄く青い光の噴射が始まった。

転移を中断したケイレブは、ブレスの光に気を取られていた。


「これは・・。何が起ころうとしているんだ?!」


氷系の呪文で炎系魔法を消化し凍結した後に
注がれる銀色の雨のような輝きを見上げた。

「カキン・・・!!カキン!!カキン!!!カキン・・・!!」

目の前のブレスレッドの青い光はプロペラのような青く光る羽の実体化を形作り、ケイレブの体の数倍に広がっていく。

見事に全てを・・撃ち落としたのだった。

「なんだ・・これは。魔術・・?!
見たことがない技だ。」

ケイレブは驚いて、ブレスを見た。

攻撃への防御が終わると、元の形に戻り鈍色の光を放つ銀色のブレスレットのままで存在していたのだった。

「・・・ケイレブ、なんだそれは?
何故この攻撃が効かぬのだ。
新たな魔術か・・。それとも、あの者の力か?」

アリストラドは、驚きを隠しきれぬ表情でケイレブを見上げる。

「あの者とは誰だ?!今度のお前の狙いは誰なんだ!?
・・・セレーナ=アルベルディアなのか?!」

苦しそうな表情でケイレブはアリストラドを睨んだ。

フッ・・と目を瞑りその質問すら笑って流そうとしたアリストラドは、静かに腰に下げてあった銀色の光物に手を掛けた。

「お前がそんな事を知った所で阻止など出来ぬ。
この国も、この世界も私の手に落ちるのをせいぜい
隣国から指を銜えて見ていれば良かったのに・・。」

「そんな事はさせない。・・・前回だって、どれだけの近隣の王族の血と、魔術師団の犠牲が払われたのかお前だって理解していただろう!?
お前は一体、何を憎む。」

「煩い・・。
あの力は解き放たれる為に神が自ら授けた物であろう?
前回のように邪魔が出来ないよう、以前は親友であった私の手ですぐに、楽にしてやる!」

「この先にお前がやろうとしている事は神への冒涜だ!!
総長と呼ばれ。魔術師団員を家族のように大切にしていたお前は誰からも尊敬の目で見られていたのに!!何故再び間違った選択をするのだっ。」

つまらない物でも見るような瞳でケイレブを睨む
紅い瞳は、何も映していないようだった。

冷たい視線は、違う者を視線の先に捉え嬉しそうに笑った。

ケイレブは、視線の先の存在が何なのかを理解していた。

悔しそうに目を閉じ、ブレスを握り何かを唱えた後
大きな蒼い瞳を見開き先行攻撃を放った。

「お前は、もう親友だったアリストラドではない。
只の神聖な存在の血と力に妄執して狂った・・・化け物だ!」

手の平から紅蓮の炎と、白く眩い光の合体魔法が放たれその場の一帯が音が消えたように光に全てが飲み込まれた。

近くにいた、リンダとセレーナは目を見張りケイレブ達の戦闘に気付いて頭上の空を見上げた。

次の瞬間にアリストラド目掛けた紅蓮の炎の柱が実態を捉え突き刺す。

「・・・やったか?!」

ケイレブは、嘆息し下へ降りようと踵を返したその時紅い瞳はケイレブを捉えにやりと笑う。

ハッと、顔を上げたケイレブの瞳に無傷の男の笑みが映る。

「お前など、親友でも何でもない。何の感情も持っていなかったよ。」

一言添えた言葉と共に赤い弾丸が放たれた。

セレーナとリンダは、上空の様子を息を殺して見つめた。


赤い弾丸は物凄い速さでケイレブを捉え、転移を行ったケイレブと共に消えた。


「総長!?総長ーーーーっ!!!!」

リンダは紫の髪を振り乱して、混乱する頭を抱えて泣き叫ぶ。

セレーナも目の前で起きた戦闘のその結果にゾクリと悪寒が走り、身震いをする。

・・今のは一体何?あの男は何なの?!
何故だか全身が竦む。

セレーナは、その男を昔から知っているような
不思議な感覚が過ったのだった・・。

「ケイレブ様・・っ。どうか無事でいて!!」

祈るように、目を閉じケイレブを攻撃した男へと視線を向けた。

美しい長い黒髪に紅い瞳。
・・ざわりと心が震えた。

「長い付き合いもこれで終わりだ。さようなら、ケイレブ。」


黒い長い髪を邪魔そうにかきあげながら、アリストラドはケイレブが消えた宙を見て静かに言葉を投げた。


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