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マグダリア王国編
悲しき終幕。
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突然のエミールの登場にその場は騒然となっていた。
「エミール=アクセルロッドの亡骸は、祖国カルドリアへ送った筈だ。
殿下と私が全部手配し、確認もしてあった・・。
・・あれは何だったのだ?」
クリスが碧の瞳を険しく歪め、エミールに詰め寄る。
「私共は、死体の山を築くことも可能です。
そして、模倣させて葬る魔術も可能です・・。
そんなのはある程度の魔力を持つ者なら理解できるはずです。
・・・この方には造作もない事ですよ。」
「確かに・・それは可能だクリス。
エミールは我々が知っているエミールでは無かったと言う事だ・・。残念だが。」
クレードも苦虫を噛み潰したような表情でクリスと目を合わせ頷く。
「それよりもエミール?!ジェンダリン=ボマード博士は?今何処にいるの?」
「・・・セレーナ嬢、貴方の目の前にいます。」
エミールの横に大きな球体が浮かんでいた。
蒼く海のような丸い球・・・。
「なんですって?!・・・こ、この中に?」
私は見たことのない魔法のような、その球体の構造を見て考える。
まるで地球のような美しい青、そして乍かな球体が浮上している。
魔術だけでなく、物質の化学の応用?!
ここに人が閉じ込められているとしたら・・。
「UVレジンのような物で固めたような物?それとも魔術ですか?」
「両方が、正解だよ。ナノレベルの分子構造を理解した上で魔術を使い器に生命を入れて閉じ込める・・。
そんな事がこの世界では可能だったんだ。」
私は驚いた。
UVレジンをさらりと理解し、ナノを理解する。
そんな疑問が浮かんだ瞬間に、その球体目がけてクリスが斬りかかる。
その球体には傷一つつかずに、すぐに裂け目がピタリとくっつく。
「クリス、危ないわ・・!!近づいちゃ駄目よ。」
私は、クリスを下がらせに向かう。
傍で見た球体の中に、ジェンダリン=ボマード博士が目を閉じたまま倒れている姿が見えた。
「・・博士をどうするつもりですか?!」
エミールと、アリストラドに向かい私は大きく叫んだ。
「そうだな、お前達に渡すつもりはないだけだが・・。
どうするかと言えば・・・消すか、操るかの二者択一だな。」
紅い瞳を大きく見開き、あざ笑うような笑みを見せた。
その美麗な笑みに、ゾクリと体が震えた。
「ふざけるな!!折角、化け物のような科学と魔力の融合の産物に勝てる僅かな希望が見えたのにっ。」
クレードはアリストラドに向けて怒鳴る。
クリスも剣先をアリストラドの方へと向けた。
エミールは、黙ってアリストラドの前に歩み出てこちらに剣を構えた。
もし、UVレジンが器となっての魔術だとしたら・・。
助けられるかもしれない。
私は、その球体にイチかバチかで飛び込んだ。
魔術師団の希望であるジェンダリン=ボマード博士を助けなきゃ!!
科学と魔術の悪用と、裏切りを乱用し、人命をいとも簡単に奪う・・。
ブルームスコーピオンと、アリストラドだけは絶対に許せない!!
「・・私を中に入れて。お願い・・!!」
強く念じてその個体へと手を伸ばした。
「バシャッ・・・!!!!!」
大きな水音と共に私は自分の体を球体の中へと捻じ込んだ。
「セレーナ!?おい、何をするんだ・・?!」
ランドルが慌てて、球体の側へと駆け寄る。
メーデルやクレード、アスコット、クリスもセレーナの行動に予測がつかず、唖然とした表情で見つめている。
球体の中は、液体がそのまま固まっているような状態だった。
酸素もそのまま凝固されていた。
倒れていたジェラルドを抱き起し、光の魔法で中からこの個体を破壊しようと念じる。
光刃破裂!!
眩い光が球体を包み、一気に玉がボヨンと揺らぎ波打った。
「姉さん!?」
「セレーナ!!何が起きているんだ?」
「何だ、この光・・。セレーナ、無事か?!」
球体は破壊する事は出来なかったが、形を変え、うねりをあげた。
ズボッと、そこから人の手が飛び出した。
中から、セレーナは意識のないジェンダリンを外へと押しやる・・。
「そんな・・。この球体の中へ入り込み、外へ出すなんて・・。
空間に閉じ込め、鍵を持たぬ者は入れない魔術が掛けられた器だと言うのに・・。
魔術を破ったのか?」
エミールは、唖然とした表情を浮かべる。
「馬鹿な事を。自ら飛び込むとは・・。
・・・・まぁいい、それなら有り難く、私の一番欲しい物を頂くだけだ。」
アリストラドは嬉しそうに紅い瞳を眇めて笑む。
ドサッ・・!!!!
地面の上に投げ出されたジェンダリンは、そのまま倒れ込む。
すぐにランドルが抱き留め、水晶癒で回復させていた。
すぐに、アスコットとクレード、リンダが駆け寄りセレーナを助け出そうと手を伸ばそうとする。
バリ・・バリ・・バリ・・・!!!!
雷の刃が球体の前に降り注ぐ。
驚いた顔で見上げた3人はギョっとした顔でその光景を見た。
球体を自分の方へと呼び寄せ、愛しそうに抱きしめるアリストラドの姿に一同は言葉を失う。
「セ、・・・セレーナ!!?セレーナ?!!」
ランドルは、ジェンダリンを抱えながら、起き上がろうとした。
しかし、セレーナはそれを制止した。
決意に満ちた瞳で、自分を見つめている事に気が付いたのだった。
静かに碧の色の瞳を輝かせ、静かに頷いた。
「大丈夫です・・・。
必ず、私が捕らえられた研究者達を助けますから。待ってて下さい・・・。」
セレーナは、心の中でも、声に出してもそう強い瞳で呟く。
クレードやアスコット達もそのやり取りを見て苦しそうに顔を歪めた。
ランドルは、辛そうに笑う。
「必ず・・。必ず助けに行く・・。どんな事になっても俺はお前が好きだから・・。」
セレーナはピクりとその言葉に反応した様子を見せた。
彼女の瞳には、うっすらと涙が滲んでいた。
アリストラドは、2人の様子に呆れたような表情で笑う。
「お前達の絆など引き裂いてやる。セレーナは私の唯一の相手だと。
・・・これから嫌と言う程思い知らせてやる。」
美しい黒髪がひらりと舞い、紅い瞳は愛しそうに球体の中のセレーナを見つめていた。
セレーナはゾクリと背筋が強張り、睨み付けた。
ふっと笑んだアリストラドに、一同は悔しい表情で睨み付ける。
アリストラドは、学術都市「クロニカル」からセレーナを連れ、エミールと共に消え去ったのだった・・。
「エミール=アクセルロッドの亡骸は、祖国カルドリアへ送った筈だ。
殿下と私が全部手配し、確認もしてあった・・。
・・あれは何だったのだ?」
クリスが碧の瞳を険しく歪め、エミールに詰め寄る。
「私共は、死体の山を築くことも可能です。
そして、模倣させて葬る魔術も可能です・・。
そんなのはある程度の魔力を持つ者なら理解できるはずです。
・・・この方には造作もない事ですよ。」
「確かに・・それは可能だクリス。
エミールは我々が知っているエミールでは無かったと言う事だ・・。残念だが。」
クレードも苦虫を噛み潰したような表情でクリスと目を合わせ頷く。
「それよりもエミール?!ジェンダリン=ボマード博士は?今何処にいるの?」
「・・・セレーナ嬢、貴方の目の前にいます。」
エミールの横に大きな球体が浮かんでいた。
蒼く海のような丸い球・・・。
「なんですって?!・・・こ、この中に?」
私は見たことのない魔法のような、その球体の構造を見て考える。
まるで地球のような美しい青、そして乍かな球体が浮上している。
魔術だけでなく、物質の化学の応用?!
ここに人が閉じ込められているとしたら・・。
「UVレジンのような物で固めたような物?それとも魔術ですか?」
「両方が、正解だよ。ナノレベルの分子構造を理解した上で魔術を使い器に生命を入れて閉じ込める・・。
そんな事がこの世界では可能だったんだ。」
私は驚いた。
UVレジンをさらりと理解し、ナノを理解する。
そんな疑問が浮かんだ瞬間に、その球体目がけてクリスが斬りかかる。
その球体には傷一つつかずに、すぐに裂け目がピタリとくっつく。
「クリス、危ないわ・・!!近づいちゃ駄目よ。」
私は、クリスを下がらせに向かう。
傍で見た球体の中に、ジェンダリン=ボマード博士が目を閉じたまま倒れている姿が見えた。
「・・博士をどうするつもりですか?!」
エミールと、アリストラドに向かい私は大きく叫んだ。
「そうだな、お前達に渡すつもりはないだけだが・・。
どうするかと言えば・・・消すか、操るかの二者択一だな。」
紅い瞳を大きく見開き、あざ笑うような笑みを見せた。
その美麗な笑みに、ゾクリと体が震えた。
「ふざけるな!!折角、化け物のような科学と魔力の融合の産物に勝てる僅かな希望が見えたのにっ。」
クレードはアリストラドに向けて怒鳴る。
クリスも剣先をアリストラドの方へと向けた。
エミールは、黙ってアリストラドの前に歩み出てこちらに剣を構えた。
もし、UVレジンが器となっての魔術だとしたら・・。
助けられるかもしれない。
私は、その球体にイチかバチかで飛び込んだ。
魔術師団の希望であるジェンダリン=ボマード博士を助けなきゃ!!
科学と魔術の悪用と、裏切りを乱用し、人命をいとも簡単に奪う・・。
ブルームスコーピオンと、アリストラドだけは絶対に許せない!!
「・・私を中に入れて。お願い・・!!」
強く念じてその個体へと手を伸ばした。
「バシャッ・・・!!!!!」
大きな水音と共に私は自分の体を球体の中へと捻じ込んだ。
「セレーナ!?おい、何をするんだ・・?!」
ランドルが慌てて、球体の側へと駆け寄る。
メーデルやクレード、アスコット、クリスもセレーナの行動に予測がつかず、唖然とした表情で見つめている。
球体の中は、液体がそのまま固まっているような状態だった。
酸素もそのまま凝固されていた。
倒れていたジェラルドを抱き起し、光の魔法で中からこの個体を破壊しようと念じる。
光刃破裂!!
眩い光が球体を包み、一気に玉がボヨンと揺らぎ波打った。
「姉さん!?」
「セレーナ!!何が起きているんだ?」
「何だ、この光・・。セレーナ、無事か?!」
球体は破壊する事は出来なかったが、形を変え、うねりをあげた。
ズボッと、そこから人の手が飛び出した。
中から、セレーナは意識のないジェンダリンを外へと押しやる・・。
「そんな・・。この球体の中へ入り込み、外へ出すなんて・・。
空間に閉じ込め、鍵を持たぬ者は入れない魔術が掛けられた器だと言うのに・・。
魔術を破ったのか?」
エミールは、唖然とした表情を浮かべる。
「馬鹿な事を。自ら飛び込むとは・・。
・・・・まぁいい、それなら有り難く、私の一番欲しい物を頂くだけだ。」
アリストラドは嬉しそうに紅い瞳を眇めて笑む。
ドサッ・・!!!!
地面の上に投げ出されたジェンダリンは、そのまま倒れ込む。
すぐにランドルが抱き留め、水晶癒で回復させていた。
すぐに、アスコットとクレード、リンダが駆け寄りセレーナを助け出そうと手を伸ばそうとする。
バリ・・バリ・・バリ・・・!!!!
雷の刃が球体の前に降り注ぐ。
驚いた顔で見上げた3人はギョっとした顔でその光景を見た。
球体を自分の方へと呼び寄せ、愛しそうに抱きしめるアリストラドの姿に一同は言葉を失う。
「セ、・・・セレーナ!!?セレーナ?!!」
ランドルは、ジェンダリンを抱えながら、起き上がろうとした。
しかし、セレーナはそれを制止した。
決意に満ちた瞳で、自分を見つめている事に気が付いたのだった。
静かに碧の色の瞳を輝かせ、静かに頷いた。
「大丈夫です・・・。
必ず、私が捕らえられた研究者達を助けますから。待ってて下さい・・・。」
セレーナは、心の中でも、声に出してもそう強い瞳で呟く。
クレードやアスコット達もそのやり取りを見て苦しそうに顔を歪めた。
ランドルは、辛そうに笑う。
「必ず・・。必ず助けに行く・・。どんな事になっても俺はお前が好きだから・・。」
セレーナはピクりとその言葉に反応した様子を見せた。
彼女の瞳には、うっすらと涙が滲んでいた。
アリストラドは、2人の様子に呆れたような表情で笑う。
「お前達の絆など引き裂いてやる。セレーナは私の唯一の相手だと。
・・・これから嫌と言う程思い知らせてやる。」
美しい黒髪がひらりと舞い、紅い瞳は愛しそうに球体の中のセレーナを見つめていた。
セレーナはゾクリと背筋が強張り、睨み付けた。
ふっと笑んだアリストラドに、一同は悔しい表情で睨み付ける。
アリストラドは、学術都市「クロニカル」からセレーナを連れ、エミールと共に消え去ったのだった・・。
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